メニューを開く

番組表

ご加入はこちら

Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

第299回 サーブの配球の基本

2017/04/12

プロが案外多用するのが“ボディサーブ”。互いの駆け引きも見ものです

 読者の方からサーブの配球についてご質問がありましたので、それにお答えします。

 基本的に選手は自分の得意のコースというのがまずあります。また、対戦相手によっても配球を考えます。そして、もう一つ、コートサーフェスにも影響されます。例えば芝コートではスライスサーブが有効なので、私の場合はワイドに逃げるスライスサーブを多用します。クレーコートでは、いつもよりスピン量を増やして、ファーストサーブとセカンドサーブの中間くらいのものをまぜて確率を上げていくというように、アジャストをします。
 配球では、もちろん自分の得意不得意やその時々の状態も大事な要素ですが、やはり対戦相手が第一でしょう。相手はここが得意ではない、ここにサーブを打ったらおそらくここに返ってくるというのを読み取ることができれば、それを考えてサービスゲームを進めていきます。相手がどこにも穴のない選手なら、できるだけコースを散らしていくことを考えます。

 一般プレーヤーの方々に比べてプロが多用するのが、ボディサーブ(体の正面を突くサーブ)でしょう。一般の方は、打ち分けと言えば、相手を動かすためにワイドか「T」(センターサービスラインとサービスラインが接する位置)か、とまず考えますよね。ところがプロの場合は案外、正面のサーブも有効なのです。
 正面とはいえ、そのままでは打てないので、必ずどちらかに体を逃がして打たなくてはなりません。サーブ自体にスピードがあるため、体をよけながら構える難しさがあって、リターンが窮屈な形になりやすいのです。ですからボディサーブを使う選手は多いですし、私も多用していたほうだと思います。
 相手が手足が長くリーチがある選手だと、両サイドに打ち分けても、リターンでもっと角度をつけられたり、厳しい所に飛んできたりということがよくあります。そこで、リターンのコースをしぼるためにも、ボディサーブは多用します。

 ゲームポイントなど大事な場面、プレッシャーがかかるところでは、自分の得意なコース、打ちやすいコースで勝負することが多くなります。ただ、相手も当然それは考えるので、そこはお互いの読み合いですね。例えば、勝負したいときに使いたいから、それまではそのコースをあまり使わないで取っておく、ということもあると思います。

 サーブが得意な選手、時速200キロとか、それに近いサーブが打てる選手なら、リターンする選手は“次はこちらに来るな”とか“こっちが8で反対側が2かな”などと、どちらかにしぼって予測します。私のサーブは時速160キロ、150キロ台だったので、相手は弾道を見て反応しても遅くないのですが、これくらいのスピードだと、コースを読んだり“張る”ということが必要になります。
 ただ、野球のピッチングでも、同じ140キロのボールが速く感じる場合と、そこまで速く感じない場合とあると思うのですが、サーブも同じで、選手はいかに速く感じさせるかというのを考えます。もちろんスピードだけでなく、コースと回転量、相手の予測の逆を突くとか、いろんな要素があるから、サーブとサービスリターンの攻防は面白いのです。

 サーブがあまり得意ではない選手ほど、配球や緩急などの工夫が必要です。特にセカンドサーブではそこがキーになります。錦織圭選手にとってもセカンドサーブは大きな課題でしたが、かなり改善されてきましたね。
 サーブとリターンは試合の要と言ってもいいと思います。最初が肝心で、そこがうまくいくと、思うような展開に持っていけて、ゲームを支配できます。試合後のコメントでも、サーブのリズムがよかったとか、リターンの時にコースがよく見えたというような発言がよく聞かれます。ゲームを大きく左右するところなので、質問を寄せてくださった方のように、その攻防に注目していただくと、より面白く観戦できると思います。


「愛’s EYE」コラムテーマ募集中!
杉山愛さんに語ってもらいたい、こんな事を聞いてみたいテーマを、
コラムをご覧の皆様より大募集中!たくさんのご応募をお待ちしております!

応募はこちら
https://eq.wowow.co.jp/enq/ai_eye/

好評連載中の杉山愛オリジナルコラム「愛’s EYE」が、書き下ろしを加え書籍化!!
購入はこちらから>>

杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
グランドスラムダブルス最高成績:全豪準優勝(2009年)、ウィンブルドン優勝(2003年)、全仏優勝(2003年)、全米優勝(2000年)
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム連続出場の歴代2位記録(62大会・女子1位)を持つ。

新規ご加入はこちら e割 加入料なし!カンタン・おトク!
あなたも、お友達も視聴料1カ月無料
WOWOW iPadサービス
  • WOWOWテニス2017シーズン イメージソング 『TROPHY』 INABA / SALAS
  • 目指せ!サービスエース
  • 錦織圭公式サイト KEI NISHIKORI.COM
  • 大坂なおみ公式サイト
  • 国枝慎吾公式サイト
  • 奈良くるみ公式サイト Powered by TENNIS DAILY
  • クルム伊達公子公式サイト Powered by TENNIS DAILY
  • wowshop 新発売 大人気キャラクター テニス太郎 ぬいぐるみ・マスコット(ストラップ付き)
  • wowshop 全豪オフィシャルグッズ販売中