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杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

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第289回 スポーツ文化について考えてみました

2017/01/26

一過性ではなく、テニスがスポーツ文化として根付くように

 様々な場面で「スポーツ文化」という言葉を目にする機会が増えてきました。スポーツをどうやって日常や生活に取り込むか--シンプルに言うと、そういうことだと私は思っています。
 もともとスポーツ好きな人は、生まれ育った環境や現在の環境でスポーツとどれだけ密接にかかわってきたか直接、影響を及ぼしているはずです。それとは別に、あるスポーツがブーム的に取り上げられて、マイナースポーツと言われたものがメジャーになり、人気を拡大していくこともあるでしょう。その場合、ブームを一過性のものにせず、積み重ねていくことによって、日本でもスポーツのステータスが確立されていくのかなと思います。

 人気スポーツになる際には、必ずスーパースターの存在がかかわってきます。テニスでは錦織圭選手、ラグビーなら五郎丸歩選手と、競技を代表する選手がいます。一人の選手の活躍でそのスポーツの魅力に触れて、好きになり、見るようになるという流れがあると思うのですが、そこで個人に収まってしまうと、人気が一過性のものになってしまう恐れがあります。
 選手から入っても、多くの方がその競技自体の魅力に引き込まれるといいのですが、そのためには、選手というより競技団体など周囲の役割や責任も大きくなります。また、ファンの方も、競技自体の面白さを少しずつ感じながら見ていただけると、スポーツの奥深さを味わっていただけるでしょう。

 そこは私がテレビで解説を行う際に気をつけていることです。解説者の立場で、私はできるだけ競技そのものの魅力を伝えたいと思っています。例えば錦織選手の試合なら、相手の素晴らしさも伝えたうえで、錦織選手はその相手にこういう戦いをしている、それもまた素晴らしい、ということを伝えたいと考えています。そうすることで、ゲーム自体の面白さ、奥深さが伝わると思うからです。  気持ちとしては当然、錦織選手を応援していますが、いわゆる応援解説は自分のやりたいことではありません。ただ、できるだけ公平に、という思いが伝わらず、対戦相手を応援しているように受け取られてしまう場合もあって、それが残念です。

 スポーツの楽しみ方は人それぞれですから、もちろん、楽しんで見ていただくのが一番なのですが、表面的に見ただけではわからないことをお伝えしたいという気持ちが私たちにはあります。どちらかを贔屓するのではなく、できるだけフェアに見て、そこから本当のすごさをお伝えしたいと思っています。そういうところから徐々にスポーツ文化、見る文化が育っていくのでしょう。選手という「個」にだけ興味のある方には、その真意が伝わりにくいのかもしれません。
 勝負ですから勝ち負けも大切ですが、勝ち方、負け方も重要なところです。その選手が競技に取り組む過程を長いスパンで見て、その試合では負けたけれども次につながるものなのか、全部出しきったけれど負けてしまったのか、出し切れなかったから負けてしまったのか、同じ負けでも、まったく内容や意味合いが違ってくるのがテニスの面白味です。そのあたりに注目していただけると、解説者としてはうれしいことです。

 アメリカやヨーロッパには、一日中、スポーツを中継しているテレビ局があって、スポーツが身近に存在し、スポーツ文化も根付いていると感じます。
 ですから、発信していくメディア側にも課題はあると思います。テニスは時間が確定しにくいので、テレビで放映しにくいスポーツですが、もっとメディアがファンをガイドしていかなくてはならない部分もありそうですね。
 日本にもスポーツ文化が根付いている競技、地域はあると思います。プロ野球の広島カープファンや阪神ファンがその好例です。ファンの方々は愛情を持って、球団や選手を自分の体の一部のように思っています。我が子をかわいがるように成長を見守り、ときには厳しく叱る。そこにはある意味、成熟したスポーツ文化を感じます。いろいろな競技で、こうした状況が生まれるといいのですね。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
グランドスラムダブルス最高成績:全豪準優勝(2009年)、ウィンブルドン優勝(2003年)、全仏優勝(2003年)、全米優勝(2000年)
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム連続出場の歴代2位記録(62大会・女子1位)を持つ。

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