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Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

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杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

第255回 クレーコート観戦の手引き

2016/05/23

ボールの質、状況判断、ポジション……知れば知るほど難しいのがクレーです

 クレーコートの特徴はハードコートより球足が遅いことです。つまり、ボールがバウンドしてから打点の位置に飛んでくるまでに時間があるのです。

 全仏オープンのコートの材質は煉瓦を細かく砕いたもので、他のクレーコートよりは球足が速いのが特徴です。そのため、比較的、ハードコートに近いプレーができるコートとも言えます。とはいえ、決まっているはずのボールが決まらないこともたくさんあります。球足が遅いことに加え、守備側はスライドフットワークなどを使ってボールを拾うため、ディフェンス力がアップするからです。

 そこで、鉄則は決め急がないことです。じっくりやっていかなくてはいけないのがクレーコート。3球、4球とラリーが長くなっていくため、精神的な忍耐力も求められます。同じ理由で体力面の強化も必要です。

 また、他のサーフェスに比べ、ボールの質がそのまま影響するということも見逃せません。どれだけ良いボール、質の高いボールを打っているかというのがスコアに直接影響します。「質が高い」というのは、ひとつには、受け手側が「重い」と感じるボールです。スピンの量が多ければ、ボールがより高く跳ねます。また、できるだけ体重を乗せてボールを打つことが求められます。これが受け手にとって重いボールになります。

 スライスにしても、しっかりと回転がかかったショットでなければ浮いてしまうため、同様に質が求められます。

 さらに、どれだけ「三次元」を使えるか、というのがクレーで求められる戦術です。ハードコートのようにスピードだけではなかなか決まりません。例えばアングルショットで外へ追い出したり、ドロップショットで前へおびき出すなど、コートを広く使うことがハードコート以上に求められるはずです。

 こうして、ラリーの中でクリエイトしていくポイントが増えるのがクレーコートです。

 選手にしてみれば、攻めるボールかそうではないかの判断がハードコートとは少し違ってきます。ハードコートなら“これで攻められる”という状況、例えばダウン・ザ・ラインへ展開できそうなボールも、クレーでは、もっと自分が有利な状況になってからでないと、ダウン・ザ・ラインに打っても逆襲を食らうことが考えられます。経験上、そこの判断が混乱するとクレーコートシーズンを苦しむことになります。

 クレーコートシーズンに入る時に選手が「アジャストが必要」とコメントしますが、これは、バウンドに慣れ、クレーのフットワークを使い、さらに戦術上の判断を修正する、という意味でもあります。同じクレーコートでも大会ごとにコンディションが違い、球足が速いところも遅いところもあるので、そこでも微妙にアジャストが必要です。このあたりは、テレビ画面では一番伝わりにくい所かもしれません。

 そのほかにはポジションですね。ベースラインの後ろに下がれば守備はしやすくなりますが、後ろにいたままでは攻撃につながりません。しかも、守備のために走る範囲も広くなります。自分からポイントを取るという意味では前にポジションをとるべきですが、前にとるか後ろかという判断は、ハードコートより難しいところです。

 また、高く跳ねるボールを使う選手が多いので、しっかり下がって自分の打ちやすいところで打つか、前に入っていって跳ねる前にとるかという判断も必要です。これは私が最も苦労したところです。

 ボールが跳ねる分、いつもより高いところ、打ちにくいところで打たされることが多く、そうすると力が入らないのです。そこで、中に入っていって自分にとって心地よい打点で、ということになるのですが、それには、勇気が必要です。ですから、前に入るのは、ちょっと怖さがありました。前に入るなら、後ろに下がってまた入ってというポジションの“出し入れ”も必要なので、それだけ体力も必要になります。クレーの特徴を知れば知るほど、中に入りにくいところもあるのです。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
グランドスラムダブルス最高成績:全豪準優勝(2009年)、ウィンブルドン優勝(2003年)、全仏優勝(2003年)、全米優勝(2000年)
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム連続出場の歴代2位記録(62大会・女子1位)を持つ。

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