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Column コラム

杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

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杉山愛 オリジナルコラム「愛's EYE」

第204回 車いすテニスのみどころ 2

2015/05/08

国枝慎吾 写真:アフロ、上地結衣 写真:Getty Images

■やるべきことをやり抜く芯の強さを持っている国枝選手と上地選手

 今回は日本が誇る男女の世界ランキング1位、国枝慎吾選手、上地結衣選手について書いてみたいと思います。

 国枝選手はグランドスラム(四大大会制覇)とパラリンピック2連覇を達成した世界チャンピオン。錦織圭選手が登場する前の話ですが、ロジャー・フェデラーが日本のメディアから〈日本に世界的なテニス選手が出てこないのはどうしてなのか〉と聞かれ、「シンゴ・クニエダという素晴らしい選手がいるじゃないか」と答えたという有名な話があります。

 それくらい、日本より世界で先に認められたのが国枝選手です。

 彼はまた、車いすテニスのイメージをガラッと変えた選手でもあります。私も最初は先入観があって、車いすテニスというと、もう少し長くラリーをして、つなぐ印象があったのですが、実際は全然違います。攻撃的に、どんどんウィナーを取っていく。チャンスがあればネットもとって、ボレー、スマッシュで決める。車いすテニスで、こんなことが可能なのかと感じるくらい、果敢に攻めていくプレースタイルが彼の魅力です。そういうスタイルを車いすテニスに初めて持ち込んだのが国枝選手と言っていいでしょう。

 世界のナンバーワンになっても、彼は自分のテニスを突き詰め、さらにレベルが上がっています。このあくなき追求、探求、そして挑戦が、世界王者のメンタリティなのだなと感じます。

 彼と一緒にトークショーをしたことがあって、そこで聞かせてくれたメンタルトレーナーとの取り組みは興味深いものでした。

 アメリカから取り入れたメンタルトレーニング方法で、「オレはナンバーワンだ!」「一番だ!」と声に出すのだそうです。少し恥ずかしいというか、私たち日本人のスタイルには合っていないようにも思うのですが、彼はそれを実践してきました。彼は、そこが自分には足りないところだから、あえてやってみて、やっていくうちに自分のものになっていったといいます。

 こういうプロセスは錦織選手のメンタル面の成長とも似ているように思います。また、心の素直さとか、アドバイスを受け入れる態勢が整っている点も二人の共通点でしょう。

 もちろん、今の国枝選手は心の底から「自分は一番だ」と思えていて、だから、今の地位にずっと君臨しているのだと思います。

 今、31歳ですが2020年のパラリンピック東京大会まで現役を続けるという、チャレンジングな目標を掲げています。タフな挑戦だと思うのですが、若手を含め、色々な人が彼にチャレンジャしてくる中で、国枝選手自身もテニスを磨き、技術が上がっているので、ぜひ目標を達成してほしいですね。

 今までは国枝選手ばかりに注目が集まっていましたが、若手ながら、グランドスラムでも大活躍して注目されているのが上地選手です。

 彼女も国枝選手と同じく性格がプラス思考です。「やらずにはいられない」という前向きさが光り、それがプレースタイルにもあらわれている印象があります。

 また、コメントを聞いていると、いつも「頭のいい選手だな」と感じます。だから、ああいうしっかりしたテニスができるんだろうなと納得できます。

 年齢的にも21歳と若く、リオデジャネイロと東京のパラリンピックは、選手として一番いい時期に迎えることができるでしょう。若くしてナンバーワンになって、これからがタフな状況だと思うのですが、国枝選手と同様、彼女もやるべきことが明確に見えていて、こうと決めたらそれをやりぬく芯の強さを持っているので、必ず私たちの期待に応えてくれると思います。


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杉山 愛

杉山 愛
生年月日:1975年7月5日
出身:神奈川県
主な戦績:
WTAツアー最高世界ランク シングルス8位 ダブルス1位
国際公式戦勝利数:シングルス492勝 ダブルス566勝
WTAツアー:シングルス優勝回数6回
ダブルス優勝回数38回
グランドスラムダブルス最高成績:全豪準優勝(2009年)、ウィンブルドン優勝(2003年)、全仏優勝(2003年)、全米優勝(2000年)
公式戦通算試合数:1772試合(シングルスとダブルス)
グランドスラム連続出場の歴代2位記録(62大会・女子1位)を持つ。

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