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みどころ・試合内容 /
2017年4月3日 放送

みどころ・試合結果

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37戦全勝36KO ヘビー級怪物王者5度目の防衛戦!

WBC世界ヘビー級タイトルマッチ

デオンテイ・ワイルダー

WBC世界ヘビー級チャンピオン

デオンテイ・ワイルダー

(アメリカ)

ジェラルド・ワシントン

WBC世界ヘビー級8位

ジェラルド・ワシントン

(アメリカ)

  • みどころ

KO率97% 豪腕ワイルダーのV5戦
挑戦者ワシントンも19戦無敗

 15年1月の戴冠から2年、すでに4連続KO防衛を果たしているWBC世界ヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダー(31=アメリカ)が、同級8位にランクされるジェラルド・ワシントン(34=アメリカ)を迎えて5度目の防衛戦に臨む。ワイルダーにとっては前戦に続いて地元での試合となる。37戦全勝(36KO)、97パーセント超のKO率を誇る自慢の強打が再び爆発しそうだ。
 ワイルダーは08年北京五輪ヘビー級で銅メダルを獲得したほどの逸材だが、身長201センチの割に体重が98キロ前後と細身だったこともありプロ転向後は慎重なマッチメークが施された。それが功を奏して連続KO勝ちが32まで伸びたという一面もあるわけだが、以後はしっかりと実力を証明している。バーメイン・スティバーン(アメリカ)との決定戦では初めて12ラウンドをフルに戦いきって判定勝ち、WBCの頂点に立った。4度の防衛戦は9回KO、11回TKO、9回KO、8回終了TKOで片づけており、長丁場の戦いにも慣れてきたようだ。
 同じアラバマ州出身の元世界ヘビー級V25王者、ジョー・ルイスの「ブラウン・ボマー(褐色の爆撃機)」と銅メダルをかけて「ブロンズ・ボマー」のニックネームがあるが、速い左ジャブで煽って相手を後退させ、飛び上がるようにして右を打ち込む様は爆撃を連想させるだけの迫力がある。細かくチェックしたらいくつも欠点が出てくるようなラフなボクシングだが、その小細工のないダイナミックな戦い方がワイルダーの魅力でもある。事実、拳を交えた過去の37選手は隙をつくことができずに軍門に下っているのだ。
 今回の相手、ワシントンは1ヵ月前に挑戦が決まった無敗の大型選手で、昨年7月にワイルダーがクリス・アレオーラ(アメリカ)と戦った際にはアンダーカードに出場しており(世界挑戦経験者レイ・オースティンに4回KO勝ち)、顔見せは済んでいる。もともとワイルダーはアンドレイ・ワウルジク(ポーランド)を相手にV5戦を予定していたが、そのワウルジクがドーピング検査で陽性だったため、急遽、ワシントンに出番が回ってきた経緯がある。裏返せば、それだけワシントンには自信があるともとれる。
 ワシントンはアメリカ海軍のヘリコプター整備士やアメリカンフットボールの選手を経験した異色で、身長198センチ、リーチ208センチ、体重108キロとワイルダーと比較しても見劣りしないほどの大柄だ。12年7月のプロデビューから19戦18勝(12KO)1分と無敗をキープしており、勢いもある。こちらも決して器用なタイプとはいえないが、左で煽って右を打ち込むスタイルはワイルダーと共通するものでもある。むしろワイルダー以上に右狙いに徹したボクシングといえるかもしれない。
 前戦で右拳と右上腕二頭筋を痛めたワイルダーにとっては若干の不安を抱えてのリングとなるが、それが試合に大きな影響を及ぼすことはないとみる。順当にいけばワイルダーが左ジャブでお膳立てをして右ストレートで仕留めてしまうはずだ。12対1のオッズがひっくり返る番狂わせが起こるとしたら、ワシントンの右がワイルダーのアゴを射抜いたときだろう。「去年7月の試合と同じように、KOでバーミンガムから帰って来るよ」というワシントンの自信は不気味でもある。スタートからヘビー級らしい迫力あるパンチの交換が期待できそうだ。

 


Written by ボクシングライター原功

ヘビー級トップ戦線の現状

WBA   :空位
WBC   :デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)
IBF    :アンソニー・ジョシュア(イギリス)
WBO   :ジョセフ・パーカー(ニュージーランド)

 一時期と比較すると若くて新鮮なメンバーが世界のトップに座っているといえる。WBC王者のデオンテイ・ワイルダー(31=アメリカ)は37戦全勝(36KO)、IBF王者のアンソニー・ジョシュア(27=イギリス)は18戦全KO勝ち、WBO王者のジョセフ・パーカー(25=ニュージーランド)は22戦全勝(18KO)。3人とも全勝でKO率も高く、ヘビー級の新時代到来を感じさせる。ただし、ワイルダーはジェラルド・ワシントン(34=アメリカ)を、そしてジョシュアは4月29日に元3団体王者のウラディミール・クリチコ(41=ウクライナ)をそれぞれ退けることが条件となる。パーカーも5月にヒューイ・フューリー(22=イギリス)との指名防衛戦を控えており、これらの試合結果によっては再び混迷の時代に戻る可能性もある。特にジョシュア対クリチコは世代交代という意味でも重要な試合となる。
 こうしたなかWBAの正規王座決定戦が6月、45歳のシャノン・ブリッグス(アメリカ)対43歳のフレス・オケンド(プエルトリコ)というカードで行われる。これはこれで別の意味で注目すべきなのかもしれない。
 無冠組では前WBA暫定王者のルイス・オルティス(37=キューバ)の力が突出している。サウスポーのオルティス(29戦27勝23KO2無効試合)はジョシュアと同じイギリスのプロモート会社と契約を交わしていることから、年内にもIBF王座に挑む可能性があるが、ワイルダーやパーカーとのカードも興味深い。このほかIBF最上位の2位に名を連ねているクブラト・プーレフ(35=ブルガリア)、パーカーと接戦を演じたアンディ・ルイス(27=アメリカ)も再挑戦の機会をうかがっている。