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<世界のトップボクサー この選手に注目!>
万能型のゴンサレス 天才ロマチェンコ メキシコの人気者アルバレス 2016.09.09

世界的な注目選手を紹介するコーナーも3回目を迎えた。過去2回はヘビー級やライト・ヘビー級など比較的重い階級のスター選手を取り上げたが、今回は軽量級のローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア/帝拳)とワシル・ロマチェンコ(28=ウクライナ)、そして中量級のサウル・カネロ・アルバレス(26=メキシコ)を紹介しよう。
いずれも実績を残していながら、なお多くのポテンシャルを秘めた20代の選手だ。

日本では「ロマゴン」の愛称で呼ばれることが多いゴンサレスは少年時代、ニカラグアの英雄としても知られる元世界3階級制覇王者、アレクシス・アルゲリョの指導を受けた。のちに同国の首都マナグアの市長になったアルゲリョは09年に亡くなったが、ゴンサレスは「彼は永遠の憧れの存在」と尊敬している。
ゴンサレスはアマチュアで89戦88勝1敗という驚異的なレコードを残し、05年にプロデビュー。以来、45戦全勝(38KO)という非の打ちどころのない戦績を記している。21歳でミニマム級、23歳でライト・フライ級、27歳でフライ級を制し、師と同じ3階級制覇を成し遂げている。奇しくも3度の戴冠はいずれも日本のリングだった。特に新井田豊(横浜光)を4回TKOで破った試合と、八重樫東(大橋)を9回TKOで屠った試合は圧巻だった。ゴンサレス自身も「初めての世界戦となった新井田選手との試合の緊張感、集中力を持ち続けるよう心掛けている。八重樫選手はパンチもあって勇敢だった」と振り返っている。
50キロ前後の計量級ながら、ゴンサレスはボクサーの総合的な評価とされるパウンド・フォー・パウンド(PFP=体重を同一と仮定した強さの指標)でNO,1にランクされている。万能型の強打者で、攻防ともにボクサーの完成形といっても過言ではないほどだ。この先、連勝記録をどこまで伸ばすのか、そして井上尚弥(大橋)との対決はあるのか、などなど日本のファンにとっても大いに気になる存在といえる。

前出のパウンド・フォー・パウンドで新顔としてトップ10内に入ってきたのがWBO世界スーパー・フェザー級王者のロマチェンコだ。このウクライナ出身のサウスポーはアマチュア時代に08年北京大会、12年ロンドン大会と五輪連覇を果たしており、世界選手権でも09年と11年の大会で優勝を飾っている。アマチュア戦績は397戦396勝1敗(諸説あり)というのだから驚きだ。
「ハイテク」というニックネームを持つロマチェンコはプロ転向に際し、「デビュー戦で世界王座に挑戦させてほしい」とプロモーターに要求したほどの自信家でもある。これは却下されたが、デビュー戦では世界ランカーに鮮やかな4回KO勝ちを収め、非凡さを印象づけたものだ。2戦目で世界挑戦が実現したが、体重オーバーの相手を警戒して前半をセーブ。最終回にはKO寸前まで追い込んだものの、前半の失点が響いて僅差の判定負けを喫してしまった。これがプロ7戦(6勝4KO1敗)で唯一の黒星だ。
続く3戦目でWBO世界フェザー級王座を獲得(14年6月)。これは75年のセンサク・ムアンスリン(タイ)に並ぶスピード出世記録でもある。群を抜くスピードとスキルを武器に3度の防衛を重ねたロマチェンコだったが、「試合がおもしろくない」という評があったのも事実だ。こうしたなか今年6月、ベテランのローマン・マルチネス(プエルトリコ)を5回KOで沈めて2階級制覇を成し遂げた。この試合では前後左右に動きながら自ら仕掛けて相手を圧倒、最後は強烈なアッパーで仕留めてみせた。内山高志(ワタナベ)や三浦隆司(帝拳)が返り咲きを狙うスーパー・フェザー級で、ロマチェンコは一気に頂上に駆け上がったのである。ただし、天才ボクサーの視線はさらに先に向けられている。遠からずライト級にも進出するプランがあるのだ。今後も「ウクライナのハイテク」から目が離せない。

最後に紹介するアルバレスは、「カネロ」の愛称で世界的に知られている人気者だ。「カネロ」とはシナモンのことで、毛髪が赤いことから親しみを込めてそう呼ばれている。アルバレスはボクシング王国メキシコの出身で、兄7人のうち3人がプロボクサーという環境で育った。13歳のときに兄たちに連れられてジムに行きボクシングを始めた。ごく自然の流れといえよう。アマチュアで46戦(44勝2敗 ※諸説あり)したあと05年10月にプロデビューした。そのときの年齢は15歳、日本でいえば中学3年の秋のことである。いまも26歳と若いが、すでに49戦(47勝33KO1敗1分)のキャリアがあるのは、初陣が早かったことも関係している。
アルバレスは年間7〜8試合のハイペースでリングに上がり、5戦目に引き分けた以外は順調に白星を重ねた。北米王座やユース王座などを獲得したあと11年に20歳でWBC世界スーパー・ウェルター級王者になった。WBA王者との統一戦でも勝ち、このまま突っ走るかと思われたが、13年9月のフロイド・メイウェザー(アメリカ)との試合で判定負け。アルバレスは約12億円の報酬と引き換えに世界王座と無敗の称号を失った。
しかし、その敗北でひと皮むけたアルバレスは昨年11月にはWBC世界ミドル級王座につき、2階級制覇を成し遂げた。今年5月の初防衛戦では元王者アミール・カーン(イギリス)のスピードに苦しみながらも6回に右クロス一発で仕留め、あらためて非凡な才能をみせつけた。その試合後に王座を返上したアルバレスは、ベスト体重のスーパー・ウェルター級に戻ることを選択。9月17日(日本時間18日)には同級WBO王座に挑むことになっている。これをクリアすれば再びミドル級に進出する計画があり、27歳になる来年は大勝負に出る予定だ。メキシコのみならずアルバレスは世界のリーダーとして、さらなる活躍が期待されている。


Written by ボクシングライター原功

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