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村田諒太が分析&展望 怒涛のビッグマッチ4試合 2016.08.24

9/11@イギリス ゴロフキン対ブルック
9/11@アメリカ ゴンサレス対クアドラス
9/18@アメリカ サウル・アルバレス対スミス
9/25@イギリス ホルヘ・リナレス対クロラ
(いずれも試合日は日本時間)



9月、まるでリオデジャネイロ・オリンピックの終了を待っていたかのようにボクシングのビッグマッチが立て続けに行われる。3週連続で開催されるこれらの注目ファイトを、12年ロンドン五輪ミドル級金メダリストで現在はプロで世界王座を視界にとらえている村田諒太(30=帝拳)がボクサーの立場で分析し、そしてマニアの目で勝敗の行方を占った。



ブルックのスピードに勝機あり

9月11日、先陣を切ってイギリスのロンドンでは世界ミドル級タイトルマッチ、3団体統一王者ゲンナディ・ゴロフキン(34=カザフスタン/アメリカ 35戦全勝32KO)対IBF世界ウェルター級王者ケル・ブルック(30=イギリス 36戦全勝25KO)の試合が行われる。王座獲得から6年、16人の挑戦者すべてをKOで退けてきた豪腕、ゴロフキンは同じ階級のトップ選手たちから対戦を拒まれるほどの猛者だ。そんな強打者にブルックはあえて2階級上げて挑戦する。KO率91パーセントのゴロフキンに対し、ブルックはどう戦うのだろうか。



――この試合が決定したと聞いたとき、どんな感想を持ちましたか。

村田 「ブルック、男だな」と思いました。「ゴロフキンは誰からも敬遠されるチャンピオン。だからこそ戦いたいんだ」と言っていたらしいですからね。カッコいいじゃないですか。

――どんな試合展開になりそうですか。

村田 2階級下から上げてくるブルックが足をつかって動き、それをゴロフキンが追う展開になると思います。

――ゴロフキンはいつも通りの戦い方をしそうですか。

村田 いままで通りでしょう。でも、動く相手にパンチを振り回しているとスタミナを失うので、しっかりと左ジャブを突いて組み立てると思います。ゴロフキンが冷静に戦えば勝ちは動かないと思いますね。

――ブルックに勝機があるとしたら?

村田 パンチをもらわずにスピードで勝負することでしょう。ゴロフキンが焦る、パンチを振り回す、スタミナが切れる――そんな悪循環に陥れてポイントを奪う展開ですね。実は以前、ブルックが世界挑戦するときに練習場が一緒だったことがあって近くで彼を見たんですが、ウェルター級にしては筋骨隆々とした体格だと思いましたが、ミドル級の体ではないという印象でした。だからブルックが勝つ姿が想像しにくいんですよ。

――ずばり、ゴロフキン対ブルックの予想は?

村田 ゴロフキンの終盤TKO勝ち。でも、最近の試合のなかでは一番苦戦すると思います。

――では、村田選手がゴロフキンと戦うとしたら、どう攻めますか。

村田 まずはガードをしっかりすることですね。ゴロフキンは打ったあとに休む瞬間があるし、スタミナもあるように見えますが、自分のペースで戦っているから問題ないんだと思うんです。テンポ自体もそれほど速くはないので、そのゆっくりしたところを突くことですね。我慢しながら委縮せずに距離を潰して勝負します。

――今後、村田選手自身も王座の争奪戦に絡んでいきそうですね。

村田 僕はWBO王者のビリー・ジョー・サンダース(26=イギリス 23戦全勝12KO)を狙っていますが、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ ※後出)も彼を狙っていると聞いています。このあたりとゴロフキンの統一戦という構図になりますが、とにかく僕も参戦できるように頑張ります。

ゴンサレス対クアドラスの勝者が井上と対戦?

同じ9月11日、アメリカのカリフォルニア州イングルウッドではローマン・ゴンサレス(29=ニカラグア/帝拳 45戦全勝38KO)が、4階級制覇を狙ってカルロス・クアドラス(28=メキシコ/帝拳 36戦35勝27KO1分)の持つWBC世界スーパー・フライ級王座に挑む。体重を同一と仮定した「パウンド・フォー・パウンド」で世界中のボクサーで最強という評価を受けるゴンサレスが、またひとつ勲章を増やすのか。それともクアドラスが立ち塞がるのか。同じ階級には井上尚弥(23=大橋 10戦全勝8KO)もいるだけに、これも興味深いカードだ。



――ゴンサレスがクアドラスに挑戦しますね。

村田 クアドラスがツイッターなどで挑発していたみたいなので、ゴンサレスとしては怒りを感じているでしょうね。クアドラスも自信満々らしいので、面白い試合になると思います。でも、ゴンサレスの勝ちは動かないでしょう。距離を詰められてボディ、顔面に打ち分けられるとクアドラスも耐えられないのでは。ただ、ゴンサレスも以前、スーパー・フライ級でテストした際は動きに切れがなかったので、このクラスでどういう体をつくるのかという問題はあると思います。

――ゴンサレスの最も優れた点はどこだと思いますか。

村田 よどみない波状攻撃ですね。滑らかにずっと繋がるような連打なんです。僕らが真似しようとすると、1回止まる一時停止があるんですが、ゴンサレスの場合は水が流れるかのように連打が出続ける。そういう動きなんです。

――そんなゴンサレスにとってもクアドラスは戦いにくい相手なのでは?

村田 僕もそう思います。ただ、クアドラスもゴンサレスのような選手と戦ったことはないので、そういった意味では興味深いですね。 ゴンサレスが新しい階級にどう馴染むかという点と、クアドラスのボクシングとゴンサレスのボクシングがどう噛み合うかという点がカギですね。

――この試合の勝者がWBO王者の井上尚弥選手と戦うシナリオだと、さらに盛り上がりますね。仮に井上選手とゴンサレスが戦ったら、どんな展開を予想しますか。

村田 井上選手が序盤に勝負をかけてパンチを直撃すればゴンサレスも耐えきれないと思います。ただ、中盤以降になってきて井上選手が疲れ、ゴンサレスが相手のパンチの軌道を読んで連打してきたら井上選手は苦しいですね。いずれにしても痺れる試合になることは間違いないでしょう。

――ゴンサレス対クアドラスのセミファイナルでは、今年4月に大激闘のすえに引き分けた亀海喜寛選手(33=帝拳 31戦26勝23KO3敗2分)対ヘスス・ソト・カラス(33=メキシコ 43戦28勝18KO10敗4分1無効試合)の再戦があります。

村田 今度は亀海選手がTKO勝ちすると思います。前回も勝っている内容だったので、序盤からプレッシャーをかけていって終盤で捕まえるんじゃないでしょうか。亀海選手の8回か9回TKO勝ちと予想します。

アルバレスはスミスに苦戦か

9月18日、アメリカのテキサス州アーリントンではメキシコの人気者、前WBC世界ミドル級王者のサウル・カネロ・アルバレス(26=メキシコ 49戦47勝33KO1敗1分)が、WBO世界スーパー・ウェルター級王者リアム・スミス(28=イギリス 24戦23勝13KO1分)に挑戦する。6年前、20歳で世界王者になったプリンスも充実期に入り、さらなる高みを目指している。この5月、保持していたWBC世界ミドル級王座を自らの意思で手放したアルバレスは今回、元のスーパー・ウェルター級に戻して返り咲きを狙う。無敗のスミスを下し、その視線の先にゴロフキンを捉えることができるか。



――アルバレスの圧勝を予想するファンや関係者が多いみたいですが、村田選手はどうみますか。

村田 アルバレスが勝つとは思いますが、圧勝はないと思います。 スミスはスーパー・ウェルター級では大柄で、ガードが固くてパンチをもらわない選手で、過小評価されていると思います。アルバレスは苦戦すると思いますよ。

――どんな試合展開になりそうですか。

村田 スミスがガードを固めて前に出る。それをアルバレスが迎え撃つ――アルバレスは連打型の選手なので、一発ではなく回転力と連打のなかでどれだけパンチを当てることができるか、それ次第でしょう。体格のいいスミスのガードを崩せなかった場合、苦戦すると思います。

――アルバレスの最大の長所は?

村田 タイミングの良さとパンチの回転の速さですね。一発型と思われているかもしれないけれど、一発一発のパンチ力は特別ではないと思います。しっかりガードしてパンチを外し、そのうえで自分のパンチを狙っていく。真っ向勝負します。

――アルバレスがスミスに勝った場合、再びミドル級に転向する可能性がありますね。

村田 僕はいつでも戦いますよ。ゴロフキンと戦うよりはアルバレスの方がいいですね。

――アルバレスと戦うとしたら、どんなところを狙っていきますか。

村田 アルバレスは序盤に強いので、まずはそこをしっかり凌いで、自分の距離でパンチを当てていく。自分のボクシングで勝負します。

――アルバレス対スミス、村田さんの予想は?

村田 アルバレスの僅差の判定勝ち。薄氷の勝利になると思います。

イギリスではライト級の王者同士が激突

大トリとして9月25日、イギリスのマンチェスターではライト級の世界王座統一戦が行われる。拳の負傷が癒えたWBC休養王者のホルヘ・リナレス(31=ベネズエラ/帝拳 43戦40勝27KO3敗)が、WBA王者のアンソニー・クロラ(29=イギリス 38戦31勝13KO4敗3分)と対戦するのだ。ベネズエラから単身来日して17歳でプロデビュー。以来14年、すでに3階級制覇を成し遂げた天才、リナレスがライト級王座を統一するのか。敵地での試合だけに苦戦も考えられるカードだ。帝拳ジムの盟友でもある村田は、どんな展開を予想しているのか。



――リナレスは敵地イギリスに乗り込んでの試合ですね。

村田 いまイギリスはボクシング人気がすごくて勢いがありますね。
アメリカが世界のボクシングの中心のようになっていますが、もうひとつの中心はいまはメキシコではなくイギリスです。そこでのビッグマッチなのでとても楽しみです。リナレスは昨年もイギリスで試合をしているので敵地ということは問題ないでしょう。それに上り調子ですからね。

――どんな展開になると思いますか。

村田 クロラはガードを固めてプレッシャーをかけるだろうから、それにリナレスがどう対応するか。前に出るか、ジャブで距離をとるのか。

――リナレスの最大の長所は?

村田 見たこともないような、あのスピードですよ。超特急ですよね。一発一発のスピードを見たら、あのフロイド・メイウェザー(アメリカ=元5階級制覇王者)よりも速いんじゃないかというくらいのスピードですから。ただ、そのスピード差がどうなるかという問題もあります。前に出てこられてプレッシャーをかけられたときに、その圧力にどう対応するか。飲み込まれると厳しい試合になる可能性もあります。でも、リナレスが最後までスピードで押し通し、実力を出せば彼に勝てる相手はいないでしょう。

――ずばり、予想は?

村田 期待も込めてリナレスの中盤KO勝ちです。

9月11日、18日、25日と3週連続で行われる世界的な注目ファイト4試合。スター選手がさらに輝きを増すのか、それともボクシングの勢力図が大きく変わるのか。ボクシング界は9月も熱い日が続く。




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