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フロイド・メイウェザーのラストマッチ
「世紀の大番狂わせ」の可能性 2015.09.11

WBA、WBC世界ウェルター級チャンピオン、フロイド・メイウェザー(38=アメリカ)が12日(日本時間13日)、ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナでWBA同級暫定チャンピオンのアンドレ・ベルト(32=アメリカ)と対戦する。5月に長年のライバル、マニー・パッキャオ(36=フィリピン)に快勝したメイウェザーは「これが最後の試合」と公言しており、ベルト戦を最後に引退を示唆している。アトランタ五輪後の96年10月にプロ転向を果たしてから19年。はたしてメイウェザーは一度の敗北も知らずにリングを去ることができるのだろうか。

メイウェザーはパッキャオ戦だけで2億2500万ドル(現在のレートで約272億円)の報酬を手にし、年間では3億ドル(約363億円)を稼いだと報じられている。8月下旬に報道陣に練習を公開した際には、パッキャオ戦後に購入したという480万ドル(約5億8000万円)の超高級スポーツカーに乗ってジム入りしたほどだ。「マネー(金の亡者)」のニックネームを地で行く行動といえよう。いつもはマスコミにトレーニングを見せないことで知られるメイウェザーだが、今回はスパーリングまで公開するなどイベントの盛り上げにも積極的だ。今回の試合に関してメイウェザーは、友人でもあるベルトを「彼は3度もウェルター級で王座を獲得している。パワフルでエキサイティングな強い選手」と持ち上げ、そのうえで「私が永遠の最強であることを証明するための試合」と位置づけている。

ここまで48戦全勝(26KO)のレコードを残しているメイウェザーが勝てば、50年代に元世界ヘビー級チャンピオンのロッキー・マルシアノ(アメリカ)が残した49戦全勝(43KO)の生涯戦績に並ぶことになる。ただし、マルシアノは引退後に飛行機事故で亡くなっており、「49」は“呪われた記録”ともいわれている。事実、80年代に無敵を誇った世界ヘビー級チャンピオンのラリー・ホームズ(アメリカ)は49戦目で初黒星を喫しており、また、90年代から2000年代にかけて23度の防衛を誇った世界ライト・ヘビー級チャンピオン、ダリウス・ミハエルゾウスキー(ポーランド)の連勝もデビューから48でストップしている。「メイウェザーはそんなジンクスも問題にしない」という声が圧倒的ではあるが、対戦相手のベルトを甘くみることはジンクス以上に危険であろう。

アメリカ生まれのベルトは04年のアテネ五輪予選では敗れたが、両親の出身地であるハイチ代表として五輪に出場した実績を持っている。父親が総合格闘技の元選手で、兄はベルトのコンディショニング・コーチを務めるなど家族の絆は固いものがある。この点は、父親が元選手で現トレーナー、叔父が元世界2階級制覇チャンピオンというメイウェザーと似ている。

ベルトが初めて世界王座についたのは08年6月のこと。奇しくもこのときのWBC世界ウェルター級王座はメイウェザーが返上したものだった。当時からスピードと強打を売りにしていたベルトは、こうしたことから「メイウェザーの後継者」とも呼ばれて大きな期待を寄せられたものだった。しかし、11年にダウン応酬の激闘のすえビクター・オルティス(アメリカ)に敗れると、スランプに陥ってしまった。上腕二頭筋の断裂という大ケガを負い、ドーピングで陽性反応を示したため出場停止処分を受けるなど散々だった。試合では気持ちだけが先走りして攻防が単調になるところを突かれ、13年夏までにさらに2度の挫折を味わわされてしまった。ベルト自身も「もう自分の季節は終わったのかと思った」と振り返っているほどだ。

こうしたなか13年秋には痛めていた肩の手術に踏み切った。そのため14ヵ月のブランクができたが、戦線復帰後はWBAの暫定王座を獲得するなど2連勝と好調だ。ベルトは「肩を治して復活した」と自信も取り戻した。「いま自分がどんな評価を受けているのか、どんな予想が立てられているのか分かっている」と俯瞰する冷静さも持ち合わせている。「でも、いまが私のピークなんだ」とベルトは歴史的な大番狂わせを起こすことに意欲満々だ。戦績は33戦30勝(23KO)3敗。KO率ではメイウェザーを大きく上回っている。

総合的な戦力で大きく勝るメイウェザーが完封勝ちするという予想が大勢を占めるが、絶対王者に気の緩みがあるようだとベルトの強打が大波瀾を起こす可能性も捨てきれないものがある。メイウェザーのスピードとスキル、天才的な防御とともに、ベルトの意地にも注目したい。


Written by ボクシングライター原功

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