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第８４回アカデミー賞で作品賞など計５部門に輝いた秀作。サイレント映画のスターがたどる栄枯盛衰を、大胆にもサイレント、モノクロ、スタンダードサイズの画面で描いた。

主人公はサイレント映画全盛期の人気男優だが、時代がトーキー（音声付き映画）に移ると、その“名声”を急激に失っていく。そんな物語の本作が、映画が生まれた国とされるフランスで作られ（ロケ地はハリウッドだが）、しかも新作ながらサイレントなど初期の映画のようなスタイルを採用。映画黎明期に思いをはせたくなる、映画好き必見作だ。基本的にサイレントだが、2場面であえて音声を聞かせたのも妙。アカデミー賞ではサイレント映画が第1回の「つばさ」以来、83回ぶりに作品賞を受賞する快挙も達成した。