ステージ

志の輔らくご「牡丹灯籠」（2010）

明治の落語家・三遊亭円朝の名作長編落語を立川志の輔が才能のありったけを注ぎ込んで、今蘇らせる。今夏の恒例公演は休みのため、この機会を見逃せない。

　名作の呼び声高い立川志の輔版「牡丹灯籠」が登場！2010年8月、東京・本多劇場で行われたステージの模様をお届けする。夏の定例公演として毎年上演されているこの公演は、その評判から志の輔らくごの中でも最もチケットの取りにくいステージと言われている。
　原典は、三遊亭円朝の長大な「落語」。歌舞伎、新劇、人形劇まで翻案されてきたが、円朝の落語に基づき「志の輔らくご」化した作品はその中でも独特。一般に「牡丹灯籠」として知られてるシーンは、長大な原典のほんの一部だが、志の輔は、三遊亭円朝をじっくり読み込むことで、そのエッセンスをみごとにまとめあげ、新しい「牡丹灯籠」を作り出した。その複雑な人間関係、意外なストーリー展開は、古典でありながらスリリングな現代性も感じさせる。志の輔にしかできないミラクルな話芸で、誰にでも理解できる古典的で現代的な面白さ満載の「牡丹灯籠」。
　今年の夏の定例公演は行われないため、この夏、志の輔版「牡丹灯籠」を見ることができるのはWOWOWだけ！