映画

ブギーナイツ

１９７０～８０年代の米国のポルノ映画産業を舞台に、そこに集まった、個性的だが映画愛にあふれる人々の群像を、鬼才Ｐ・Ｔ・アンダーソン監督が描いて絶賛を浴びた傑作。

ポルノ映画の需要がうなぎ上りだった1970年代から、アダルトビデオの普及で衰退していった1980年代のポルノ・シーンは、作る側も見る側も家族のような感覚があったが、そんな恵まれた時代も終焉を迎えていった。本作は、ひとりひとりはどうしようもなくだらしなく、自立もできない面々が力を合わせることで、（この場合はポルノ映画とはいえ）何かを作り出していた時代への哀歌であり、同時に人生賛歌だ。完成当時まだ27歳だった新人監督アンダーソンは続く「マグノリア」などで名匠への階段を上っていく。