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INTRODUCTION

 生誕50周年の「大感謝祭」として意欲的な創作を続ける三谷幸喜の、自身初となるテレビドラマ監督作が登場! なんといっても注目は、その撮影手法だ。長編ドラマとして前代未聞の「完全ワンシーン・ワンカット」。ドラマの始まりから終わりまで、一度もカメラを止めずに撮影するという画期的な手法に挑む。撮影場所は険しい山道。そんな過酷な環境で、NGの許されないワンシーン・ワンカットにのぞむのは、実力派俳優の中井貴一、鈴木京香、梶原善の三人。中井と鈴木が演じる夫婦の会話を通し、笑いとほんのちょっとの涙の中に「夫婦とは何か」「人生とは何か」を問う。

STORY

 男はエリートサラリーマン。女はその妻で広告会社勤務のキャリアウーマン。二人は結婚して10年。お互い仕事が忙しく、すでに夫婦関係は完全に冷め切っている。妻の祖父の葬儀の帰り、山道に迷い込んだ二人。周囲に誰もいない山奥で、気兼ねなくののしり合う喪服姿の夫婦。果てしない口げんかの末、徐々に二人の関係に変化が訪れる。

STAFF・CAST

脚本と監督

脚本家。50歳を迎える2011年は「三谷幸喜大感謝祭」と題し、新作劇・映画・テレビドラマ・小説を発表する。例年にもまして活発な年となっている。

出演

MOVIE

映像の配信は終了いたしました。

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二人が歩く山道の入り口。ロケ地となったこの山道は、制作スタッフが約1年全国を探しに探してやっと見つけた場所。三谷監督から注文されたロケ地の条件「車が入れない狭い道」「途中に小川がある」「傾斜がある」などを見事に満たした“奇跡”の山道だ。信州から秋葉神社(静岡県浜松市)へと通じる古道・秋葉街道の長野県伊那市長谷地域で撮影が行われた。入り口の木の扉は美術スタッフによる手作り。古くからそこにあるようにたたずむ。

物語の序盤に登場する観音様。こちらはドラマの為に作られたものでなく、この秋葉街道に1740年頃からあるとされている実在の観音様。「白衣観音(びゃくいかんのん)」と言い、街道を通る人々の安全を祈るとされている。嵐や地震がきても、一度も岩の上から落ちずにそこにいるという言い伝えも…。「short cut」でも鈴木さんがお祈りをして、これから続く山道の安全祈願?をしている。

小川にも映像ではわからない工夫がある。川の底は、裸足で水遊びをする鈴木さんが足を怪我しないように、小さく丸い砂利石を敷き詰めている。また、川の水量も演出上、大切な要素。撮影当日の朝、スタッフが日々変わる水量の微調整をおこなっていた。川に架かる橋もドラマ用に木を組んで手作りしたもの。中井さんが渡る橋はもちろん、カメラマンらスタッフが渡る専用の橋もその横に作っている。

サル酒とは「猿が木のくぼみ等に溜め込んだ果実が自然に発酵してできたお酒」と言われている。とても甘い味がするという説も。さすがにサル酒を用意できないので、スタッフは代用品を手配。白くて甘い乳酸菌飲料を木のくぼみに入れたところ、数分で大量の虫が寄ってきて大変なことに…。試行錯誤の末、選ばれたのは「お米のとぎ汁」。不思議と虫一匹寄ってこない。ちなみに、この山道には野生の猿が生息している。本当のサル酒があるかも?

物語前半の重要なポイントとなった花畑。ストーリーの構成上、元々は何もない場所に花畑を作ることに。この花のほとんどは、リアルな美術を追求して生きた花を植えている。しかし、造花でなく、生花を使うことは大変な苦労がともなう。このロケ地は夜に雨が降ることが多く、昨日まで綺麗に咲いていた花が朝には倒れしおれてしまう。毎朝、美術スタッフ・ボランティアの皆さんで倒れた花を立たせ、新しい花を追加するなど、真夏の山中で汗を流した。

劇中に登場する熊。この着ぐるみの中に入っているのは、なんと三谷幸喜監督!監督が自ら出演していたのだ。通常の撮影ならば、監督は役者の芝居を見て指示をするのだが、今回は「完全ワンシーン・ワンカット」という特別な撮影の為、撮影場所から離れたところで待機しなければならない。撮影本番中、何もせずに待つことができなかった監督は、何か力になれないかと自ら熊の役を志願。三谷幸喜が熱演する熊にもご注目を!

梶原さん演じる巌が登場するこの場面。カメラに映らない所で、実は秘密のことが行なわれていた。中井さんと梶原さんが相対している間、鈴木さんはカメラに映らない短い時間を使って、ほんの少しの休憩をし、スタッフと合流し化粧直しをしている。真夏の山中で芝居し続けるという過酷な状況で、つかの間の休息。その後、何事もなかったかのように劇中に戻るので気づくことは難しい。他にもこの場面では、たき火、カブトムシなどに秘密が隠されている・・・。

ロケ地となった伊那はニホンミツバチの生息地として有名。ドラマで使用された蜜蜂の巣箱も「丸洞型巣箱」と言われるタイプでこの辺りではよく見られるものだ。この蜜蜂のエピソードのように、ロケ場所の土地に元々あるものが物語の脚本に多く組み込まれていることも「short cut」の特徴の一つ。ドラマの本編中、偶然本物の蜂がカメラの前に飛んでくるシーンもある。スタッフ・キャストは、本当に蜂や虻に刺されないよう細心の注意を払っていた。

112分間一度もNGの許されない前代未聞の撮影に挑んだ中井さん、鈴木さん、梶原さんの三人。ただでさえ大変な中で、三谷監督には「川に落ちる」「木に登る」「地面に転がる」など、泥だらけの演技を求められた。写真は芝居を終えた後の中井さんの衣裳。新品の喪服が112分間でこんなに汚れてしまう。そんな過酷な撮影を終えての感想で、中井さんは「格闘技で15ラウンド位を戦ったような疲れ具合」と語っている。

大きな岩から湧き出る天然水。実はこれは本当の湧き水ではない。スタッフが岩の上に登り、水道水を少しずつ流している。112分の撮影の中で、その水が流れるのはほんの数十秒。カメラがその地点に来るまで、ただひたすら待ち続ける。万が一、失敗をすれば、そこでNG。最初から撮影し直しとなる。張り詰めた緊張の中で自分の役割を果たさなければならない。このように陰に隠れて多くのスタッフが随所に活躍していた。

廃れた山小屋。しかし、これは新築。このドラマのために作られたものだ。今回、三谷幸喜を支える優秀な美術スタッフらがこの山小屋はもちろん、その他の美術セットを制作した。何もなかった場所に山小屋、ブランコを作り、古くからそこにあったかのように見せている。新しい木で作った山小屋を、徐々に汚していき、古くさせていく作業は圧巻!廃れた山小屋にこだわっていた三谷監督も大満足の仕上がり。職人の技が光った。

タイムカプセルを埋めていた古戦場。実はここは古戦場ではなく“棚田”。ロケ場所を下見に来た三谷監督は、何年も使われていない棚田を見て古戦場をイメージ。スタッフはそのイメージをもとに、美術をセッティングした。背景にあるお墓は全て手作り。一見、石で作られているように見えるが、中身は発泡スチロール。片手で簡単に持ち上げられる。赤い彼岸花も美術として植えたもの。本当の古戦場のような風情がそこにはあった。

撮影に向けて山道の準備をする間、大きな問題となったのが元からある“鉄の階段”。山道の入り口から終盤のこの場所まで、現代的なものは一切ない。人里離れた山奥にこの鉄の階段は、物語上そぐわないものだった。鉄の階段を木製の階段に作り直す案などスタッフは思い悩んだが、三谷監督の脚本で全て解決。詳しくはドラマ本編でご確認を。映像に入っていないが、役者用の階段の隣にカメラマン用の階段も併設。最後の場面でクレーン機材を使った撮影をしている。