映画

バーバー吉野

後に「波紋（２０２３）」などを放つ荻上直子監督が、もたいまさこを主演に迎えた長編第１作。少年たちがオカッパ頭であるよう決められた、地方の町を舞台にしたコメディ。

南カリフォルニア大学（USC）大学院の映画学科に留学して映画製作を学び、2001年のぴあフィルムフェスティバルで注目を浴びた荻上監督。同監督が第13回PFFスカラシップを得て発表した長編映画第1作が本作。なぜか少年たちの髪型がオカッパ頭で統一された田舎町に、都会からおしゃれな転校生がやってきて起きる珍騒動を、ユーモラスなタッチで軽妙に描写。本作の後、「かもめ食堂」「めがね」「トイレット」という異文化の交流を題材にした作品群が好評を博す荻上監督だが、その原点をたどってみたい。