スコットランドはセットピースに加えアンストラクチャーも。
アイルランドは規律の高さが徹底されたチーム。19&20年に向け、目の前のことに全力を尽くします。

  • 2018/3/7

スコットランドはセットピースに加えアンストラクチャーも。 アイルランドは規律の高さが徹底されたチーム。19&20年に向け、目の前のことに全力を尽くします。

日本ラグビー界最速のトライゲッター。
筑波大2年の2013年に日本代表入りして以来、その称号を掴み続けているのがWTB(ウイング)福岡堅樹だ。輝くのは50m5秒7のスピードだけではない。キレのあるステップで相手をかわし、ハイボールに飛びついて捕球し、身体を張ったタックルでトライ寸前の相手を倒し、チームを救う。日本ラグビー界に欠かせない選手の一人となった韋駄天が語る世界のラグビーとは。


――福岡選手はシックス・ネーションズをいつ頃から見ていた記憶がありますか?

 中学、高校くらいから見ていたと思います。ただ、バックスの僕としては、南半球のトライネーションズ(現ザ・ラグビーチャンピオンシップ)やスーパーラグビーの方が展開が多いので、主にそちらを楽しんでいました。

――南半球のラグビーと北半球のラグビーの違いについてはどんな印象を持っていましたか。

 北半球の試合には洗練されたプレーが多いという印象がありましたね。ボールを動かす比率は高くなくても、個々の才能は南半球にも劣らない選手が揃っているので、フィジカルも激しい。個人でいうと、ウェールズのシェーン・ウィリアムズに注目していました。自分もWTBなので、彼が世界の舞台で戦っているのを『いいなあ』と思って見ていました。

――シェーン選手の何かを真似たり、技術を取り入れたりしたのですか?

 直接的にどう、というのはないですね。中高生くらいの頃だったので(笑)。でも、走るコースとか、あの小さなカラダでいかに相手に触らせないで抜いていくか、というところは参考にした部分があります。個人的に好きな選手でもありましたから。

――日本代表入りしてからは、北半球の代表チームとも対戦するようになりました。対戦して体感したことは何かありましたか。

 ひとつひとつのプレー、タテの強さだったり、ディフェンスの堅実さは、南半球に多いアイランダー系(フィジーやトンガ、サモアの出身や移民をルーツに持つ人たち)の選手たちよりも特化しているな、と思う部分がありました。

――実際にプレーしたときの、試合会場の雰囲気などからは何か感じましたか。

 初めてシックス・ネーションズの参加国の本拠地で試合をしたのは2013年秋のスコットランド戦でしたが、会場の雰囲気がすごかったですね。4万人くらい入るスタンドがいっぱいになって、試合前の両国国歌吹奏が終わったらいきなり空砲みたいのがドーンと鳴って、すごく驚いたのを覚えています。向こうの戦勝記念日か何かだったようですが、全然聞かされていなかったし、心臓がバクバクになったことを覚えています(笑)。その試合で僕は2トライを取ることができたのですが、日本の選手が良いプレーをしたときは、たとえ敵であっても称える、純粋にラグビー選手としてのパフォーマンスを見てくれる人が多いんだなと感じました。
 2016年にはウェールズのカーディフ(プリンシパリティ・スタジアム)で試合をすることができました。観客は7万人。僕のラグビー人生で最大の観衆の中での試合でした。最後は惜しくも勝てなかったけれど、30-33の惜敗。あれだけの試合ができてよかったと思います。

――実際に対戦したシックス・ネーションズの各チームの特徴を聞かせてください。

 スコットランドについては、2013年に初めて対戦したときは自分らしい走りを出せたので、良いイメージを持っていたのですが、ワールドカップで再戦したときはさすがにチームを仕上げてきたなという印象でした。どこがというより、チーム全体的に、個々のポテンシャルが高いし、バランスが取れている。いいチームだなと感じました。
 ウェールズは、2013年に秩父宮で、2016年にアウェーで対戦しました。WTBとしてはバックスリーが大きいので、ハイボールに対する強さを感じました。戦術としては、割とダイレクトなプレーでシンプルに前に出てくるものが多かったなという印象がありましたね。
 アイルランドとは昨年6月に対戦しましたが、規律の高いチームだなというのが一番の印象です。一人一人が自分の仕事をさぼらないで、勤勉に遂行し続ける。ブレイクダウン一つとっても、相手をキルする(倒しきる)ところまでしっかりやりきる。細かいところまで徹底していると感じましたね。
 ランスは昨年11月に対戦して、23-23で引き分けましたが、僕自身は最初の15分しかプレーしていない(頭を打ち退場)ので、自分自身の体感はないのですが、試合を見ていて感じたのは、日本の流れに飲まれて自分たちのラグビーができないでいたけれど、自分たちのリズムでやり始めたら素晴らしいポテンシャルを持っているなということです。
 イタリアと対戦したのは2014年で、けっこう前のことなので、はっきとり覚えていませんが、スクラムの強さは印象的でした。北半球のチームはスクラムで圧倒してくるというイメージがありますが、あのときは日本がいいスクラムを組んで、逆に優位に立てたことが、勝てた大きな要因だったと思います。

――シックス・ネーションズのもう1カ国、イングランドとはまだ対戦がありませんが、今年11月には対戦する予定です。

 イングランドは以前から、世界のトップに優るとも劣らないポテンシャルを持っていたと思います。そこにエディー・ジョーンズさんという名コーチが行って、僕らにしたときと同じように、もっと素晴らしいコーチングを施しているんだろうと思いますね。そこをぜひ見てみたい、体感してみたいです。

――その中で、アイルランド、スコットランドとは2019年のワールドカップ本大会で対戦します。日本のファンは、どのへんに注目すればよいでしょうか。

 そうですね。両国ともこのシックス・ネーションズでも上位に食い込む力があると思います。今はイングランドの力が一歩抜けているという前評判ですが、そこに食い込んでくる可能性があるのはこの2チームじゃないかと注目しています。言い換えると、イングランドの連覇が続くか、ここで崩れるのかは、この2チームがカギを握っていると思います。
 スコットランドは、以前はキックとセットプレー重視のチームと言われていたけれど、最近はアンストラクチャーでの戦い方も得意になって、バックスリーにもいい選手が揃っているので、そこを見てほしいです。
 アイルランドはとにかく堅実なディフェンスを見てほしい。北半球のチームはどこもディフェンスにプライドを持っているけれど、アイルランドには本当に意識の高さを感じますから。

――ところで福岡選手は、2019年の15人制ワールドカップと2020年の東京オリンピックが終わったら第一線のプレーにはピリオドを打つと聞きました。

 はい。そのあとは医師を目指します。そこは自分で決めていることですから。

――そう伺うと寂しい気もしてしまいますが、まずは2019年と2020年、プレーヤー生活の集大成として、どんな状態で臨みたいと考えていますか。

 どう、といっても、たとえば数字がどうとかいうことを明確にしているわけではないのですが、そのときの自分の最高のパフォーマンスを出すことで、日本がまだ到達していない、ワールドカップのベスト8、オリンピックのメダル獲得というところまで行けるよう、全力でやるだけですね。
 そのためにも、まずは2018年を自分たちがどう過ごすか。それによって2019年、2020年の結果は変わってくると思うので。まずはサンウルブズの試合から、細かいことひとつひとつを大切に積み重ねて、1戦1戦を大切にして成長していきたいです。

今年6月にはイタリアと、そして11月にはイングランドと対戦し、さらに来年のワールドカップ日本大会ではアイルランドとスコットランドとの対戦が決まっている日本代表。その中心選手である田中、真壁両選手にとって、シックス・ネーションズは恰好の教材だ。世界中のラグビーファンやプレーヤーを魅了し続けているシックス・ネーションズは、第3節以降も激闘の数々がその長い歴史に刻まれていくことだろう。


福岡堅樹(ふくおか・けんき)
1992年9月7日、福岡県生まれ。
5歳の時、玄海ジュニアラグビークラブでラグビーを始め、福岡高校2年でU17日本代表。一浪後に筑波大に進学し、同2年で日本代表入り。2013年4月のアジア選手権フィリピン戦で初キャップ。2015年ワールドカップではスコットランド戦に出場。2016年リオ五輪には7人制日本代表で出場し、ニュージーランドを破るなど4位の好成績に貢献。
筑波大からパナソニック ワイルドナイツへ進み、2017年度トップリーグベストフィフティーン受賞。
2020年東京五輪後は医師を目指し第一線の競技から退く意向を表明している。
175センチ、83キロ


◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

★「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
ラグビー欧州最強を決める戦い、3/17(土)まで全試合を生中継!

第4節:
アイルランドvsスコットランド
3/10(土)よる11:00~ WOWOWライブ
フランスvsイングランド
3/10(土)深夜1:30~ WOWOWライブ
ウェールズvsイタリア
3/11(日)よる11:50~ WOWOWプライム

最終節:
イタリアvsスコットランド
3/17(土)よる9:15~ WOWOWライブ
イングランドvsアイルランド
3/17(土)よる11:35~ WOWOWライブ
ウェールズvsフランス
3/17(土)深夜1:50~ WOWOWライブ

■詳しくは、WOWOWラグビーオフィシャルサイトをチェック!
http://www.wowow.co.jp/sports/rugby/

■『WOWOWラグビー公式ツイッター』(@wowow_rugby
WOWOWのラグビー公式アカウントです。WOWOWで放送するラグビーの放送スケジュール、最新ニュース等を中心につぶやいていきます。

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