シックス・ネーションズ勢のスクラムは8人のまとまりが武器。
スクラムの勝負は、両プロップが組み合うときの肘の角度に注目!

  • 2018/2/15

シックス・ネーションズ勢のスクラムは8人のまとまりが武器。 スクラムの勝負は、両プロップが組み合うときの肘の角度に注目!

自国開催となる2019年のワールドカップに向け、日本ラグビーで最も不可欠な選手のひとりが稲垣啓太(パナソニック ワイルドナイツ)だ。パナソニック、日本代表、そしてサンウルブズ、どのジャージを着ていても、スクラムでは最前列で戦い、ボールが出れば抜群の機動力で走り回り猛タックルを連発。ピッチを離れれば戦術、戦略、スクラムのメカニズムを理路整然と語るクレバーさ。
背番号1を背負い、チーム最前列で体を張る、静かで頑健なニューリーダーの言葉に耳を傾けよう――。


――これまでのシックス・ネーションズとの関わりを教えてください。

 シックス・ネーションズのチームと対戦したのは2015年ワールドカップのスコットランド戦が最初でした。その後、2016年にスコットランドが来日して2試合、秋の遠征でウェールズと対戦して、2017年には日本でアイルランドと2試合、遠征でフランスと対戦しました。イタリアが前回来日した2014年、僕はまだ日本代表に入っていなかったのですが、2018年にはイタリアがまた来日するし、秋にはイングランド遠征もあるので、そこでまたシックス・ネーションズのチームには関われると思います。楽しみですね。

――これまでの経験から、シックス・ネーションズの特徴をあげていただけますか。

 日本では南半球のラグビー文化が馴染み深いですが、北半球、ヨーロッパのラグビー文化は全然違いますね。特徴は、スクラム、ラインアウトというセットプレーを起点に得点を重ねていこうという考え方です。2017年11月にフランスと戦ったときは、スクラム、ラインアウトの場面で観客がワーーっと盛り上がりました。日本ではなかなかない風景でしたね。スクラム戦に対して、フランス国民が期待しているんだなということを強く感じました。ペナルティキック(PK)でフランスがショット(ペナルティゴール)を選択したときは、お客さんがすごいブーイングがあがった。やっぱりタッチに出して、ラインアウトからモールでトライを取るところを見たかったんだと思います。あるいはスクラムか。

――日本のスクラムについて、フランスのファンの反応はいかがでしたか。

 日本がスクラムを押したときも観衆は沸きました。やっぱりスクラムというものに対する興味が深いんでしょうね。日本ではなかなか注目してもらえないスクラムですが、それだけ深い関心を持って見てもらえるのは、PR(プロップ)というポジションの人間として嬉しいです。

――それは戦い方にも反映しているのでしょうか。

 ヨーロッパのチームは全体的に手堅いラグビーをしますよね。PKをもらったらショットで手堅く3点を取る。リスクを避けて、確実な戦い方を目指す。スクラムでPKを奪うこともそのひとつです。昨年戦ったアイルランドは、特別なサインプレーとかをしてくるわけじゃないけど、本当にミスが少なくて、僕らの弱点を突いてきました。僕らも『ガマンしよう』と言い聞かせて戦ったけれど、結果としてアイルランドが一枚上手でした。そしてペナルティを取ったら確実に3点を取ってくる。その積み重ねで点差もつけられてしまいましたね。

――ヨーロッパ勢のスクラムの組み方にはどんな特徴があるのでしょうか。

 まず、南半球では国ごとに特徴があります。ニュージーランドではだいたい3番がまっすぐ押して、1番がインサイドに入ってきます。オーストラリアはそれほど特徴はないけれど、組んでからストロングポジションに入るのが早いんです。ただ、そこさえ押さえられれば僕らがスクラムでペナルティを奪うこともできます。実際、11月の対戦ではペナルティを取りましたし。そして南アは、組み方がどうこういうよりも、体重とパワーで強引に押してきます。強いて言えば3番が内に入ってくるんですが、それも体重で持って行こうとする感じですね。
 それに比べて、ヨーロッパ勢は、スクラムを無理に押してくる感じはないです。むしろ感じるのは8人のまとまりですね。まず8人でガッチリと固まって、後ろ5人の重さをじっくり前に伝えてくるんです。誰かが前に出てスクラムを崩していこうとするのではなく、8人が一体となってプレッシャーをかけてくる。8人全員の意識が統一されているなという印象があります。これはシックス・ネーションズ勢に共通する傾向だと思います。

――とても興味深いです。スクラムについて、ファンがスタジアムやテレビで観戦するとき、どこか注目すると良いところはありますか?

 スクラムのポイントを言葉で伝えるのは難しいのですが……ひとつの目安として、1番の左ヒジと3番の右ヒジに注目してもらえるといいと思います。というのは、スクラムが落ちたとき、どちらのヒジがどうなっていたかということが、レフェリーがどちらにペナライズするかの目安になることが多いんです。
 スクラムでは、PRはお互いのジャージの袖をつかみ合って組み合うんですが、このときヒジが下がっていると、スクラムを下に引っ張って、崩れる原因を作ったと見なされやすい。だから自分のヒジから落ちるとペナライズされやすいんです。逆に、腕を伸ばしていても、相手を下向きに押し下げていると見なされて、やはりペナライズされることもあります。僕は、ヒジを曲げて、相手の腕を上に引っ張るような、落とさせないような組み方を心がけています。相手は、組んだときに自分が有利な体勢を取れなかった場合は、崩れたようにみせかけて組み直そうとする、だけどこっちは、崩れないようにそれを上に引き上げようとしているという意図がレフェリーに伝われば、ペナライズされる可能性は低くなります。
 ただこれは、こうすれば必ずこう吹いてもらえるという法則があるわけではなく、結局はレフェリーの主観で決まります。だから大切なのは、最初のスクラムでいいスクラムを組むこと。そうすれば、レフェリーにいい印象を与えることができます。逆に、最初に悪いスクラムを組んでしまうと、レフェリーは試合の間中ずっと、こちらのスクラムに対してネガティブな先入観を持って見てきて、相手が悪いときでもこちらがペナライズされてしまう流れになってしまいます。僕らとしては、レフェリーに介入させずに、しっかり組み合いたいわけですからね。そのあたりが、見てわかりやすいところだと思います。

――2019年のワールドカップに向けて、稲垣選手の決意を聞かせてください。

 やっぱり自国開催のワールドカップですから、選手にもスタッフにもすごいプレッシャーがかかるでしょうね。その中でも、大切なのは個々がレベルアップすることだと思います。ラグビーは15人のスポーツですが、それも15人の個人の努力の集合体ですから、ワールドカップまで1年半の間に、どれだけ個人が能力を高められるかがポイントだと思っています。戦術、ゲームプランはスタッフが作ってくれるけど、それを実行するのは選手たち。戦術を遂行するためのスキル、フィットネスを個々が身につけることが、選手の責任であり、ベスト8進出という目標を達成するための絶対条件だと思います。


稲垣啓太(いながき・けいた)
1990年6月2日、新潟市生まれ、27歳
中3のとき新潟ラグビースクールでラグビーを始める。
新潟工3年で高校日本代表に選ばれU18フランス代表と対戦。
関東学院大で2011年度大学選手権4強進出。
2013年、パナソニック ワイルドナイツに入団。トップリーグ優勝に貢献し、新人賞受賞。ベストフィフティーンはこの年から今季まで5年連続で受賞。
日本代表には2014年11月の欧州遠征で初めて選ばれ、ルーマニア戦で初キャップ。2015年ワールドカップでは全4試合に出場するなど通算19キャップ。
スーパーラグビーでは2015年はレベルズで、2016年からはサンウルブズでプレーしている。
186センチ、116キロ。


◆◆ WOWOW番組情報 ◆◆◆

★「ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
ラグビー欧州最強を決める戦い、3/17(土)まで全試合を生中継!

第3節:
フランスvsイタリア
2/24(土)午前4:45~ WOWOWプライム
アイルランドvsウェールズ
2/24(土)よる11:00~ WOWOWライブ
スコットランドvsイングランド
2/24(土)深夜1:30~ WOWOWライブ

第4節:
アイルランドvsスコットランド
3/10(土)よる11:00~ WOWOWライブ
フランスvsイングランド
3/10(土)深夜1:30~ WOWOWライブ
ウェールズvsイタリア
3/11(日)よる11:50~ WOWOWプライム

最終節:
イタリアvsスコットランド
3/17(土)よる9:15~ WOWOWライブ
イングランドvsアイルランド
3/17(土)よる11:35~ WOWOWライブ
ウェールズvsフランス
3/17(土)深夜1:50~ WOWOWライブ

■詳しくは、WOWOWラグビーオフィシャルサイトをチェック!
http://www.wowow.co.jp/sports/rugby/

■『WOWOWラグビー公式ツイッター』(@wowow_rugby
WOWOWのラグビー公式アカウントです。WOWOWで放送するラグビーの放送スケジュール、最新ニュース等を中心につぶやいていきます。

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