オフの超大型補強が実らず、まさかの7位でプレーオフ進出となったロサンゼルス・レイカーズと、例年通り淡々と勝ち続け、今年も上位スポットを手にしたサンアントニオ・スパーズの対戦。本来であればこれほどの好カードもそうそう無いが、レイカーズは極めて不本意な布陣でこの一戦に臨まなければならない。
新加入のドワイト・ハワードが手術明けでチームに合流したまではまだ良かったが、その後のレイカーズは散々だった。同じく新加入の司令塔スティーブ・ナッシュは開幕直後に離脱、その間チームは負けが込み、ナッシュが復帰してもその流れは変わらなかった。2月以降、ようやくチームは持ち直し、順調に勝ち星を重ねたものの、最後の最後に絶対的エースであるコービー・ブライアントがアキレス腱断裂で離脱。ナッシュも再び故障に悩まされており、本来の計画とはかけ離れた姿でプレーオフに入った。
スパーズは対照的に、順風満帆なシーズンを送った。2~3年前から限界説がささやかれていたティム・ダンカンが劇的に復活し、平均17.8得点、9.9リバウンドの好成績をマーク。トニー・パーカーも平均20.3得点という期待通りの活躍を見せており、周囲のサポーティングキャストも安定して2ケタ得点を稼ぎ出した。順位こそオクラホマシティ・サンダーの後塵を拝して2位に甘んじたが、昨季のカンファレンス・ファイナル敗退という雪辱を果たすべく、スパーズは着々と地歩を固めている。
普通に考えれば、スパーズがスウィープで勝ち上がってもおかしくないこのカード。しかし、直近の対戦では現地4月14日にコービーもナッシュも欠いたレイカーズがスパーズを撃破している。ハワードとパウ・ガソルのツインタワーの出来次第で、或いはレイカーズにも光明が見えてくるかもしれない。