WBOインターナショナル スーパー・ライト級タイトルマッチ テオフィモ・ロペス対サンドール・マルティン

  • 2023/01/27

元世界ライト級王者 vs 「M・ガルシアに勝った男」
上位ランカー同士のサバイバル戦

 ライト級時代にWBAスーパー王座、IBF王座、WBO王座、さらにWBCフランチャイズ王座を同時に保持した実績を持つテオフィモ・ロペス(25=アメリカ)が、元世界4階級制覇王者のマイキー・ガルシア(アメリカ)に引導を渡したことで知られるサンドール・マルティン(29=スペイン)と対戦する。ロペスが持つWBOインターナショナル スーパー・ライト級王座がかかった試合だが、ふたりとも主要4団体すべてで15位以内にランクされており、究極のサバイバル戦でもある。

転級&再起第2戦のロペス

 ロペスは2016年リオデジャネイロ五輪に両親の出身地、ホンジュラスの代表として出場(ライト級1回戦敗退)するなど170戦150勝20敗の戦績を残し、五輪の3ヵ月後にプロデビューした。2018年から2019年にかけて世界挑戦経験者ら強豪をバタバタと派手に倒してトップ戦線に浮上。中谷正義(帝拳)との挑戦者決定戦にも勝ち、その5ヵ月後にはリチャード・コミー(ガーナ)を2回TKOで屠ってIBF世界ライト級王座を獲得した。このときの戦績は15戦全勝(12KO)と、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。2020年10月にはWBCフランチャイズ王座を含む3王座を持つワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と統一戦を行い、明白な判定勝ちを収めて4本のベルトを束ねた。
 しかし、折悪くコロナ禍のなかビジネス上の摩擦も生じたため初防衛戦が延期に延期を重ね、13ヵ月のブランクが生じてしまった。これで風向きが変わったのか、ジョージ・カンボソス(オーストラリア)との初防衛戦では初回にダウンを喫して出遅れ、10回に倒し返したものの挽回しきれず12回判定負け。無冠に戻ったのを機にスーパー・ライト級に転向し、2022年8月の再起戦で世界ランカーのペドロ・カンパ(メキシコ)を7回TKOで下してWBOインターナショナル王座とNABF北米王座を獲得した。今回が再起第2戦ということになる。現在はWBO1位をはじめWBC4位、IBF6位、WBA7位と4団体で好位置につけている。

Mガルシアに勝って知名度と評価アップのマルティン

 もともとロペスは元世界2階級制覇王者のホセ・ペドラサ(プエルトリコ)と対戦する予定だったが、試合の1ヵ月前にペドラサが体調不良を訴えて対戦を辞退。これを受けマルティンが代役を務めることになった経緯がある。ピンチヒッターと聞くと軽視される傾向があるが、もしかしたらスペインのバルセロナ出身のサウスポーはロペスにとってペドラサ以上に危険な相手といえるかもしれない。
 マルティンは2011年10月にプロデビューしたあとキックボクシングの試合にも出場するなど変わった経歴の持ち主でもある。スペインの国内王座、EBU欧州連合王座、EBU王座などを獲得して2019年に世界ランク入りを果たしたが、このころはヨーロッパ圏を出て試合をしたことがないこともあり無名に近い存在だった。そんなマルティンがスポットライトを浴びたのが2021年10月のマイキー・ガルシア戦だった。アメリカのリングに上がるのは初めてだったマルティンだが、臆することなく持ち味のアウトボクシングを披露。ひとりのジャッジは元世界4階級制覇に最大限の敬意を表したのか95対95のイーブンと採点したが、残る二者は97対93でマルティンの勝利を支持した。これで本場でも知名度を上げるとともにランキングも急上昇。現在はWBC5位をはじめWBO6位、WBA11位、IBF15位に名を連ねている。

攻撃型vsサウスポーの技巧派

 攻撃力のあるロペスと技巧派サウスポーのマルティンという組み合わせだけに、序盤から主導権争いが展開されそうだ。パンチ力に自信を持っているロペスが積極的に前に出て、それをマルティンが右フックや左ストレートで迎え撃つ構図が予想される。ロペスが鋭く踏み込んで中近距離での戦いに持ち込めれば自慢の強打が生きてきそうだが、マルティンの巧みな位置どりやフェイントに戸惑うようだと攻めあぐねる可能性が出てくる。先のガルシア戦をみるとマルティンはロープに追い込まれても巧みにエスケープするなど防御技術は高いものがある。ガルシアを相手にそれが通用しただけに、さらに自信を深めて敵地に乗り込むはずだ。オッズは5対1で攻撃派のロペス有利と出ているが、マルティンのスキルが再び番狂わせを起こす可能性も低くはないように思える。

<スーパー・ライト級トップ戦線の現状>

WBA
:アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)
WBC
:レジス・プログレイス(アメリカ)
IBF
:空位
WBO
:ジョシュ・テイラー(イギリス)

 1年前まではジョシュ・テイラー(32=イギリス)が4本のベルトをひとり占めしていたが、のちに戦うことなく3本を手放したため再び混戦模様となっている。いち早くWBA王座を獲得したアルベルト・プエジョ(28=ドミニカ共和国)は21戦全勝(10KO)のサウスポーだが、まだ評価を定める段階には来ていない。ホセ・セペダ(33=アメリカ)との決定戦で11回KO勝ちを収めてWBC王座についたレジス・プログレイス(33=アメリカ)は2018年から2019年にかけてWBAスーパー王座、WBC暫定王座、WBCダイヤモンド王座に君臨した経歴を持つサウスポーの実力者で、テイラーに僅差の12回判定負けを喫したあとは4連続KO勝ちと好調だ。
 WBO王者のテイラーは2022年2月に大苦戦を強いられたジャック・カテロール(29=イギリス)との再戦が内定しているが、なかなか日程が決まらない。
 IBF王座は30戦全勝(20KO)のジェレミアス・ポンセ(26=アルゼンチン)と19戦18勝(18KO)1敗のスブリエル・マティアス(30=プエルトリコ)で決定戦を行う予定だが、まだ開催日程が出ていない。
 上記の王者たちと同等の力を持つと思われるのが元WBC、WBO王者のホセ・ラミレス(30=アメリカ)、ライト級に続く戴冠を狙うテオフィモ・ロペス(25=アメリカ)、16戦全KO勝ちの強打のサウスポー、ゲイリー・アントゥアン・ラッセル(26=アメリカ)だ。特にラッセルは若くて勢いがあるだけに目が離せない。
 このほかロペスと対戦するサンドール・マルティン(29=スペイン)、27戦全勝(10KO)のアーノルド・バルボサ(31=アメリカ)、さらに22戦全勝(16KO)の平岡アンディ(26=大橋)、27戦全勝(23KO)のブランダン・リー(23=アメリカ)といった新興勢力も控えている。



WBOインターナショナル ヘビー級王座決定戦 ジャレド・アンダーソン対ジェリー・フォレスト

12戦全KO勝ちの23歳 vs サウスポーのベテラン
アンダーソンの強打に期待

 「近未来の世界ヘビー級王者」と期待されているジャレド・アンダーソン(23=アメリカ)が、33戦の経験を持つWBC35位のジェリー・フォレスト(34=アメリカ)と空位のWBOインターナショナル王座決定戦を行う。
 アンダーソンは全米選手権で2度優勝するなど輝かしいアマチュア実績を残して2019年10月にプロデビュー。以後、3年間で12連続KO勝ちを収めている。2021年から対戦相手のレベルも上がってきたが、直近の4試合をすべて2回KO(TKO)で仕留めている。身長193センチ、リーチ199センチ、体重108キロの堂々たる体格から繰り出すパンチは左右とも破壊力があり、上下の打ち分けに加えスタンスを左構えにスイッチするなど器用な面もある。すでにWBC15位にランクされており、今後はさらにレベルの高い相手との試合が組まれていくことになるはずだ。耐久力や長丁場を戦い抜く心身のスタミナに問題がなければ近い将来、世界戦のリングに上がる可能性を秘めた逸材といえる。
 一方のフォレストは10年のプロキャリアで33戦26勝(20KO)5敗2分の戦績を残しているベテランで、油断できない相手といえる。2020年以降の4試合に関しては2敗2分と武運から見放されているが、カルロス・タカム(カメルーン/フランス)、マイケル・ハンター(アメリカ)、クブラト・プーレフ(ブルガリア)と世界戦経験者3人と、世界ランカーのツァン・チレイ(中国)が相手という点を考慮する必要がある。特にツァン戦は序盤に3度のダウンを喫しながら巻き返して引き分けに持ち込む健闘をみせて株を上げている。ヘビー級では希少なサウスポーで、スピードもパンチ力もあるだけに侮れない。
 それでもアンダーソンが圧倒的に有利であることは疑いようがない。パワフルな23歳のホープが前半で34歳のベテランを粉砕してしまいそうだ。



NABO北米スーパー・ウェルター級タイトルマッチ ザンダー・ザヤス対アレクシス・フローレス

カリブの新星 vs 「迷路に誘い込む男」
14戦全勝10KOのザヤスに注目

 プロキャリア3年で14戦全勝(10KO)をマークしているザンダー・ザヤス(20=プエルトリコ)が、前戦で獲得したNABO北米スーパー・ウェルター級王座の初防衛戦に臨む。挑戦者のアレクシス・フローレス(27=メキシコ)は10年のプロ生活で28戦24勝(9KO)4敗の戦績を残している中堅だが、「Laberinto(迷路)」というニックネームを持つ曲者だけに要注意といえる。
 ザヤスは19歳以下を対象とした2018年全米ユース選手権優勝などアマチュアで活躍後、17歳になった翌月にプロデビュー。ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)、オスカル・バルデス(メキシコ)、シャクール・スティーブンソン(アメリカ)らトップランク社の看板選手の露払いを務めてきた。まだマッチメークに関しては慎重な印象だが、順調に勝利を重ねながら成長しているようだ。スピードと切れ味のあるパンチが魅力で、プエルトリコの大先輩、フェリックス・トリニダードを思い出すファンも少なくないことだろう。すでにWBA9位、WBO10位にランクされており、2023年にさらなる飛躍が期待される選手のひとりだ。
 今回の相手、フローレスはアメリカとメキシコを行き来しながら活動している中堅どころで、2015年から5年間に15連勝をマークしたこともある。2021年6月、のちにWBC暫定世界ミドル級王者になるカルロス・アダメス(ドミニカ共和国)に3回TKO負けを喫して連勝は止まったが、再起戦では8回判定勝ちを収めている。体格を生かしたアウトボクシングをベースにして戦うことが多い。
 スピードやパンチの切れに加え勢いのあるザヤスが有利であることは揺るがないが、懐深く構えるフローレスのスタイルは20歳の新鋭にとって戦いにくいものといえるかもしれない。そんな相手をザヤスはどう切り崩すのだろうか。

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