WBC、IBF、WBO 3団体統一世界ライト・ヘビー級タイトルマッチ アルツール・ベテルビエフ対アンソニー・ヤード

  • 2023/01/18

KO率100%の王者 vs KO率88%の挑戦者
究極のハードパンチャー対決

 アマチュア時代に2度のオリンピック出場、優勝と準優勝を含め3度の世界選手権出場の実績を持ち、プロ転向後は18戦すべてKO勝ちを収めているWBC、IBF、WBO3団体統一世界ライト・ヘビー級王者のアルツール・ベテルビエフ(38=ロシア/カナダ)が、WBO1位、WBCとIBFで3位にランクされるアンソニー・ヤード(31=イギリス)の挑戦を受ける。通算7度目の防衛を狙う王者と、2度目の大舞台で戴冠を狙う25戦23勝(22KO)2敗の挑戦者。KO率100パーセント対KO率88パーセントの強打者対決だけに試合はジャッジの手を煩わせることなく終わりそうだ。

5年超の在位で6度防衛 18戦全KO勝ちのベテルビエフ

 アマチュアでの活動が長かったこともありベテルビエフは28歳でプロ転向を果たし、ここまで圧倒的なパワーで勝利を重ねてきた。その数は18。2017年11月に空位のIBF王座を獲得すると、2年後にはWBC王者のオレクサンダー・グボジーク(ウクライナ)に10回TKO勝ちを収めて2団体の王座を統一。昨年6月、WBO王者のジョー・スミス(アメリカ)を2回TKOで屠って3本目のベルトを手に入れた。
 在位は5年を超えたが、その割に防衛回数が少ないのは故障が多いことが一因でもある。また、2019年にはプロデビュー時から契約していたカナダのGYM(グループ・イボン・ミシェル)を離れ、トップランク社とプロモート契約を交わしている。こうしたビジネス面の摩擦も影響しているようだ。
 プロ10年で18戦と試合数は少ないが、ボクシングファンに与えてきたインパクトは強烈なものがある。もちろん細かなテクニックは身に着けているが、とにかくパンチ力が半端ないのだ。その破壊力は鋼鉄製のハンマーに例えられることもある。パンチ力だけではない。戴冠試合を含む7度の世界戦で後半決着が4度あるようにスタミナも旺盛で、勝負強さも備えている。過去に複数のダウン経験はあるものの最近は安定感も出てきた印象だ。

2度目の挑戦にかけるヤード 3連続KO勝ちで勢い取り戻す

 挑戦者のヤードもベテルビエフに勝るとも劣らぬ強打者だ。2015年5月のプロデビューから7年半、キャリアのなかには2敗が記録されているが、ひとつは2019年8月の世界初挑戦でセルゲイ・コバレフ(ロシア)の11回TKO負けだ。これは経験値の差から来る実力負けだったが、再起第3戦でリンドン・アーサー(イギリス)に喫した敗北は判定が割れる接戦だった。このアーサーには1年後、4回KOでしっかりと借りを返している。この快勝を含め直近の3試合は1回、4回、3回と早いラウンドでKO勝ちを収め、以前の勢いを取り戻した印象だ。
 ヤードの最大の魅力は攻撃力にある。上体を小さく振りながら相手にプレッシャーをかけつつ距離を詰め、右ストレートから左フック、接近するとアッパーも突き上げるなど積極的なボクシングが身上だ。その一方、受けにまわった際の不安定さに加え、耐久力には疑問符がつく。

歯車が嚙み合えば序盤のKO決着の可能性も

 攻撃型同士のカードということで、まずは1ラウンドの主導権争いに注目したい。ともに相手に圧力をかけて下がらせたいところだが、どちらがイニシアティブを握るのか。強打の陰に隠れがちだがベテルビエフは左ジャブが巧みな選手でもある。ヤードが勇んで前に出てきた場合は立ち位置を変えながら丹念にリードブローを突く可能性もある。一方のヤードは自分が後退しては自慢の強打が生かせないため、前に出ることに固執しそうだ。戦う選手の判断と選択に加え、チームとしてどんな戦術を用いるのか、そんな点にも注目したい。
 ヤードの強打が波瀾を起こす可能性も低くはないが、11対2のオッズが出ているように総合力で勝るベテルビエフの有利は揺るがない。ハードパンチャー同士のカードだけにKO決着は間違いないところだが、歯車が噛み合った場合は序盤のノックアウトもありそうだ。

<ベテルビエフの7度の世界戦 相手と結果、開催地>

17.11
エンリコ・コーリング(独) 〇12回KO @フレズノ(米)
(IBF世界ライト・ヘビー級王座獲得)
18.10
カラム・ジョンソン(英) 〇4回KO @シカゴ(米) 防①
19. 5
ラディボヤ・カライジッチ(ボスニアヘルツェゴビナ/米) 〇5回KO  @ストックトン(米) 防②
19.10
オレクサンダー・グボジーク(ウクライナ) 〇10回TKO  @フィラデルフィア(米) 防③
(WBC世界ライト・ヘビー級王座獲得)
21. 3
アダム・デインズ(露/独) @モスクワ(露) 〇10回TKO  防④
21.12
マーカス・ブラウン(米) @モントリオール(カナダ) 〇9回KO  防⑤
22. 6
ジョー・スミス(米) @ニューヨーク(米) 〇2回TKO  防⑥
(WBO世界ライト・ヘビー級王座獲得)

<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較>

  • 名前

    ベテルビエフ

    ヤード

  • 生年月日/年齢

    1985年1月21日/38歳

    1991年8月13日/31歳

  • 出身地

    ロシア(ハサヴュルト)
    ※現在はカナダのモントリオール在住

    イギリス(ロンドン)

  • アマチュア実績

    08年北京五輪Lヘビー級出場
    09年世界選手権Lヘビー級優勝
    12年ロンドン五輪ヘビー級出場

  • アマチュア戦績

    数百戦を経験(勝敗数不明)

    12戦11勝(11KO)1敗

  • プロデビュー

    13年6月

    15年5月

  • 獲得王座

    IBF、WBC、WBO世界Lヘビー級

  • 戦績

    18戦全勝(18KO)

    25戦23勝(22KO)2敗

  • KO率

    100%

    88%

  • 世界戦の戦績

    7戦全勝(7KO)

    1戦1敗

  • 身長/リーチ

    182センチ/185センチ

    183センチ/

  • 戦闘スタイル

    右ファイター型

  • ニックネーム

  • トレーナー

    マーク・ラムジー

    ババツンド・アジャイ


<ライト・ヘビー級トップ戦線の現状>

WBA S
:ドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア)
WBC
:アルツール・ベテルビエフ(ロシア/カナダ)
IBF
:アルツール・ベテルビエフ(ロシア/カナダ)
WBO
:アルツール・ベテルビエフ(ロシア/カナダ)

 WBAスーパー王者のドミトリー・ビボル(32=キルギス/ロシア)と3団体王者のアルツール・ベテルビエフ(38=ロシア/カナダ)が群を抜いた2強といっていいだろう。ビボルは昨年5月に世界的なスター選手、サウル・カネロ・アルバレス(32=メキシコ)を12回判定で退けて評価と知名度をアップ。秋には44戦全勝だったヒルベルト・ラミレス(31=メキシコ)を危なげなく撃退した。このところ8連続判定勝ちと少々アピール度には欠けるが、大崩れするイメージが湧かない選手だ。
 ベテルビエフは昨年6月にWBO王者だったジョー・スミス(33=アメリカ)を2回TKOで屠り3本目のベルトを収集。今回のアンソニー・ヤード(31=イギリス)戦がひとつのヤマになりそうな気もするが、それでも11対2のオッズどおりの結果が出る可能性が高い。2023年にはビボル対ベテルビエフの4団体王座統一戦が期待されている。交渉の進展を待ちたい。
 ランキングを見ると、16戦全勝(13KO)のジョシュア・ブアチ(29)、30戦29勝(21KO)1敗の元スーパー・ミドル級王者、カラム・スミス(32)、ベテルビエフに挑む25戦23勝(22KO)2敗のヤード、18戦全勝(12KO)のイギリス&英連邦王者、ダン・アジーズ(33)といったイギリス勢が上位を占めている。

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オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの