WBA世界クルーザー級タイトルマッチ アーセン・グーラミリアン対アレクセイ・エゴロフ

  • 2022/12/02

約3年ぶりの実戦に臨むグーラミリアン
フランス唯一の王座を守れるか

 アーセン・グーラミリアン(35=アルメニア/フランス)は26戦全勝(18KO)のWBA世界クルーザー級スーパー・チャンピオンだが、「忘れられたチャンピオン」と言われても仕方ない。なにしろ約3年もリングに上がっていないのだから。今回、11戦全勝(7KO)の指名挑戦者、アレクセイ・エゴロフ(31=ロシア)に敗れるようならば本当に忘れ去られてしまいかねない。大事なところで踏ん張り、存在感を示すことができるか。

暫定王者 ⇒ ゴールド王者 ⇒ スーパー王者

 グーラミリアンはアルメニアのエレバン出身だが、アマチュア時代にはフランス代表として国際大会に出場している。2010年春にはウクライナとの対抗試合でオレクサンダー・ウシク(現3団体統一世界ヘビー級王者)と2度戦っている(いずれもポイント負け)。
 2011年5月にプロデビューし、5年後にWBAコンチネンタル王座とフランス国内王座を獲得するなど順調な歩みをみせた。2018年3月、WBA暫定世界クルーザー級王座を手に入れたが、当時は正王者とスーパー王者が存在したため「第3の王者」の位置づけだった。7ヵ月後、今度はWBAゴールド王者の称号を授かったが、ウシクが4団体の王座を統一した直後のタイミングということもあり、やはり認知度は低かった。
 2019年11月のケイン・ワッツ(オーストラリア)戦を前にグーラミリアンはWBAからスーパー王者昇格を告げられる。2018年から2019年にかけて暫定、ゴールド、スーパーと目まぐるしく肩書が変わったわけだ。
 それはともかくワッツ戦からわずか1ヵ月半後、グーラミリアンはコンスタンティン・ベジェナル(モルドバ共和国)の挑戦を受け、9回終了TKOで退けた。1年後、ユーリ・カシンスキー(ロシア)とのV2戦が決まったが、グーラミリアンが負傷したため試合はキャンセルに。さらに2021年12月にはエゴロフとの指名防衛戦が決定したが、今度はグーラミリアンが新型コロナウィルスに感染したため試合は中止になった。前戦から3年近いブランクができてしまった裏にはこうした事情があったのである。

エゴロフも1年8ヵ月ぶりの試合

 挑戦者のエゴロフはアマチュア時代にロシアの国内選手権や欧州選手権で優勝(いずれも2013年)するなど第一線で活躍し、2016年12月に25歳でプロに転じた。4戦目にロシア国内王座を獲得すると6戦目には世界挑戦経験者のラティフ・カヨーデ(ナイジェリア)に6回終了TKO勝ち。その2戦後には元世界ランカーのトーマス・オースズイゼン(南アフリカ共和国)も10回判定で下し空位のIBFインターナショナル王座を獲得。さらに2019年6月にはグーラミリアンに続く第2代WBAゴールド王者の称号を手に入れた。その後、2019年12月、2020年3月にチューンナップ試合を消化してスーパー王座への挑戦のタイミングを計ったが、先述のように相手側の事情で1年も待たされることになった。そのため、エゴロフにとっても1年8ヵ月ぶりの試合ということになる。

パワーで押し切るか ワンツーで抑え込むか

 この試合に備えグーラミリアンはアメリカのカリフォルニア州ビッグベアでトレーニング・キャンプを張ったと伝えられる。ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)らを指導したことで知られる名匠、アベル・サンチェス・トレーナーのもと、さらに攻撃力をアップして山を下りたものと思われる。69パーセントのKO率が示すとおりグーラミリアンは小細工なしの豪快なパワーファイターで、フック系のパンチが多い。
 対するエゴロフは筋骨隆々の肉体から左ジャブを飛ばして相手を煽り、中間距離に入るとワンツーを狙い撃ってくる。正統派にも見えるが、過去にはサウスポーにスイッチしたこともありボクシングの幅は広そうだ。
 グーラミリアンがパワーで押し切るか、エゴロフがワンツーでスーパー王者の攻撃を抑え込むか、そのあたりがみどころといえそうだ。ともにブランクがあるだけに心身のコンディション調整も気になるところだ。地の利もあるグーラミリアンが11対4のオッズで有利と見られている。

<クルーザー級トップ戦線の現状>

WBA S
:アーセン・グーラミリアン(アルメニア/フランス)
WBC
:イルンガ・マカブ(コンゴ民主共和国)
IBF
:ジェイ・オペタイア(オーストラリア)
WBO
:ローレンス・オコリー(イギリス)

 4団体王座を平定したオレクサンダー・ウシク(ウクライナ)がこの階級を去って4年。現在は本命なしの群雄割拠状態といえる。WBAスーパー王者のアーセン・グーラミリアン(35=アルメニア/フランス)が26戦全勝(18KO)、WBC王者のイルンガ・マカブ(35=コンゴ民主共和国)は31戦29勝(25KO)2敗、IBF王者のジェイ・オペタイア(27=オーストラリア)は22戦全勝(17KO)、そしてWBO王者のローレンス・オコリー(29=イギリス)が18戦全勝(14KO)と、4王者のうち3人が全勝だ。特にオペタイアとオコリーは若く体格にも恵まれており、一時代を築きそうな勢いを維持している。いずれはヘビー級に転向する可能性もありそうだが、その前に王座統一戦で拳を交えてほしいものだ。
 各団体のランカーを見てみると、バドゥ・ジャック(39=スウェーデン)、セルゲイ・コバレフ(39=ロシア)、マイリス・ブリーディス(37=ラトビア)、クジシュトフ・グロワッキ(36=ポーランド)、ユニエル・ドルティコス(36=キューバ)といった元世界王者の名前が目立つ。

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