IBF世界スーパー・フライ級タイトルマッチ フェルナンド・マルチネス対ジェルウィン・アンカハス

  • 2022/11/18

立場を変えたダイレクト・リマッチ
オッズは5対2でマルチネス有利

 今年2月、ふたりはジェルウィン・アンカハス(30=フィリピン)の10度目の防衛戦として対戦。下馬評は5対1で王者有利と出ていたが、マルチネスが序盤から積極的に攻めてポイントを積み重ね、117対111、118対110、118対110と大差の判定勝ちで王座を奪った。今回、両者とも試合を挟まないダイレクト・リマッチに臨む。初戦から一転、オッズは5対2でマルチネス有利と出ている。

リオデジャネイロ五輪出場の実績を持つマルチネス

 マルチネスは戴冠までは世界的には無名に近い存在だったが、一部ではアマチュア経験が豊富な実力者として知られていた。2008年の世界ユース選手権ベスト8のほか、フライ級1回戦で敗退したものの2016年のリオデジャネイロ五輪にも出場しているのだ。メキシコ、キューバ、エクアドル、アメリカ、パナマ、アゼルバイジャン、アルジェリア、ポーランド、ロシア、ベネズエラ、ブラジルなど世界中のリングに上がった経験を持っている。
 プロ転向は26歳と遅かったが、4年半後にV9王者を攻略して世界一の座に上り詰めたのだから運に加え力があったということだろう。身長157センチ、リーチ163センチと体格に恵まれているとはいえないが、その小さく分厚い体で積極的にアプローチしていき、切れ目のない波状攻撃で追い込んでいくスタイルを確立している。相手の打ち終わりを突いて攻めることもでき、なかなか高度な攻撃技術を身についている選手だ。アンカハスとの初戦で12ラウンドを戦い抜いたことでスタミナにも自信を深めたものと思われる。戦績は14戦全勝(8KO)。

5年半で9度防衛の前王者アンカハス

 アンカハスはアマチュアで95戦90勝5敗の戦績を収めたあと17歳でプロデビュー。20歳のときに初黒星を喫したが、その後は3年間に11連続KO勝ちを収めた。2016年9月、マクジョー・アローヨ(プエルトリコ)に大差の判定勝ちを収めてIBF世界スーパー・フライ級王座を獲得し、2度目の防衛戦では帝里木下(千里馬神戸)に7回TKO勝ち、V7戦では船井龍一(ワタナベ)に6回終了TKO勝ちを収めている。9度防衛後の昨年大晦日にはWBO王者の井岡一翔(志成)との王座統一戦が決まったが、新型コロナウィルスの影響で先送りになった。
 そうした流れのなかでマルチネスとの防衛戦が行われたわけだが、序盤から後手にまわったアンカハスは挽回できずに完敗を喫した。マルチネスの奮闘は事実だが、「減量苦のためベスト・コンディションではなかった」と前王者を擁護する人もいた。

攻めるマルチネス 迎え撃つアンカハス

 ともに1試合も挟まずに再び拳を交えるわけで、マルチネスにとっては初戦がフロックではなかったことを証明する絶好の機会であり、アンカハスにとっては雪辱と王座奪回のチャンスということになる。両者とも初戦で12ラウンドを戦い抜いたことで相手の手の内は分かっているはず。攻撃型のマルチネスが積極的に距離を潰しにかかり、サウスポーのアンカハスがタイミングを合わせながら迎え撃つ展開になりそうだ。初戦では出遅れて易々と相手に主導権を渡してしまったアンカハスだが、今回は早い段階からハイペースで飛ばす必要があるだろう。

<スーパー・フライ級トップ戦線の現状>

WBA
:ジョシュア・フランコ(アメリカ)
WBC F
:ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
IBF
:フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)
WBO
:井岡一翔(志成)

 一時はファン・フランシスコ・エストラーダ(32=メキシコ)、ローマン・ゴンサレス(35=ニカラグア/帝拳)、ジェルウィン・アンカハス(30=フィリピン)、井岡一翔(33=志成)がトップグループを形成していたが、年齢的な問題からか全体的に緩やかなペースダウンが見られるようになった。エストラーダ、ゴンサレスにかつての絶対的な強さが感じられなくなり、先頭集団が団子状態になったといえる。さらに今年2月にはアンカハスがフェルナンド・マルチネス(31=アルゼンチン)に敗れて脱落した。そこに若くて才能豊かなジェシー・ロドリゲス(22=アメリカ/帝拳)が割って入ったが、2度防衛後に王座を返上、フライ級に転向してしまった。
 現状を整理すると、実績と知名度のあるエストラーダ、ゴンサレス、井岡の3人が先頭を並走し、ロドリゲスの兄でもあるWBA王者のジョシュア・フランコ(27=アメリカ)が追う構図となっている。
 こうしたなか12月にはエストラーダ対ゴンサレスの第3戦、井岡対フランコが予定されている。勝者同士による3団体王座統一戦が期待したい。
 ロドリゲスがフライ級に下げることになったが、代わりに中谷潤人(24=MT)がWBO世界フライ級王座を返上して転級したことで穴は埋められそうだ。
 このほか王者たちと力量差の少ない田中恒成(27=畑中)、前WBA王者のアンドリュー・マロニー(31=オーストラリア)も控えており、しばらくは目の離せない状態が続きそうだ。



WBC暫定世界スーパー・ウェルター級タイトルマッチ セバスチャン・フンドラ対カルロス・オカンポ

20戦無敗の長身サウスポー王者の初防衛戦
挑戦者は12連勝中のオカンポ

 今年4月、近未来の世界王者候補と目されたエリクソン・ルビン(アメリカ)に9回終了TKO勝ちを収め、WBC暫定世界スーパー・ウェルター級王座を獲得したセバスチャン・フンドラ(24=アメリカ)の初防衛戦。挑戦者のカルロス・オカンポ(26=メキシコ)は4年前にエロール・スペンス(アメリカ)の持つIBF世界ウェルター級王座に挑んで1回KO負けを喫しているが、その後は12連勝(9KO)と調子を取り戻している。
 フンドラの最大の特徴は197センチの長身であることだ。154ポンド(約69.8キロ)が体重上限のスーパー・ウェルター級では超特大サイズといえる。ちなみに4団体統一王者のジャーメル・チャーロ(アメリカ)は183センチ、4月にフンドラと対戦したルビンは177センチだった。リーチも203センチあるフンドラだが、そのアドバンテージを生かすことは少ない。コンパクトに両腕を畳み、相手が出てきたところにフックを引っかけたりアッパーを突き上げたりすることが多いのだ。ルビンが右アッパーを浴びてダウンしたように、これらのパンチは見た目以上に硬質で破壊力があるのだろう。
 挑戦者のオカンポは2012年7月のプロデビューから22連勝(13KO)をマークして世界ランクを駆け上がったが、スペンスには歯が立たなかった。左ボディブローを浴びて敗れたものだが、その後はキャンバスにうずくまったイメージを払拭するように12連勝を収めている。今年に入ってからはWBC中南米王座、WBC米大陸王座を獲得するなど3連続KO勝ちで勢いを増している。
 フンドラは先のルビン戦では連打を浴びてダウンを喫しており、依然として耐久力は十分に試されているとはいえない。そのあたりにオカンポの勝機があるといえよう。特にオカンポは左のボディブローが巧みなので、上下に打ち分けることで攻略の糸口をつかみたい。戦績はフンドラが20戦19勝(13KO)1分、オカンポが35戦34勝(22KO)1敗。オッズは17対2で暫定王者有利と出ている。

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