4団体統一世界ライト級タイトルマッチ デビン・ヘイニー対ジョージ・カンボソス

  • 2022/11/04

直接再戦もヘイニー有利は変わらず
オッズは初戦7対4 ⇒ 再戦5対1

 両者は今年6月5日、オーストラリアのメルボルン、マーベル・スタジアムに4万人超の大観衆の前で戦い、デビン・ヘイニー(23=アメリカ)が地元のジョージ・カンボソス(29=オーストラリア)に12回判定勝ちを収めている。採点は116対112(二者)、118対110の3-0だった。WBC世界ライト級王者だったヘイニーは、WBCフランチャイズ王者のカンボソスが持っていたWBAスーパー王座、IBF王座、WBO王座を奪い、文句なしの4団体王者になった。無冠になったカンボソスは「もう一度戦えば勝てる」と再戦を要求。これにヘイニーが応えるかたちでダイレクト・リマッチが実現することになった。

才能半開の4団体王者ヘイニー

 12歳でボクシングを始めたヘイニーは世界ジュニア選手権8強のほか、全米ジュニア選手権や全米ユース選手権を制するなどアマチュアで146戦138勝8敗の戦績を残し、17歳1ヵ月のときにプロデビュー。18歳でWBCユース王座、19歳でIBF全米王座、IBF北米王座を獲得するなど順調に出世していった。20歳になった2019年にはライト級のWBCインターナショナル王座、WBOインターコンチネンタル王座、WBAインターナショナル王座をコレクションに加えた。同じ年の9月、ザウル・アブドゥラエフ(ロシア)を4回終了TKOで屠ってWBC暫定王座も獲得。
 その後、正王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)がフランチャイズ(特権)王者にスライドしたことにともない正王者に昇格したヘイニーは、11月には初防衛にも成功した。しかし、この試合で右肩を痛めたため手術に臨み、6ヵ月の活動休止状態となった。これを受けWBCは一度はヘイニーを休養王者に格下げしたが、翌2020年4月に正王者への復帰を認めた。
 こうした顛末後、V2戦に臨んだヘイニーは元世界3階級制覇王者のユリオルキス・ガンボア(キューバ)を手玉にとり大差の判定で撃退。3度目の防衛戦では同じく3階級制覇の実績を持つホルヘ・リナレス(帝拳)の挑戦を受け、終盤の追い上げに苦しめられたが中盤までの貯金を守り切った。V4戦は暫定王者のジョセフ・ディアス(アメリカ)を退けた。そして今年6月、王者同士の戦いでカンボソスに判定勝ちを収め、4団体統一王者になったわけだ。
 ただし、その実績に見合う評価が得られているかというと必ずしもそうとはいえない現実がある。戴冠試合を除く世界戦5試合すべてが判定決着である点などが物足りなさを感じさせているのだ。今回、再び相手国のリングに上がるヘイニーだが、内容のともなった勝利がノルマといっていいだろう。それは才能に恵まれた若者に対する期待の高さの裏返しでもある。

ロペスから王座奪うも在位半年に終わったカンボソス

 カンボソスもアマチュア出身(100戦85勝15敗)だが、当時の活躍はオーストラリア国内レベルに留まった。2013年5月、20歳の誕生日直前にプロデビューし、国内王座やPABA王座、WBAオセアニア王座などを獲得して世界15傑入りを果たした。
 2017年にはマニー・パッキャオ(フィリピン)のスパーリング・パートナーを務めたこともある。これで自信を増したカンボソスは元世界王者のミッキー・ベイ(アメリカ)、リー・セルビー(イギリス)を連破。2021年11月にはテオフィモ・ロペス(アメリカ)の持つライト級のWBAスーパー王座、WBCフランチャイズ王座、IBF王座、WBO王座に挑み、ダウン応酬の激闘を制して戴冠を果たした。しかし、今年6月、WBC王者のヘイニーに完敗、在位は半年強と短かった。

オッズは約5対1 ヘイニーが着々と加点か

 地元ファンの前で王座奪回を狙うカンボソスが積極的に仕掛け、ヘイニーが迎え撃つ構図になりそうだ。カンボソスはスピード、パワー、テクニックとまずまず均整のとれた戦力を備えハートも強いが、相手に脅威を与えるものは感じられない。ヘイニーもずば抜けた武器は持ち合わせていないが、スピードと危機回避能力という点では秀でたものがある。今回もその2点を十分に発揮してポイントを重ねていく可能性が高そうだ。
 戦績はヘイニーが28戦全勝(15KO)、カンボソスが21戦20勝(10KO)1敗。ちなみに初戦のオッズは7対4でヘイニー有利と接近していたが、再戦は約5対1と差が開いている。

<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>

  • 名前

    ヘイニー

    カンボソス

  • 生年月日/年齢

    1998年11月17日/23歳

    1993年6月14日/29歳

  • 出身地

    アメリカ(サンフランシスコ)

    オーストラリア(シドニー)

  • アマチュア実績

    13年世界ジュニア選手権8強

  • アマチュア戦績

    146戦138勝8敗

    100戦85勝15敗

  • プロデビュー

    15年12月

    13年5月

  • 獲得世界王座

    4団体統一世界ライト級王座

    4団体統一世界ライト級王座

  • 身長/リーチ

    173センチ/180センチ

    175センチ/173センチ

  • プロ戦績

    28戦全勝(15KO)

    21戦20勝(10KO)1敗

  • KO率

    54%

    48%

  • 世界戦の戦績

    6戦全勝(1KO)

    2戦1勝1敗

  • 戦闘スタイル

    右ボクサーファイター型

    右ボクサーファイター型

  • ニックネーム

    The Dream

    ferocious


<ライト級トップ戦線の現状>

WBA S
:デビン・ヘイニー(アメリカ)
:ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBC
:デビン・ヘイニー(アメリカ)
IBF
:デビン・ヘイニー(アメリカ)
WBO
:デビン・ヘイニー(アメリカ)

 この2年の間にワシル・ロマチェンコ(34=ウクライナ) ⇒ テオフィモ・ロペス(25=アメリカ) ⇒ ジョージ・カンボソス(29=オーストラリア) ⇒ デビン・ヘイニー(23=アメリカ)とベルトの持ち主が目まぐるしく入れ替わっている。こうした流れのなかで現在、4本のベルトを保持しているヘイニーが絶対的な主役かというと、必ずしもそうとはいえない点がこの階級の複雑さを表している。実績、総合的な評価ではロマチェンコ、WBA王者のジャーボンテイ・デービス(27=アメリカ)がヘイニーよりも上を行くとみる識者の方が多い。
 この捩れ減少を解消するためにも統一戦が期待される。今回のヘイニー対カンボソスの勝者がロマチェンコの挑戦を受け、勝ち残った者がデービスと雌雄を決するのが理想だろう。ただし、デービスは来年1月にも元WBC暫定王者のライアン・ガルシア(24=アメリカ)と対戦する計画が出てきており、近未来に関しては不透明な部分が多い。確実なことは、このクラスには個性的なタレントが多いということだ。
 ランカー陣では前出のガルシアのほかデービスに善戦したイサック・クルス(24=メキシコ)、すでに2階級制覇を成し遂げているシャクール・スティーブンソン(25=アメリカ)らが待機中だ。3人とも異なるタイプだが、20代半ばという共通項がある。
2023年はさらなる頂上決戦が期待される一方、大荒れ状態になる可能性もありそうだ。



WBC世界バンタム級挑戦者決定戦 ジェイソン・マロニー対ナワポーン・ソールンビサイ

井上戦後は3連勝と復調のマロニー
ナワポーンは20連勝 12連続KO中

 2年前、井上尚弥(大橋)の持つWBA、IBF世界バンタム級王座に挑んで7回KO負けを喫したジェイソン・マロニー(31=オーストラリア)が、58戦56勝(46KO)1敗1分の戦績を残しているナワポーン・ソールンビサイ(31=タイ)とWBC王座への挑戦権をかけて戦う。ホームでの試合だけにマロニーが持ち味を発揮しそうだ。
 マロニーは双子のアンドリューとともにオーストラリアでは期待度の高いスター選手で、すでにスーパー・フライ級で戴冠を果たした弟に続き「兄弟世界王者」という目標に向かっている。4年前にエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に惜敗、井上には完敗だったが、その後は3連勝と調子を取り戻している。特に今年6月には世界挑戦経験者のアストン・パリクテ(フィリピン)に3回TKOで快勝、アピールも済んでいる。WBCとWBOで1位にランクされているように、最も王者に近い地位にいる実力者といっていいだろう。26戦24勝(19KO)2敗。
 対するナワポーンは2009年8月のプロデビュー戦で引き分けたあと36連勝(28KO)をマーク。2017年3月のWBC世界フライ級王座決定戦ではフアン・エルナンデス(メキシコ)に3回TKO負けを喫したが、その後は再び20連勝(18KO)を収めている。ただ、対戦相手のクォリティに関してはマロニーのそれとは比べ物にならず、はるか格下の相手か峠を過ぎた選手が大半を占める。とはいえ軽量級で79パーセントのKO率は驚異的な数字だ。
 ロドリゲス戦、井上戦を含めアメリカで5度戦った経験を持つマロニーに対し、ナワポーンは今回がキャリア13年、59戦目にして初の国外試合となる。総合力に加えこの点でもマロニーに大きなアドバンテージがあるといえる。ナワポーンはガードを高めに置いてじりじりと前に出て思い切りのいいボディブローや顔面に左右フックを叩きつける攻撃パターンを持つが、今回は距離とタイミングを掴むのに苦労するのではないだろうか。地元ファンの声援を背にマロニーが左ジャブとスピードで圧倒しそうだ。

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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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