WBO世界ヘビー級暫定王座決定戦 ジョー・ジョイス対ジョセフ・パーカー

  • 2022/10/28

KO率93%の重戦車 vs 元WBO王者
オッズは13対8でジョイス有利

 3本のベルトを持つ世界ヘビー級王者のオレクサンダー・ウシク(ウクライナ)が前王者のアンソニー・ジョシュア(イギリス)との再戦を優先させたため、各団体の指名挑戦者は待ちぼうけ状態となった。これを受けWBOは暫定王座を設けることで対応。その決定戦として今回のジョー・ジョイス(37=イギリス)対ジョセフ・パーカー(30=ニュージーランド)が行われる。WBO1位のジョイスは2016年リオデジャネイロ五輪銀メダリストでプロ戦績は14戦全勝(13KO)。4代前のWBO王者で現在は2位にランクされるパーカーは32戦30勝(21KO)2敗。オッズは13対8でジョイス有利と出ている。

強豪たちを蹂躙してきた“重戦車”ジョイス

 アマチュア時代に2016年リオデジャネイロ五輪で銀、前年の世界選手権でも準優勝しているジョイスは2017年10月にプロ転向を果たした。32歳という極めて遅い船出だった。いきなりの10回戦で8回TKO勝ちを収めると、7ヵ月後には4戦目で英連邦王座を獲得。さらに7戦目でWBAコンチネンタル王座を奪取し、次戦では元WBC王者のバーメイン・スティバーン(ハイチ/アメリカ)を6回で屠った。
 目標に向かって動き出した「JUGGERNAUTジャガーノート(重戦車)」の快進撃は止まらない。世界挑戦経験者のアレクサンダー・ウスティノフ(ロシア)、ブライアント・ジェニングス(アメリカ)を連破すると、2年前には売り出し中だったダニエル・デュボア(イギリス=現WBA王者)をも10回KOで下した。さらに世界挑戦経験者のカルロス・タカム(カメルーン/フランス)を6回、元世界ランカーのクリスチャン・ハマー(ルーマニア/ドイツ)を4回で蹂躙。ついに最上位にランクされるまでになった。不安視されたスタミナもジェニングス戦で12回を戦いきり、デュボア戦でも10回まで戦って問題ないことを証明している。

NZに初の世界ヘビー級王座をもたらしたパーカー

 パーカーもアマチュア出身者で、2010年世界ユース選手権3位、同年のユース五輪準優勝の実績がある。さらに2011年の世界選手権にも出場したが、このときは2回戦で敗退している。2012年7月、20歳のときにプロ転向を果たし、3年後にはWBOオリエンタル王座など5本の地域王座を保持するまでになった。
 これまでのキャリアのハイライトは2016年12月のアンディ・ルイス(アメリカ)戦だろう。必ずしも芳しい内容ではなかったがパーカーは2対0の小差判定勝ちを収め、空位になっていたWBO世界ヘビー級王座を獲得したのだ。その後、元スパーリング相手のラズバン・コジャヌ(ルーマニア)、ヒューイ・フューリー(イギリス)をいずれも判定で退けて2度の防衛に成功したが、2018年3月の3団体王座統一戦でアンソニー・ジョシュア(イギリス)に12回判定で完敗、在位は1年3ヵ月に終わった。
 のちにWBC暫定王者になるディリアン・ホワイト(ジャマイカ/イギリス)に再起戦で惜敗したが、以後は6連勝と調子を取り戻している。直近の2戦では世界挑戦経験者のディレック・チゾラ(ジンバブエ/イギリス)に競り勝っており、イギリスでの知名度も上がっている。

ジョイスの圧力か パーカーのスピードか

 身長198センチ、リーチ203センチ、体重120キロ前後のジョイスは恵まれた体格を生かした攻撃型で、一方、身長193センチ、リーチ193センチ、体重113キロ前後のパーカーはスピードと右ストレートが売りのボクサーファイター型だ。ジョイスが正面から圧力をかけ、パーカーが間合いを外しながら迎え撃つ展開が予想される。
 ジョイスは被弾を恐れずに壁のように向かっていくが、意外に左ジャブが速く正確で、これが相手を悩ませることが多い。したがってパーカーはリードパンチの突き合いで後手に回らないようにする必要があるだろう。パーカーが適度に足をつかいながら的を絞らせずに戦うことができればポイントを重ねることは可能だろうが、前進そのものを止めるためには右ストレートでダメージも与えたいところだ。逆にジョイスの圧力を逃がし切れないようだと、2年前のデュボアがそうだったように終盤に息切れして捕まる危険性が高くなりそうだ。

<ヘビー級トップ戦線の現状>

WBA S
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
:ダニエル・デュボア(イギリス)
WBC
:タイソン・フューリー(イギリス)
IBF
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
WBO
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)

 今年8月にオレクサンダー・ウシク(35=ウクライナ)がアンソニー・ジョシュア(33=イギリス)に12回判定勝ちを収め、3本のベルトを防衛。WBC王者のタイソン・フューリー(34=イギリス)は一時は引退を口にしていたが、ジョシュアに対戦オファーを出すなど現役続行は確定的といっていいだろう。ジョシュアから色よい返事はなかったが、代わりに年内にディレック・チゾラ(38=ジンバブエ/イギリス)との対戦が決まりそうなムードだ。ふたりは2011年と2014年に対戦してフューリーが12回判定、10回終了TKOで連勝しており決着済みだが、ヘビー級のみならず世界のボクシング界の主役ともいえるフューリーの活動継続という点で意味のある試合といえよう。
 WBA王者のダニエル・デュボア(25=イギリス)は年内に防衛戦の計画があるようだが、2年前にジョー・ジョイス(37=イギリス)に10回KO負けした印象を払拭するまで、もう少し時間が必要かもしれない。
 そのジョイスは今回、WBO暫定王座決定戦でジョセフ・パーカー(30=ニュージーランド)と対戦する。ジョイスの分厚いプレッシャーがパーカーを押し潰してしまいそうだ。
 元3団体王者のアンディ・ルイス(33=アメリカ)は、WBCの挑戦者決定戦で元WBA暫定王者のルイス・オルティス(43=キューバ)に勝って存在感を示したところだ。もうひとり、前WBC王者のデオンテイ・ワイルダー(36=アメリカ)もロバート・ヘレニウス(38=スウェーデン/フィンランド)に衝撃的な1回KO勝ちで再起。こちらもWBCの挑戦権を手にした。この先、ワイルダー対ルイスの最終的なWBC挑戦者決定戦が行われるのかリング外の動きにも注目したい。
 新興勢力ではフランク・サンチェス(30=キューバ)、エフェ・アジャグバ(28=ナイジェリア)らがいるが、まだふたりとも戴冠のイメージが湧くところまでは行っていない。

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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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