4団体統一世界S・ミドル級タイトルマッチ
サウル・カネロ・アルバレス対ゲンナジー・ゴロフキン

  • 2022/10/14

4年ぶり3度目のライバル対決
オッズは17対4でアルバレス有利

 宿命ともいえるライバル、4階級制覇を果たしている4団体統一世界スーパー・ミドル級王者、サウル・カネロ・アルバレス(32=メキシコ)と、WBA、IBF世界ミドル級王者、ゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)が3度目の対決に臨む。両者は過去2度、ゴロフキンの持つミドル級王座をかけて拳を交え、2017年9月の初戦が引き分け、2018年9月の再戦はアルバレスが僅差の12回判定勝ちを収めている。4年の年月を経て実現する決着戦はアルバレスの持つスーパー・ミドル級の王座をかけて行われる。

4階級制覇 3階級の王座を同時保持したアルバレス

 2005年10月に15歳3ヵ月という若さでプロデビューしたアルバレスは、17年のキャリアで61戦57勝(39KO)2敗2分の戦績を残している。20歳のときに獲得したスーパー・ウェルター級王座を皮切りにミドル級、スーパー・ミドル級、ライト・ヘビー級と4階級で世界制覇を成し遂げた。ゴロフキンとの第2戦に勝ってからはスーパー・ミドル級 ⇒ ミドル級 ⇒ ライト・ヘビー級 ⇒ スーパー・ミドル級 ⇒ ライト・ヘビー級 と体重を増減させてタイトルマッチに臨んできた。これら3階級の体重差は約7キロ。一時はセルゲイ・コバレフ(ロシア)を豪快に屠ってライト・ヘビー級でも戴冠を果たし、3階級の王座を同時に保持したこともあった。
 しかし前戦では壁にぶち当たった。再び上げたライト・ヘビー級でWBAスーパー王者のドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア)に12回判定負けを喫したのだ。採点こそ三者とも2ポイント差だったが、内容は完敗に近いものだった。契約に再戦条項があったことからアルバレスは即リマッチを望むかと思われたが、リスクの高いビボル戦を先送りにして今回のゴロフキン戦を選択したという経緯がある。そこには「全盛期を過ぎたゴロフキンとスーパー・ミドル級で戦えばはっきりと決着をつけられるはず」との思いがあるものと思われる。マッチメークに関してもある程度のわがままが通るところがスーパースター、Aサイドの特権といってもいいだろう。

17連続KO防衛を含むV20 KO率84%のゴロフキン

 ゴロフキンはアマチュア時代に2003年世界選手権で優勝したころから一貫してミドル級(アマは75キロ以下、プロは約72.5キロ以下)で戦い続けてきた。1970年代から1980年代にかけてミドル級王座を12度防衛したレジェンド、マーベラス・マービン・ハグラー(アメリカ)に通じるものがありそうだ。今回、初めてスーパー・ミドル級の王座に挑むことになったが、2階級制覇が狙いなのではなくアルバレスに対する執着から決断したものと考えられる。
 2004年アテネ五輪で銀メダルを獲得した2年後、24歳でプロ転向したゴロフキンは16年のキャリアで44戦42勝(37KO)1敗1分の戦績を収めている。2010年8月に初戴冠(WBA暫定世界ミドル級王座)を果たし、WBC王座とIBF王座をコレクションに加えながら歴代1位タイの17連続KO防衛を含めて8年間にV20を記録。アルバレスとの再戦で王座を失ったが、3年前にIBFで返り咲きを果たし、今年4月にはWBAスーパー王者の村田諒太(帝拳)に9回TKO勝ちを収めて2団体王者になった。
 最近の4~5年は被弾が増えるなど緩やかな衰えも感じられるようになってきたが、むしろ40歳になってなお世界のトップとして活躍していることが驚異というべきなのだろう。

3キロ減量のアルバレスと4キロ増量のゴロフキン

 今回の第3戦に関して着目すべき点はいくつかあるが、そのひとつが現在のアルバレスに最もフィットしているスーパー・ミドル級の体重(約76.2キロ以下)で試合が行われる点である。5月にライト・ヘビー級(約79.3キロ以下)で判定負けを喫しているアルバレスにとっては前戦から約3キロの減量が必要になるが、以前にも経験しており問題はないとみていいだろう。むしろ約4キロ増量するゴロフキンのハンデの方が大きいといえる。ゴロフキンはプロ44戦のなかで最重量だったときでさえ163ポンド(約73.9キロ)だから、増量がマイナス効果をもたらす懸念がある。そう考えるとオッズが17対4と大差でアルバレス有利と出ているのは当然といえるかもしれない。
 アルバレスにも不安はある。ビボルにほぼ完敗を喫してから4ヵ月という短いスパンで再起戦に臨む点である。しかも、記録上は1勝1分とはいえ「2敗」といわれても仕方ない大苦戦を強いられたゴロフキンが相手なのだ。40歳になったとはいえKO率84パーセントの強打は脅威に感じられるだろう。連敗が許されないなかでの再起戦ということで追い込まれた状況ともいえる。
 互いに相手の手の内を知っているだけに序盤から激しくパンチを交換する可能性もあるが、一方で警戒し合って慎重な戦いになることも考えられる。村田がそうしたように圧力をかけてゴロフキンを後退させたいアルバレス。ビボルがそうしたように左ジャブで主導権掌握を狙いたいゴロフキン。どちらがどんなかたちで決着をつけるのだろうか。

<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>

  • 名前

    アルバレス

    ゴロフキン

  • 生年月日/年齢

    1990年7月18日/32歳

    1982年4月8日/40歳

  • 出身地

    グアダラハラ(メキシコ)

    カラガンダ(カザフスタン)

  • アマチュア実績

    04年アテネ五輪ミドル級銀

  • アマチュア戦績

    46戦44勝2敗(他説あり)

    350戦345勝5敗(他説あり)

  • プロデビュー

    05年10月

    06年5月

  • 獲得王座

    WBA,WBC,WBO Sウェルター級
    WBA,WBC,IBF ミドル級
    WBA,WBC,IBF,WBO Sミドル級
    WBO Lヘビー級

    WBA、WBC、IBFミドル級

  • 身長/リーチ

    173センチ/179センチ

    179センチ/178センチ

  • プロ戦績

    61戦57勝(39KO)2敗2分

    44戦42勝(37KO)1敗1分

  • KO率

    64%

    84%

  • 世界戦の戦績

    21戦18勝(11KO)2敗1分

    25戦23勝(21KO)1敗1分

  • トレーナー

    ホセ&エディ・レイノソ親子

    ジョナサン・バンクス

  • ニックネーム

    カネロ(シナモン=赤毛)

    GGG(トリプル・ジー)

  • 戦闘タイプ

    右ボクサーファイター型

    右ファイター型

<スーパー・ミドル級トップ戦線の現状>

WBA S
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
:デビッド・モレル(キューバ)
WBC
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
暫定
:デビッド・ベナビデス(アメリカ)
IBF
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBO
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)

 4階級制覇を成し遂げているスーパースター、サウル・カネロ・アルバレス(32=メキシコ)が主要4団体の王座を独占している。WBAでは7戦全勝(6KO)のデビッド・モレル(24=キューバ)がレギュラー王座、WBCでは26戦全勝(23KO)のデビッド・ベナビデス(25=アメリカ)が暫定王座を持っているが、一般の認知度は高いとはいえない。アルバレスとの直接対決で勝つことが評価上昇の近道だが、実現の見通しは立っていない。特にベナビデスは体が大きくパワーがあるためアルバレスとは好勝負が期待される。アルバレスにとっては今回のゴロフキン戦が目の前の関門ということになるが、これをクリアした場合は好敵手と呼べる相手はベナビデスぐらいになる。あとはビジネス面で成功が見込めるかどうかということになりそうだ。
 前IBF王者のケイレブ・プラント(30=アメリカ)はスピードとテクニックを兼備した実力者だが、1年前の統一戦ではアルバレスに11回TKOで敗れており、再戦の機運を高めるためには印象的な勝利を重ねるしかないだろう。まずは目の前のアンソニー・ディレル(37=アメリカ)戦に集中したい。
 新興勢力としてはエドガー・ベルランガ(25=アメリカ)の名前を挙げたい。デビューから16試合連続で1ラウンドKO勝ちを収めて注目を集めたスラッガーで、以後は逆に4試合連続で判定勝ちに留まっている。その分、10ラウンドをフルに3度戦いきるなどして経験値を上げてきており、勢いは失せたものの総合力はアップしている。身長185センチと体格にも恵まれており、大成が期待されている。
 スーパー・ウェルター級とミドル級の元王者、デメトリアス・アンドラーデ(34=アメリカ)がこの階級に転向、WBOの暫定王座決定戦に出場する予定だ。いったんは相手も日程も決まっていたが、自身の負傷で延期になっている。



WBC世界スーパー・フライ級タイトルマッチ
ジェシー・ロドリゲス対イスラエル・ゴンサレス

評価上昇中の王者のV2戦
しぶといゴンサレスを振り切れるか

 WBC世界スーパー・フライ級王者、ジェシー・ロドリゲス(22=アメリカ/帝拳)の2度目の防衛戦。4度目の世界挑戦となるイスラエル・ゴンサレス(25=メキシコ)を相手に実力差を見せつけることができるか。
 もともとライト・フライ級が主戦場だったロドリゲスだが、今年2月に急遽、2階級上でWBC王座決定戦に出場するチャンスをつかんだ。カルロス・クアドラス(メキシコ)と対戦するはずだった元王者のシーサケット・ソールンビサイ(タイ)が体調不良により直前で辞退したため、前座で試合をする予定だったロドリゲスに声がかかったのだ。代理出場したロドリゲスは3回に技ありのダウンを奪うなどベテランを翻弄し、明確な差をつけて判定勝ちを収めた。初防衛戦ではシーサケットを圧倒、8回TKOで退けた。戦績は16戦全勝(11KO)。同じ階級のWBA王者、ジョシュア・フランコは5歳上の兄だ。
 挑戦者のゴンサレスは33戦28勝(11KO)4敗1分の戦績を残している25歳で、2018年2月のジェルウィン・アンカハス(フィリピン)戦、同年11月のカリド・ヤファイ(イギリス)戦、2020年10月のローマン・ゴンサレス(ニカラグア)戦に続き4度目の世界挑戦となる。アンカハスには10回TKOで敗れたが、ヤファイ戦とゴンサレス戦は12ラウンドを戦いきっている。自分から仕掛けて押し込むタイプではないが、打撃戦に応じながら粘り強く戦うことが多い。
 サウスポーのロドリゲスが立ち位置を変えながらワンツーや左アッパーなど多彩なパンチで先手をとり、ゴンサレスが応戦するパターンが予想される。総合的な戦力や現在の勢いを考えると22歳の王者の防衛が確実視される。ローマン・ゴンサレスも倒せなかった頑張り屋をストップすることができるか。

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オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの