WBC世界ヘビー級挑戦者決定戦 デオンテイ・ワイルダー対ロバート・ヘレニウス

  • 2022/10/07

KO率91%の元V10王者 vs 「北欧の悪夢」
長身の強打者同士によるサバイバル戦

 2015年1月から2020年2月までの5年間にWBC世界ヘビー級王座を10度防衛した実績を持つデオンテイ・ワイルダー(36=アメリカ)と、「北欧の悪夢」というニックネームを持つロバート・ヘレニウス(38=スウェーデン/フィンランド)がトップ戦線残留をかけて戦う。タイソン・フューリー(イギリス)に7回TKO負けで王座を追われ、再戦でも激闘のすえ11回KOで敗れたワイルダーにとっては選手生命を左右しかねない重要な再起戦となる。

フューリー戦の疲労とダメージが心配されるワイルダー

 2008年北京五輪ヘビー級銅メダリストのワイルダーはプロ転向から6年間に32連続KO勝ちをマークして注目を集めた。33戦目で初の判定勝ちを経験したが、引き換えにWBC世界ヘビー級王座を手に入れた。この王座は7連続KO勝ち後、フューリーとの初戦(引き分け)を挟んで再び2連続KO勝ちで計10度の防衛を重ねた。一昨年2月にフューリーに敗れてベルトを失い、昨年10月の3度目の対決では返り討ちに遭った。この試合はワイルダーが3度、フューリーも2度ダウンする壮絶な打撃戦で、ともにダメージを残す結果となった。試合後、ワイルダーには引退を進める声があったが、本人は現役続行を決意。1年の休養を経て今回の再起戦に臨むことになった。
 身長201センチ、リーチ211センチのワイルダーはベスト体重が100キロ前後だが、フューリーとの初戦では約96キロと軽量で戦いに臨み、逆にフューリーとの第3戦では約108キロを計測。このように直近の6試合に関しては相手によって自分の長所であるスピードやパワーを生かすために体重を増減させながら戦ってきた。まずは今回、軽めに仕上げてスピードを重視するのか、それとも重めにしてパワーを生かす選択をするのか注目される。

連続KO勝ちで圏外から上位に復帰したヘレニウス

 ヘレニウスはスウェーデンのストックホルム生まれだが、彼が2歳のときに家族で隣国フィンランドに転居。元ボクサーの父親の影響を受けて少年時代にボクシングを始め、アマチュアで200戦以上を経験した。2008年5月、24歳でプロに転じ、EBU欧州連合王座、WBA、WBOインターコンチネンタル王座などを獲得して2010年秋には早々と主要4団体すべてで15傑入り。しかし、23戦目にヨハン・デュオパ(フランス)に6回KO負けを喫して連勝は22(13KO)で途絶えた。ちなみにデュオパは8ヵ月前にワイルダーの持つWBC王座に挑んで11回TKO負けを喫しており、ヘレニウス戦が再起第2戦だった。
 その後、ディリアン・ホワイト(ジャマイカ/イギリス)、ジェラルド・ワシントン(アメリカ)に敗れ、一時は4団体すべてで15位以下に落ちたが、一昨年3月と昨年10月、全勝だったアダム・コウナツキ(ポーランド)に連続TKO勝ちを収めて上位に戻ってきた。現在はWBA2位、WBC4位にランクされている。身長200センチ、リーチ201センチ、前戦の体重は約111.5キロと体格ではワイルダーに見劣りしない。

瞬き厳禁! 早期KO決着の可能性大

 13対2というオッズが出ているようにワイルダー有利は動かしがたいものといえる。左右にステップを踏みながら左ジャブで牽制し、相手に隙ができたと見たらロングレンジから右ストレートを打ち込んで早い回で倒してしまうかもしれない。ヘレニウスはディフェンスが甘いだけに序盤にワイルダーの強打が炸裂する可能性は極めて高いといえそうだ。ただし、フューリー戦の疲労や心身のダメージが抜け切っていることが大前提となる。
 ヘレニウスが番狂わせを起こすとしたら、やはり右の一発を命中させた場合だろう。一見するとスピード不足に感じられるヘレニウスだが、ルーズに見える左ジャブのあとの右は意外に速く、しかもカウンターのタイミングで繰り出されることが多い。この独特の迎撃スタイルがワイルダーを苦しめる可能性もある。
 45戦42勝(41KO)2敗1分のワイルダー、34戦31勝(20KO)3敗のヘレニウス。
KO決着は間違いない。

<TALE OF THE TAPE 体格比較表>

  • 名前

    ワイルダー

    ヘレニウス

  • 生年月日/年齢

    1985年10月22日/36歳

    1984年1月2日/38歳

  • 出身地

    タスカルーサ(アメリカ アラバマ州)

    ストックホルム(スウェーデン)

  • アマチュア実績

    08年北京五輪ヘビー級銅

  • アマチュア戦績

    35戦30勝5敗

    200戦以上(勝敗数は不明)

  • プロデビュー

    08年11月

    08年5月

  • 獲得王座

    WBC世界ヘビー級王座(10度防衛)

  • 戦績

    45戦42勝(41KO)2敗1分

    34戦31勝(20KO)3敗

  • KO率

    91%

    58%

  • 身長/リーチ

    201センチ/211センチ

    200センチ/201センチ

  • 前戦の体重

    107.9キロ

    111.5キロ

  • 戦闘スタイル

    右ボクサーファイター型

    右ボクサーファイター型

  • ニックネーム

    「ブロンズ・ボマー」

    「北欧の悪夢」

  • トレーナー

    マリク・スコット

    ヨハン・リンドストローム

<ヘビー級トップ戦線の現状>

WBA S
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
:ダニエル・デュボア(イギリス)
WBC
:タイソン・フューリー(イギリス)
IBF
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
WBO
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)

 3団体の王座を保持しているオレクサンダー・ウシク(35=ウクライナ)と、WBC王者のタイソン・フューリー(34=イギリス)が2強といえるが、フューリーの近未来が見通せないため微妙な状況でもある。フューリー陣営は12月3日という具体的な日程と報酬を含めた条件を提示して前3団体王者のアンソニー・ジョシュア(32=イギリス)に対戦のオファーを出したが、期限までにジョシュア陣営から返事がなかったため交渉決裂と判断。別の相手と対戦するプランが浮上しているとも伝えられるが、一方で引退説も残っている。ウシクとの頂上決戦が実現するのか、それとも引退して混戦状態になってしまうのか。ヘビー級戦線の行方は気まぐれなフューリーが握っているといっても過言ではなさそうだ。
 すでにWBA王者になっているダニエル・デュボア(25=イギリス)は若くて19戦18勝(17KO)1敗とKO率も高くスター性があるが、2年前にジョー・ジョイス(37=イギリス)に10回KO負けを喫した傷が尾を引いている印象だ。遠くない将来、再戦で雪辱すれば期待値と評価は再上昇するだろう。
 元3団体王者のアンディ・ルイス(33=アメリカ)、WBCとWBOで3位、IBFで7位にランクされる21戦20勝(13KO)1無効試合のフランク・サンチェス(30=キューバ)、そのサンチェス戦の1敗だけという17戦16勝(13KO)1敗のエフェ・アジャグバ(28=ナイジェリア)らにも注目したい。
 まだまだ先物買いになるが、WBC18位まで上がってきた12戦全KO勝ちのジャレド・アンダーソン(22=アメリカ)にも大きな期待が寄せられる。

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