WBC・WBO世界S・フェザー級タイトルマッチ
シャクール・スティーブンソン対ロブソン・コンセイサン

  • 2022/09/30

2016年リオデジャネイロ五輪メダリスト対決
スピードと防御技術で勝る王者

 2階級制覇を果たしているWBC、WBO世界スーパー・フェザー級王者、シャクール・スティーブンソン(25=アメリカ)の3度目の防衛戦。2度目の挑戦にかけるロブソン・コンセイサン(33=ブラジル)を迎え、どんなパフォーマンスを見せるのか。この試合は2016年リオデジャネイロ五輪のメダリスト対決でもある。

全勝で2階級制覇を果たしたスター候補

 スティーブンソンは5歳のときに祖父のウィリー・モーゼスにジムに連れて行かれてボクシングを始めた。初めて試合に出場したのは8歳のときだった。もともとは右利きだが、このころから左構えで戦っていたという。十代後半には世界ジュニア選手権優勝、世界ユース選手権優勝のほか2016年リオデジャネイロ五輪バンタム級で銀メダルを獲得するなど活躍した。本人によると「アマチュアでは約140戦して負けたのは12度か13度」という。
 2017年4月、元世界2階級制覇王者のアンドレ・ウォード(アメリカ=当時は現役)らをマネージャーとし、トップランク社とプロモート契約を交わしてプロデビューした。トレーナーにはアマチュア時代同様、祖父がついた。期待どおりに白星を重ね、2019年10月にはWBO世界フェザー級王座を獲得。減量苦から一度も防衛することなく王座を返上してスーパー・フェザー級に転向し、昨年6月にはWBO暫定王座を手に入れて2階級制覇を果たした。次戦では団体内の王座統一戦に臨み、ジャメル・へリング(アメリカ)を10回TKOで下して正王者の座を取って代わった。今年4月にはWBC王者のオスカル・バルデス(メキシコ)との全勝対決にも圧勝(12回判定勝ち)、2団体統一王者になった。
 身長170センチ、リーチ173センチとスーパー・フェザー級では平均的な体格だが、スピードを生かした右ジャブや左ストレートは伸びがあるため数字以上に腕が長い印象だ。スティーブンソンの最大の長所は防御勘がいいことで、まだ窮地らしい場面を経験せずに現在に至る。戦績は18戦全勝(9KO)。以前はディフェンシブな戦い方が指摘されることもあったが、最近は積極的に攻めることが増えた。プロ意識に目覚めてきたといえるかもしれない。

五輪3大会 世界選手権に4度出場のコンセイサン

 コンセイサンはアマチュア実績ではスティーブンソンの上を行く。
13歳のときにボクシングを始めたコンセイサンは20歳になる直前に2008年北京五輪に出場(フェザー級)し、4年後のロンドン五輪にも出場(ライト級)した。これら2大会は初戦で敗れたが、自国開催のリオデジャネイロ五輪では4試合を勝ち抜いて金メダルを獲得した。このほか世界選手権には4度出場し、準優勝(2013年)、3位(2015年)の実績を残している。アマチュア戦績は420戦405勝15敗と伝えられる。
 トップランク社とプロモート契約して2016年11月にプロに転じ、まずは順調に勝利を重ねてきた。しかし、スティーブンソンに比べるとマッチメークが慎重だった印象は拭えない。安定感を欠く腰高の構えで、どこかしら危なっかしい戦いぶりなのだ。事実、2年前のルイス・コリア(アメリカ)戦ではダウンを喫するなど危ない橋を渡っている。昨年9月、バルデスの持つWBC王座に挑戦した際も下馬評は芳しくなかったが、予想に反してコンセイサンは善戦。判定で敗れはしたものの「勝っていた」という声も出たほどだった。今年1月には17戦全勝(11KO)のザビエル・マルチネス(アメリカ)との再起戦が組まれたが、コンセイサンは大差の判定勝ちで意地を見せた。戦績は18戦17勝(8KO)1敗。
 身長179センチ、リーチ178センチと体格に恵まれ、スピードもある。遠くから踏み込んでワンツーを打ち込むだけでなく、中間距離での打ち合いも辞さない気の強さを持ち合わせている。ただ、パンチはチョップ気味で、耐久力にも疑問符が付いたままだ。

挑戦者が仕掛けスティーブンソンが迎撃か

 ともに戦いのベースはロングレンジだが、その距離でのやりとりではコンセイサンは分が悪い。挑戦者という立場でもあり、勝つためには積極的に試合をつくりに行く必要があるだろう。カウンターを合わされるリスクはあるが、打ち下ろしの右ストレートを狙って出ていく可能性がある。これに対しスティーブンソンは被弾を最小限に抑えながら迎え撃ち、ボディから顔面の打ち分けを狙うことが考えられる。序盤は偵察に時間を費やすとして、中盤あたりから駆け引きを含めたせめぎ合いが激しくなっていくのではないだろうか。スティーブンソンが徐々に差を広げていき、終盤に大きなヤマをつくりそうな気がする。

<スーパー・フェザー級トップ戦線の現状>

WBA
:エクトル・ルイス・ガルシア(ドミニカ共和国)
WBC
:シャクール・スティーブンソン(アメリカ)
IBF
:ジョー・コルディナ(イギリス)
WBO
:シャクール・スティーブンソン(アメリカ)

 この1年で4団体の王座の持ち主がすべて入れ替わった。WBAは今年8月、ロジャー・グティエレス(27=ベネズエラ)からエクトル・ルイス・ガルシア(30=ドミニカ共和国)に王者が変わり、WBC王座は今年4月の統一戦でオスカル・バルデス(31=メキシコ)に勝ったシャクール・スティーブンソン(25=アメリカ)が獲得。WBOとの2団体統一王者になった。IBFも今年6月にベルトの持ち主が変わったばかりだ。尾川堅一(34=帝拳)を2回KOで破ったジョー・コルディナ(30=イギリス)が新王者になっている。
 こう見てくると激動のクラスであることが分かるが、大きな動きがあるなかでもスティーブンソンの存在が光っている。高い次元で安定した戦いを見せていることに加え、まだ全貌を現わしていないことから来る大きな期待感がそう思わせるのかもしれない。今回のロブソン・コンセイサン(33=ブラジル)戦でどんなパフォーマンスを披露するのか注目したい。
 IBF王者のコーディナは11月5日にUAEアラブ首長国連邦でシャフカッツ・ラヒモフ(28=タジキスタン)の挑戦を受ける。ラヒモフは攻撃型のサウスポーで、この無敗対決でまたベルトの持ち主が変わる可能性もある。
 ランカーのなかではバルデスが実績、実力ともトップといっていいだろう。ただ、スティーブンソンに完敗しており、再評価されるためには強豪相手に派手なパフォーマンスと結果を残す必要があるだろう。同様のことは前IBF王者の尾川にもいえる。このほかWBC1位のオシャンキー・フォスター(29=アメリカ)、IBF2位のゼルファ・バレット(29=イギリス)といった力のあるランカーも控えている。

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