NABF北米/WBOインターナショナル S・ライト級王座決定戦
テオフィモ・ロペス対ペドロ・カンパ

  • 2022/09/02

急停止を強いられたロペスの再起戦
階級を上げても存在感を示せるか

 元WBAスーパー、WBCフランチャイズ、IBF、WBO世界ライト級王者のテオフィモ・ロペス(25=アメリカ)の再起戦。1階級上のスーパー・ライト級に上げ、WBO同級11位にランクされるペドロ・カンパ(30=メキシコ)と対戦する。昨年11月にジョージ・カンボソス(オーストラリア)に僅差の判定負けを喫して無冠に戻ったロペス(17戦16勝12KO1敗)は3キロ重いクラスでも存在感を示すことができるか。

ロマチェンコに勝ったあとで風向きが変化したロペス

 ロペスは中米ホンジュラス出身の両親のもとアメリカのニューヨーク州ブルックリンで生まれ、アマチュアで170戦150勝20敗の戦績を残した。2015年の全米ゴールデングローブ大会で優勝したほかホンジュラス代表として2016年リオデジャネイロ五輪にも出場している(1回戦敗退)。
 トップランク社と契約してプロに転向し、2018年には強豪を連破して早くもライト級トップ戦線に割り込んだ。翌2019年には中谷正義(井岡⇒帝拳)に12回判定勝ちを収めて世界王座への挑戦権を手に入れ、その年の暮れにはリチャード・コミー(ガーナ)を2回TKOで屠ってIBF世界ライト級王座を獲得。10ヵ月後、3本のベルトを持つワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と統一戦で拳を交え、3対0の判定勝ちを収めて4団体王者となった。その時点の年齢は23歳、戦績は16戦全勝(12KO)。飛ぶ鳥を落とす勢いから考えて中量級の核になる選手として期待と注目を集めた。
 ところが、カンボソスとの試合を前にビジネス上の摩擦が起こり、さらにコロナ禍という状況も加わって1年1ヵ月の空白期間をつくることになってしまった。これで風向きが変わったのか、カンボソス戦では初回にダウンを喫する最悪のスタートとなり、10回にダウンを奪い返したものの及ばず判定で敗れた。期待が大きかった分、周囲に与えた失望感も大きかったといえる。
 初の挫折から9ヵ月、ロペスはスーパー・ライト級に上げて再起を図ることになった。転級が決まるとWBO5位をはじめWBC6位、WBA8位、IBF10位と各団体は元4団体王者を優遇。こうしたなかロペスは2階級制覇に向けて可能性と存在感を示すことができるか。

デビューから27連勝をマークしたこともあるカンパ

 カンパは2011年5月にプロデビューした選手で、以後の6年間で27連勝(19KO)をマークしたこともある。28戦目に7回TKO負けを喫したが、その後は引き分けを挟んで再び7連勝(4KO)と調子を上げている。今年3月の直近の試合では22戦全勝(18KO)のホープを3回TKOで下している。36戦34勝(23KO)1敗1分という戦績もみごとだ。
 ただ、ロペスと比べると対戦相手の質という点で大きな隔たりがあることは否めない。はるか昔に峠を過ぎた元世界王者のホセ・アルファロ(ニカラグア)や世界挑戦経験者のマルビン・キンテロ(メキシコ)、ファン・アントニオ・ロドリゲス(メキシコ)らに勝った実績はあるが、現役のトップ選手たちとの対戦はないのだ。前傾姿勢から積極的に相手を追い、右フックを中心としたラッシュ戦法がどこまで通じるか。

実力で勝るロペスが序盤から圧倒か

 64パーセントのKO率を誇るカンパの攻撃力を侮ることはできないが、総合力で勝るロペスが圧倒的有利であることは間違いない。
前戦でポカをやっているだけに今回は気を引き締めてリングに上がるはずだ。カンボソス戦では力んで初回から大振りのパンチが目立ったロペスだが、今回はコンパクトなパンチを打つよう心がけるものと思われる。飛び込みながら放つ右と返しの左フック、さらに左ボディブローから顔面へのコンビネーション――ロペス本来の回転のいいボクシングが見られるのではないだろうか。

<スーパー・ライト級トップ戦線の現状>

WBA
:アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)
WBC
:空位
IBF
:空位
WBO
:ジョシュ・テイラー(イギリス)

 昨年5月、ジョシュ・テイラー(31=イギリス)はホセ・ラミレス(30=アメリカ)に12回判定勝ちを収めて4団体の王座を統一。今年2月にジャック・カテロール(29=イギリス)を退けて統一王座の防衛を果たしたが、初夏にはWBAスーパー王座とWBC王座を返上し、さらに8月にはIBF王座も手放した。苦労して1ヵ所に集められたドランゴンボールが散っていくような印象だ。テイラーはウェルター級への転向を視野に入れているとも伝えられるが、一方でカテロールとの再戦プランも浮上しているようだ。
 すでにWBAは前暫定王者のアルベルト・プエジョ(28=ドミニカ共和国)とバティル・アフメドフ(31=ウズベキスタン/ウクライナ)で決定戦を行い、2対1の判定勝ちを収めたプエジョを王者として認定している。
 IBFは1位のジェレミアス・ポンセ(26=アルゼンチン)と2位のスブリエル・マティアス(30=プエルトリコ)の陣営に王座決定戦を行うよう通達を出した模様だ。
 WBCは1位がホセ・セペダ(33)で2位がレジス・プログレイス(33)、3位にゲイリー・アントゥアン・ラッセル(26)が入って来て、4位にホセ・ラミレス(30)がランクされている。そして5位にテオフィモ・ロペス(25)、6位にライアン・ガルシア(24)とアメリカ勢が続く。WBCはセペダとプログレイスに王座決定戦の交渉に入るよう通達を出したが、決定したという情報はない。
 この階級では16戦全KO勝ちのラッセルと元4団体統一ライト級王者のロペス、元WBC暫定ライト級王者のガルシアの3人が新参者といえる。若くてスター性のある3人が、いつ、誰と世界戦をするのか楽しみだ。




NABO北米スーパー・ウェルター級王座決定戦
ザンダー・ザヤス対エリアス・エスパダス

初の地域王座獲得狙う19歳のザヤス
相手は27戦の経験を持つ元世界ランカー

 ウィルフレド・ゴメス、フェリックス・トリニダード、ミゲール・コットら数多くのスーパースター選手を輩出してきたプエルトリコが「次のスター」として期待を寄せている19歳の逸材、ザンダー・ザヤスが、元世界ランカーのエリアス・エスパダス(31=メキシコ)と空位のNABF北米スーパー・ウェルター級王座をかけて戦う。
 ザヤスは16歳のときに全米ユース選手権ウェルターで優勝するなど活躍後、2019年10月に17歳でプロデビュー。1年間に6連勝(5KO)して期待値を上げ、2021年にはオスカル・バルデス(メキシコ)やシャクール・スティーブンソン(アメリカ)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)らトップランク社の看板選手の世界戦や注目ファイトの前座に起用されて6連勝(4KO)を収めた。今年3月の初8回戦ではフルラウンドを戦って判定勝ちを収め、戦績を13戦全勝(9KO)に伸ばしている。身長177センチ、リーチ188センチと体格にも恵まれており、左フックを中心としたパンチの切れはトリニダードを彷彿とさせるものがある。まだ試されていない部分が多くあるが、近い将来、時代を牽引するスター選手になる可能性を秘めた逸材といえる。
 エスパダスは2012年にプロデビューしてから10年間で27戦22勝(15KO)4敗1無効試合という戦績を残している。ミドル級のWBC中米カリブ王座、WBO中南米王座、WBC暫定中南米王座を獲得し、2018年3月から7月にかけてWBO14位にランクされていたこともある。攻防ともにバランスのとれた好選手だ。世界15傑からは外れたが、このところ無効試合を挟んで5連勝(3KO)と調子を上げている。
 ファンや関係者の注目はザヤスに集中しているといっていいだろう。圧力をかけつつ立ち位置を変えながら攻め込む機会をうかがい、いつ切れ味抜群の左フックや右ストレートを繰り出すのか。チャンス時にどう連打をまとめるのか。相手が出てきたところにどうカウンターを合わせるのか――才能の塊ともいえる19歳のパフォーマンスから目が離せない。




WBOインターコンチネンタル スーパー・ライト級王座決定戦
アーノルド・バルボサ対ダニエリート・ソリラ

26戦全勝の30歳 vs 16戦全勝の28歳
強豪を連破して勢いづくバルボサ有利

 スーパー・ライト級でWBO3位、WBC11位にランクされる26戦全勝(10KO)のアーノルド・バルボサ(30=アメリカ)と、16戦全勝(12KO)のダニエリート・ソリラ(28=プエルトリコ)が空位のWBOインターコンチネンタル王座をかけて対戦する。
 5歳のときにボクシングを始めたというバルボサは、13歳のころに興味がフットボールに移ったため7年ほどはグローブを手にしなかったという。20歳前後にボクシングに戻ったのだが、そのときは体重が210ポンド(約95キロ)もあったと伝えられる。2013年6月にプロデビューし、ここまで9年間で26連勝を収めている。最近の3年間は元世界王者のマイク・アルバラード(アメリカ)、世界挑戦経験者のトニー・ルイス(カナダ)、アレックス・サウセド(メキシコ/アメリカ)など強豪との対戦が多い。戦績が示すようにパンチャーというわけではないが、遠い距離からでも踏み込みながらワンツー、左フックで攻め込むことができる。
 ソリラは2015年の世界選手権に出場するなどアマチュアで活躍後、2016年にプロ転向を果たした。活動拠点はプエルトリコだが、2019年3月に元世界王者のガマリエル・ディアス(メキシコ)、昨年9月に元暫定世界王者のパブロ・セサール・カノ(メキシコ)に2回KO勝ちを収めるなど、これまでに4度、アメリカのリングに上がっている。NABO北米スーパー・ライト級王座を獲得したこともある。
 全勝同士の対決だが、強豪との対戦経験が多く総合力で勝るバルボサに分があるカードといえる。ソリラは下肢が硬いのか動き全体に滑らかさに欠ける傾向があり、バルボサを追い立てるのには限界がありそうな印象だ。バルボサが距離を保ちながらワンツー、左フックでポイントを重ねる可能性が高い。ただし、ときおり振り抜くソリラの左フックには注意が必要だ。

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劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの