WBCシルバー/WBOインターナショナル ヘビー級タイトルマッチ
ジョー・ジョイス対クリスチャン・ハマー

  • 2022/08/26

世界挑戦の機会を待ち続けるジョイス
経験豊富なハマーを蹂躙か

 2016年リオデジャネイロ五輪スーパー・ヘビー級銀メダリストで5年前にプロ転向を果たしてから13戦全勝(12KO)の快進撃を続けるジョー・ジョイス(36=イギリス)が、経験豊富な元世界ランカーのクリスチャン・ハマー(34=ルーマニア/ドイツ)と対戦する。
すでにWBO1位、WBC2位、IBF6位にランクされ世界挑戦がスタンバイ状態といえるジョイスは、ここでさらに弾みをつけておきたいところだ。

見た目以上に高性能な「重戦車」ジョイス

 身長198センチ、リーチ203センチ、体重約120キロのジョイスは巨体を生かした攻撃的なボクシングが持ち味といえる。プレッシャーをかけながら中近距離に持ち込み、左右フックやアッパー系のパンチで攻め落としてしまうことが多い。ボディブローも得意なパンチといっていいだろう。一見するとスピード感に欠けるボクシングだが、意外に左ジャブは軽快で速い。それを浴び続けたダニエル・デュボア(イギリス=現WBA王者)は目の周辺を大きく腫らし、痛みに耐えきれずに自ら膝をついたほどだ(のちに眼窩底骨折が判明)。
「JUGGERNAUTジャガーノート」(重戦車)というニックネームを持つが、見た目以上に小回りも効く高性能なボクサーといえる。
 この数年、ヘビー級はオレクサンダー・ウシク(ウクライナ)、アンソニー・ジョシュア(イギリス)、タイソン・フューリー(イギリス)、デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)らが王座に絡んできたが、遠からずジョイスの出番が回ってきそうなムードだ。

フューリーら強豪との対戦経験が豊富なハマー

 ルーマニア出身のハマーは2006年の世界ジュニア選手権で優勝するなどアマチュアで活躍後、2008年11月にドイツでプロデビューした。その初陣で1回終了TKO負け、7連勝後に2連敗と挫折を味わったが、以後はWBO欧州ヘビー級王座を獲得するなどして世界10傑入りを果たした。ただ、上位ランカーの壁は厚く、2015年から2019年にかけてタイソン・フューリー(イギリス)、アレキサンダー・ポベトキン(ロシア)、ルイス・オルティス(キューバ)には完敗を喫した。その後は若手からテストマッチの相手として指名されることが増え、トニー・ヨカ(フランス)、ヒューイ・フューリー(イギリス)、フランク・サンチェス(キューバ)らに敗れてトップ戦線から大きく後退した。戦績は36戦27勝(17KO)9敗。全体的な動きは重いが、大きく振る左右フックは重量感がある。

ジョイスの前進力が勝るか

 ともに攻撃型ということもあり初回から最重量級らしい迫力ある打撃戦が期待できそうだ。分厚い上体から強振するハマーの左右フックを甘く見ることは危険だが、勢いを増しているジョイスの前進を止めることは難しいだろう。防御に課題を残すジョイスが被弾するシーンがあるかもしれないが、それでも前に出て左ジャブで追い詰めていく可能性が高い。中間距離で繰り出す左右フック、さらにアッパー系のパンチやボディブローでハマーにダメージを与えていくシーンが目に浮かぶ。

<ヘビー級トップ戦線の現状>

WBA S
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
:ダニエル・デュボア(イギリス)
WBC
:タイソン・フューリー(イギリス)
IBF
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)
WBO
:オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)

 8月20日にサウジアラビアのジッダで行われた3団体タイトルマッチで王者のオレクサンダー・ウシク(35=ウクライナ)が前王者のアンソニー・ジョシュア(32=イギリス)に2対1の12回判定勝ちで初防衛に成功。前座ではフィリップ・フルゴビッチ(30=クロアチア)がダウンを挽回してツァン・チレイ(39=中国)に僅少差の12回判定勝ち、IBF王座への挑戦権を手に入れた。これで15戦全勝(12KO)にレコードを伸ばしたフルゴビッチだが、ウシクを脅かす存在といえるかどうかは疑問だ。
 WBC王者のタイソン・フューリー(34=イギリス)は引退宣言したり復帰の意思表示をしたりと、そのボクシング同様つかみどころがない。ジョシュアとの再戦後、ウシクが「フューリーは引退していないと思う」と言ったように、多くの関係者、ファンはフューリーが遠からずリングに戻ってくると考えているはずだ。
 こうしたなか前WBC王者のデオンテイ・ワイルダー(36=アメリカ)の再起戦が10月15日に決まった。相手はロバート・ヘレニウス(38=スウェーデン/フィンランド)。45戦42勝(41KO)2敗1分のワイルダーと、身長200センチ、リーチ201センチ、体重110キロのヘレニウス。KO決着必至のカードといえる。フューリーの動向次第でWBCの王座決定戦、あるいは挑戦者決定戦になる可能性があるだけにリング外の動きにも注目したい。
 9月24日に行われるジョー・ジョイス(36=イギリス)対ジョセフ・パーカー(30=ニュージーランド)にも注目だ。すでにジョイスはWBO1位、パーカーはWBO2位にランクされており、勝者がWBOの指名挑戦者になることは間違いない。3団体王者のウシクにとってはIBFの指名戦よりもジョイス、あるいはパーカーとの試合の方がリスクは高いが、その分、リターンも多くなりそうだ。




ヘビー級10回戦
アダム・コウナツキ対アリ・エレン・デミレゼン

連敗のコウナツキ 5連勝のデミレゼン
中間距離での打撃戦か

 このところ2連敗と武運から見放された感のあるヘビー級の元世界ランカー、アダム・コウナツキ(33=ポーランド)が、2016年リオデジャネイロ五輪出場の経験を持つアリ・エレン・デミレゼン(32=トルコ)を相手に再起戦に臨む。世界ランクから外れているコウナツキに対し、デミレゼンはWBO10位に名を連ねており、オッズでも13対8で有利と見られている。
 2年半前まで無敗の快進撃を続けていたコウナツキだが、2020年3月にロバート・ヘレニウス(スウェーデン/フィンランド)に逆転の4回TKO負けを喫し、昨年10月の再戦でも6回TKOで完敗した。特にリマッチの内容は芳しくなく、ほぼ一方的に打たれたすえに両目付近が腫れてストップされている。前には出るもののディフェンスも反応も甘く、ヘレニウスのワンツー、アッパーを狙い撃ちされてダメージを溜め込むような試合だった。3連敗は避けたいところだが、すっかり弱点をさらけ出しているだけに今回も厳しい戦いが予想される。戦績は22戦20勝(15KO)2敗。
 デミレゼンは五輪2ヵ月後にドイツでプロデビューし、10連続KOを含む11連勝をマーク。この間、WBO欧州ヘビー級王座を獲得している。3年前、エフェ・アジャグバ(ナイジェリア)とのオリンピアン対決には判定で敗れたが、その後は再び5連勝(2KO)と勢いを取り戻している。特に直近の2戦では世界挑戦経験者のジェラルド・ワシントン(アメリカ)、ケビン・ジョンソン(アメリカ)を連破しており、地力と自信を増している。戦績は17戦16勝(12KO)1敗。
 ともに体重は113キロを超えることが多いが、寸胴体型のコウナツキに対しデミレゼンは壁のような上体の持ち主だ。前に出て距離を詰めながら左右フックを叩きつける戦法も似ており、試合は中間距離での打撃戦になる可能性が高い。右フック狙いのコウナツキは攻防ともに単調になりがちだが、そこが矯正されているかどうか。反応が鈍いようだとデミレゼンの左右フックの餌食になりそうだ。

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R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの