スーパー・ウェルター級12回戦
ダニー・ガルシア対ホセ・ベナビデス

  • 2022/08/19

危険なテストマッチに臨むガルシア
ベナビデスも再起をかけた一戦

 スーパー・ライト級とウェルター級で王座を獲得した実績を持つダニー・ガルシア(34=アメリカ)が、近い将来の3階級制覇を見据えて元WBA暫定世界スーパー・ライト級王者のホセ・ベナビデス(30=アメリカ)と対戦する。試合はスーパー・ウェルター級12回戦として行われるが、昨年11月にミドル級の体重で試合を経験しているベナビデスに対しガルシアにとっては未知の階級となる。

1年7ヵ月ぶりの再起戦に臨むガルシア

 両親がプエルトリコ出身というガルシアはアマチュアで120戦107勝13敗の戦績を残している。2006年の全米選手権ではライト級準決勝でテレンス・クロフォード(アメリカ=現WBO世界ウェルター級王者)に21対20で競り勝ち、決勝も制して優勝している。
 2007年11月にプロ転向を果たし、5年後にエリック・モラレス(メキシコ)に勝ってWBC世界スーパー・ライト級王座を獲得。次戦ではWBAスーパー王者のアミール・カーン(イギリス)を4回TKOで下して2団体王者になった。5度の防衛を果たしたあと王座を返上してウェルター級に転向し、2016年1月にはロバート・ゲレロ(アメリカ)に勝って空位のWBC王座を獲得、2階級制覇を成し遂げた。
翌年3月、WBAスーパー王者のキース・サーマン(アメリカ)との統一戦で惜敗して無冠に逆戻り。これが34戦目で初黒星だった。
 その後、ショーン・ポーター(アメリカ)とのWBC王座決定戦、WBC、IBF王者のエロール・スペンス(アメリカ)への挑戦と2度にわたって返り咲きの機会を得たが、いずれも中差の判定で敗れた。
戦績は39戦36勝(24KO)3敗。これがスペンス戦以来、1年7ヵ月ぶりの再起戦となる。

4年ぶりの勝利を目指すベナビデス

 ベナビデスは父親がトレーナー、4歳下の弟デビッド・ベナビデスも世界王者経験者というボクシング一家だ。ベナビデスは16歳で出場した2009年の全米ゴールデングローブ大会でライト・ウェルター級を制覇し、同じ年の全米選手権でも準優勝を果たすなどアマチュアで125戦120勝5敗の戦績を残している。
 プロ転向は2010年1月、17歳のときだった。当時からマニー・パッキャオ(フィリピン)、アミール・カーン(イギリス)、ティモシー・ブラッドリー(アメリカ)、ショーン・ポーター(アメリカ)らのスパーリング・パートナーを務めていたというから並外れた体力を備えていたのだろう。初陣から9連続KO勝ちを収めて勢いに乗ったベナビデスは2014年12月、22歳の若さでWBA暫定世界スーパー・ライト級王座を獲得した。この先、どこまで強くなるのかと期待と注目を集めたが、暫定王座は初防衛戦後に放棄。ウェルター級に転向後は2連勝したが、そんな矢先に犬を散歩中に何者かに足を撃たれて負傷するという事件に巻き込まれてしまった。2016年8月のことだ。1年半後に戦線復帰を果たし、2018年10月にはテレンス・クロフォード(アメリカ)の持つWBO世界ウェルター級王座に挑んだが、12回TKOで敗れた。
 このあと3年1ヵ月の間、活動を休止したが昨年11月にカムバック。このときは72キロのミドル級の体重で戦い10回引き分けという結果に終わっている。今回の試合で勝てば4年ぶりの勝利となる。戦績は29戦27勝(18KO)1敗1分。

総合力で勝るガルシア オッズは6対1

 直近の試合で勝利を逃している者同士のカードだが、実績と総合力で勝るガルシア有利は動かない。オッズも6対1でガルシアを支持している。独特のタイミングで繰り出す左フックがクリーンヒットすれば、打たれ強いベナビデスといえども立っていられる保証はない。
 ただ、ガルシアにも19ヵ月以上のブランク明けということに加え、スーパー・ウェルター級の体重で初めて戦うという不安要素がある。もともとベナビデスもスーパー・ライト級とはいえ、身長とリーチでガルシアを各6センチ上回っている。さらに引き分けだったとはいえ8ヵ月前にミドル級の体重で戦っており、この点はベナビデスのアドバンテージになるかもしれない。構えを左右にスイッチすることもあるベナビデスは右ストレートを中心にパンチの回転が速いため、チャンス時には一気に攻め込むことができる。そんな展開に持ち込めれば勝機が広がるだろう。

<スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状>

WBA S
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
WBC
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
WBC 暫定
:セバスチャン・フンドラ(アメリカ)
IBF
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
WBO
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)

 今年5月、WBO王者のブライアン・カスターニョ(32=アルゼンチン)との頂上対決を10回KOで制して4団体統一王者になったジャーメル・チャーロ(32=アメリカ)が当然のことながら頭ひとつ抜けた存在といえる。37戦35勝(19KO)1敗1分とKO率は驚くほど高いわけではないが、直近の5戦は4勝(4KO)1分で、パンチャー型に変身した印象が強い。次戦で21戦全勝(15KO)のWBO1位、ティム・チュー(27=オーストラリア)の挑戦を受ける可能性が高い。オッズは3対1でチャーロ有利と出ているが、楽しみなカードであることは間違いない。
 4月にエリクソン・ルビン(26=アメリカ)とのダウン応酬の激闘を9回終了TKOで制してWBC暫定王座を獲得したセバスチャン・フンドラ(24=アメリカ)は、身長197センチ、リーチ203センチのサウスポーで、20戦19勝(13KO)1分と無敗を保っている。注目され始めたころは色眼鏡で見られることが多かったが、全勝の世界ランカー、セルヒオ・ガルシア(29=スペイン)、世界王者候補と目されたルビンを連破して実力が伴っていることを証明した。10月に初防衛戦が計画されている。
 各団体の上位にはイスラエル・マドリモフ(27=ウズベキスタン)、マゴメド・クルバノフ(27=ロシア)、バフラム・ムラタザリエフ(29=ロシア)といった旧ソビエト連邦の選手たちがランクされている。どのタイミングで彼らが挑戦権を主張するのか注目していきたい。
 チャーロとの初戦で引き分け、再戦ではダウンを喫して完敗したカスターニョの巻き返しにも期待したい。
 こうした強豪がひしめくなか、元世界2階級制覇王者のダニー・ガルシア(34=アメリカ)が割り込みを狙っているわけだが、はたして体格面のハンディキャップを克服できるかどうか。今回のホセ・ベナビデス(30=アメリカ)戦で、ある程度の見通しが立つのではないだろうか。




スーパー・ライト級10回戦
ゲイリー・アントゥアン・ラッセル対ランセス・バルテレミー

15戦全KO勝ちの26歳 vs 元世界2階級制覇王者
ラッセルの強打が炸裂か

 元WBC世界フェザー級王者、ゲイリー・ラッセル(34=アメリカ)の8歳下の弟、2016年リオデジャネイロ五輪ライト・ウェルター級8強、プロデビューから15連続KO勝ち、サウスポー、WBC世界スーパー・ライト級7位、WBAとIBFで11位――ゲイリー・アントゥアン・ラッセル(26=アメリカ)は話題性豊富な新進気鋭だ。その期待と注目度の高さに実力がマッチしてきた。今年2月には元世界王者のビクトル・ポストル(ウクライナ)を圧倒して10回TKO勝ち、世界王座への挑戦権内に入ってきた。上体を沈めた左構えでプレッシャーをかけ、中間距離に入ると左ストレート、右フック、左アッパー、右フックとパンチの雨を降らせる。ややディフェンスに不安を感じさせはするが、いまは勢いでカバーしている印象だ。
 対するランセス・バルテレミー(36=キューバ)はスーパー・フェザー級とライト級で戴冠を果たした実績を持つ元世界王者で、4年前には3階級制覇を狙ってスーパー・ライト級でも挑戦したことがある(キリル・レリクに12回判定負け)。その後、再びライト級に下げてWBA王座決定戦に出場したが、ロバート・イースター(アメリカ)と引き分けている。身長178センチ、リーチ184センチと恵まれた体格の持ち主だが、中間距離での戦いを好む。左右どちらの構えでも打てるチョップ気味の左右フックはアッパー系のものが多く、47パーセントのKO率(32戦29勝15KO1敗1分1無効試合)以上の破壊力を感じさせる。
 ともに中間距離で打ち合うことが多いだけに、初回から目の離せない戦いになりそうだ。攻撃力ではラッセルが勝ると思われるが、上体を立てた状態で引っかけるように振るバルテレミーの左右フックには十分な注意が必要だ。現在の勢いを反映してかオッズは16対1でラッセル有利と出ているが、そこまでの実力差はない。

スーパー・ライト級8回戦
レイモンド・ムラタラ対ジャイール・バルティエラ

「危険」な25歳 vs 20歳の元中南米王者
9連続KO中のムラタラに注目

 6年のキャリアで14戦全勝(12KO)の戦績を残しているWBC世界ライト級37位、レイモンド・ムラタラ(25=アメリカ)が、17戦16勝(8KO)1敗のジャイール・バルティエラ(20=メキシコ)と対戦する。「デインジャー(危険な男)」と呼ばれるムラタラに要注目だ。
 ムラタラは足をつかいながら距離とタイミングを計りつつ踏み込んで右を打ち抜き、上下にパンチを打ち分けることが多い。基本は右構えだが、機を見て左構えにスイッチすることもある。まだ10回戦の経験はないが、ホセ・ラミレス(アメリカ)対ジョシュ・テイラー(イギリス)、テレンス・クロフォード(アメリカ)対ショーン・ポーター(アメリカ)、オスカル・バルデス(メキシコ)対シャクール・スティーブンソン(アメリカ)など注目ファイトの前座に起用されることが多く、期待の大きさがうかがえる。それに応えるように2019年以降は9連続KO勝ち中だ。
 バルティエラは2018年7月に16歳でプロデビューした若手で、2021年2月にはWBC中南米ライト級王座を獲得。初防衛戦では元暫定世界王者のエマヌエル・ロペス(メキシコ)に3回KO勝ちを収めている。V2戦で5回KO負けを喫して王座を失い、10回判定勝ちを経て今回が再起第2戦となる。右のボクサーファイター型で、横から振り抜く右が強い。
 スピードに加え攻防の組み立て、上下の打ち分けなど総合的に見てムラタラの戦力が勝っていることは間違いない。86パーセントのKO率を誇るムラタラがじわじわと追い込んでいくものと思われる。

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劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの