WBAスーパー世界L・フライ級タイトルマッチ
京口紘人対エステバン・ベルムデス

  • 2022/07/22

2戦連続で国外防衛戦に臨む京口
ベルムデスは乱打戦に活路か

 WBAのベルト一本化方針に沿って行われる団体内の王座統一戦。スーパー王者の京口紘人(28=ワタナベ)にとっては4度目、レギュラー王者のエステバン・ベルムデス(26=メキシコ)にとっては初防衛戦を兼ねた試合となる。
 京口は2018年12月、マカオ(中国特別行政区)でヘッキー・ブドラー(南アフリカ共和国)に10回終了TKO勝ちを収めてWBA世界ライト・フライ級スーパー王座を獲得し、ミニマム級に続く2階級制覇を達成。その後はコンスタントに3度の防衛を果たしたが、V3戦後は負傷のため試合から遠ざかっていた。これが1年3ヵ月ぶりのリングとなる。戦力面で不足は感じられないが、不安があるとすればこのブランクと相手国での試合という点だろう。戦績は15戦全勝(10KO)。
 対するベルムデスは昨年5月、来日経験もあるカルロス・カニサレス(ベネズエラ)に6回TKO勝ちを収めてWBA王座を獲得した強打者で、こちらも初防衛戦まで1年以上のブランクができた。19戦14勝(10KO)3敗2分の戦績が物語るように挫折を乗り越えながら成長してきたタイプといえる。デビューから10戦は無敗(1分)だったが、3年4ヵ月の空白を挟んだ直近の9戦は5勝(4KO)3敗1分と決して見栄えのいい戦績ではない。カニサレス戦も5回までは劣勢だったが、6回に逆転して戴冠を果たしている。今回も乱打戦を仕掛けてくるものと思われる。
 9対2というオッズが出ているように京口有利は不動だ。相手国での試合だが、前戦も国外試合だっただけに大きなハンディキャップとはならないだろう。スピード、スキル、攻防の多彩さ、経験値など総合的な戦力でも明らかに京口が上だ。揺さぶりをかけながらパンチを顔面、ボディに散らしてポイントを奪い、徐々に引き離したうえで中盤から終盤にかけて仕留めてしまう可能性が高い。ただし、予想外のタイミングで飛んでくるベルムデスの左右フックには注意が必要だろう。

IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
マイリス・ブリーディス対ジェイ・オペタイア

ラトビアの英雄 vs サウスポーの五輪戦士
37歳の豪打か 27歳のスキルか

 バルト海に面したラトビア共和国において初にして唯一のボクシング世界王座獲得者、IBF世界クルーザー級王者のマイリス・ブリーディス(37)がオーストラリアで地元のホープ、IBF4位のジェイ・オペタイア(27)の挑戦を受ける。当初、この試合は4月6日に計画されたが、ブリーディスが新型コロナウィルス検査で陽性だったため5月11日に延び、さらにオペタイアの肋骨負傷によって再延期された経緯がある。
 3度の戴冠を果たしている37歳の豪打が炸裂するのか、それとも17歳でオリンピックに出場した実績を持つサウスポーがスキルで捌いてしまうのか。

団体を変え3度の世界王座獲得を果たしたブリーディス

 ブリーディスはキックボクシングやアマチュアボクシングを経て2009年10月に国際式ボクシングでプロデビューした。自国だけでなくアメリカ、ギリシャ、ドイツ、ロシア、イギリスなどを転戦しながら実力を蓄え、2017年4月にマルコ・フック(セルビア/ドイツ)を破ってWBC世界クルーザー級王座を獲得した。そのタイミングで開催された階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)」に参戦したが、準決勝でWBO王者のオレクサンダー・ウシク(ウクライナ)に僅少差の判定で敗れた。
 2戦挟み2019年6月、ウシクが返上したWBO王座を持つクリストフ・グロワッキ(ポーランド)に挑み、3回TKO勝ちで2度目の戴冠を果たした。WBOから再戦を命じられたほどのダーティーファイトだった。その後、ブリーディスはWBOの指令を無視して第2回WBSSの決勝戦を優先選択。そのためWBO王座を失ったが、ユニエル・ドルティコス(キューバ)を下して現在の王座を手に入れた。昨年10月にはアルツール・マン(カザフスタン/ドイツ)を圧倒して初防衛を果たしている。2017年以降の5度の世界戦を含め7戦6勝(1KO)と自慢の豪打は湿りがちだったが、久々に文句なしのTKO勝ちを収めて気分を良くしているはずだ。戦績は29戦28勝(20KO)1敗。

複数の地域王座を獲得して上位に進出してきたオペタイア

 挑戦者のオペタイアは21戦のうちオーストラリア国外で戦った経験が2度(メキシコ、サモア)しかないこともあって世界的には無名だが、なかなかの好選手だ。アマチュア時代には17歳1ヵ月という若さで2012年ロンドン五輪に出場した経験を持っている。このほか世界ジュニア選手権優勝、オーストラリア選手権優勝、英連邦大会出場といった実績を残している。
 2015年8月にプロデビューし、国内王座のほか東洋太平洋王座、WBOアジアパシフィック王座、WBOグローバル王座、IBFオセアニア王座などを獲得してランクを上げてきた。強豪との対戦経験は多くないが、3年前には世界挑戦経験者のマーク・フラナガン(オーストラリア)に8回TKO勝ちしている。戦績は21戦全勝(17KO)。

攻撃型vs技巧派 スタミナ勝負になる可能性も

 ブリーディスは身長186センチ/リーチ190センチ、オペタイアは188センチ/193センチと体格に差はないが、戦闘スタイルは対照的だ。自慢の体力と気の強さを前面に出して正面から圧力をかけ、破壊力のある右を打ち込むブリーディスに対し、サウスポーのオペタイアは足と右ジャブをつかいながら距離とタイミングを計り、左ストレートから右フックを返すパターンを確立している。「攻撃型の王者vs技巧派の挑戦者」という構図といえる。
 オッズは15対8でブリーディス有利と出ているが、王者にとって楽な試合にはならないだろう。まだまだウシクには及ばないもののオペタイアはスピードと懐の深さを生かしたボクシングをするため、ブリーディスはパンチを叩き込む前に距離を潰す作業をしなければならないのだ。難なく中近距離での戦いに持ち込むことができればKO防衛が見えてくるが、相手の可動範囲を狭められないままだと失点を重ねることになる可能性がある。
 ただし、仮にオペタイアが主導権を握ったまま終盤に入ったとしても、ファンは最後まで彼を鼓舞するような声援を続けたほうがいいだろう。なにしろ10ラウンドを1度しかフルに戦いきったことがないオペタイアに対し、ブリーディスは12ラウンドをフルに6度も戦いきったキャリアの持ち主なのである。最後まで目の離せない試合になりそうだ。

<クルーザー級トップ戦線の現状>

WBA S
:アルセン・グーラミリアン(アルメニア/フランス)
:リヤド・メルフィー(コートジボワール/ベルギー)
WBC
:イルンガ・マカブ(コンゴ民主共和国)
IBF
:マイリス・ブリーディス(ラトビア)
WBO
:ローレンス・オコリー(イギリス)

 この階級は4年前、大きなスポットライトを浴びたことがある。オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)が第1回階級最強トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」で優勝して4団体の王座を統一したのだ。その後、ウシクは4団体王座を手放してヘビー級に転向。それを受けて各団体は王座決定戦を行い、いまは別々の世界王者を認定している。
 上記の5人が現在のベルト保持者だが、オコリーを除いた4人はボクシングでは比較的なじみの薄い国の出身といえる。WBAスーパー王者のアルセン・グーラミリアン(34=アルメニア/フランス)は2018年3月にリヤド・メルフィー(29=コートジボワール/ベルギー)に勝って暫定王座を獲得し、ゴールド王者からスーパー王者に昇格したが、2019年12月を最後に試合から遠ざかっている。この間に2度、試合が組まれたがいずれもキャンセルになったという事情がある。
 メルフィーは2019年10月に暫定王座を獲得したあと正王者になり、昨年7月に初防衛に成功した。今年9月にWBC王者のイルンガ・マカブ(34=コンゴ民主共和国)との統一戦が浮上している。
 こうしたなか比較的アクティブに活動しているのがIBF王者のマイリス・ブリーディス(37=ラトビア)とWBO王者のローレンス・オコリー(29=イギリス)だ。ブリーディスは2020年9月にIBF王座を獲得し、昨年10月に初防衛戦、そして今回、オペタイアの挑戦を受ける。オコリーは昨年3月に王座を獲得し、2度防衛中だ。
 王者と同等の力量を持っていると思われるのが前IBF王者のユニエル・ドルティコス(36=キューバ)だが、試合間隔が空いているのが惜しまれる。ランキングには元ライト・ヘビー級王者のセルゲイ・コバレフ(39=ロシア)やバドゥ・ジャック(38=スウェーデン)といった「昔の名前」もあるが、多くを期待するのは酷といえよう。

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劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの