WBC世界スーパー・フライ級タイトルマッチ ジェシー・ロドリゲス対シーサケット・ソールンビサイ

  • 2022/07/15

22歳の王者 vs 35歳の元王者
下馬評は17対4でロドリゲス有利

 15戦全勝(10KO)のWBC世界スーパー・フライ級王者、ジェシー・ロドリゲス(22=アメリカ/帝拳)が、2代前の王者で現WBC2位のシーサケット・ソールンビサイ(35=タイ)を迎えて初防衛戦に臨む。
 ロドリゲスは今年2月、カルロス・クアドラス(メキシコ)との王座決定戦で12回判定勝ちを収めてベルトを獲得したが、もともとはシーサケットがクアドラスと対戦する予定だった。ところが試合10日前になってシーサケットが体調不良のため辞退。これを受け前座に出場予定だったロドリゲスが階級を上げてクアドラスと対戦したという経緯がある。今回のロドリゲス対シーサケットという組み合わせは、半年前には誰も考えなかったカードといえる。

10日前に代役を引き受けクアドラスに勝って戴冠

 フルネームが「ジェシー・ジェームス・ロドリゲス・フランコ」という22歳の王者は、同じ階級のWBA王者、ジョシュア・フランコ(26=アメリカ)の弟としても知られている。アマチュアを経て2017年3月に17歳でプロに転向したロドリゲスは、ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)対バーネス・マーティロスヤン(アルメニア/アメリカ)、デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)対タイソン・フューリー(イギリス)初戦、エロール・スペンス(アメリカ)対マイキー・ガルシア(アメリカ)といった注目ファイトの前座に出場しながら順調に成長。14連勝を収めた昨秋からライト・フライ級でWBO1位にランクされるほどだった。
 世界挑戦も秒読みという段階に入っていた今年2月、ロドリゲスはクアドラス対シーサケットの前座でフライ級10回戦に出場する予定だった。シーサケットが試合10日前に辞退したことを受けてロドリゲスがクアドラスと対戦することになったのは前述のとおりだ。そのクアドラス戦は戦前から10対3のオッズでロドリゲス有利とみられていたが、予想と期待を裏切ることなく圧勝してみせた。巧みに位置どりを変え、3回には右アッパーで技ありのダウンも奪った。9ラウンド以降の長丁場は初めてだったにもかかわらず経験豊富な大先輩を相手に奮闘し、115対112、117対110(二者)の3-0で新王者誕生のコールを聞いた。現在のベストウェートはフライ級だと思われるが、縁あって手に入れたスーパー・フライ級王座を返上せず、元王者を相手に初防衛戦をこなすことになった。それだけの気概と自信があるということだろう。

ゴンサレスを連破して評価を上げたシーサケット

 本名が「ウィサクシル・ワンゲク」のシーサケットは、2009年3月に日本でプロデビューした。このときの相手は八重樫東(大橋)で、シーサケット(当時のリングネームは「ウォーラウット・ウォーポーシサケット」)は3回TKOで敗れている。5戦目までの戦績は1勝3敗1分だったが、6戦目からは別人になったかのように倒しまくり、2013年5月には佐藤洋太(協栄)にも8回TKO勝ちを収めWBC世界スーパー・フライ級王者になった。このときはV2戦でクアドラスに8回負傷判定負けを喫して在位は1年に終わったが、2017年3月にはパウンド・フォー・パウンドの現役最強とも評された46戦全勝(38KO)のローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)を12回判定で破って3年ぶりの返り咲きを果たす。これだけでも十分に驚きに値することだが、半年後の再戦では2度のダウンを奪って文句なしの4回KO勝ちを収めて改めて実力を誇示した。さらにV2戦ではフライ級から上がってきた元王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)にも競り勝ってみせた。30歳を過ぎてアメリカのリングで大きな花を咲かせたといえる。
 2019年4月、エストラーダとの再戦で小差の判定負けを喫して王座を奪われたが、その後、元世界王者のアムナット・ルエンロエン(タイ)に勝つなど3連勝をマークしている。戦績は56戦50勝(43KO)5敗1分。この5敗はすべて国外で喫したものだ。

動きたいロドリゲス 圧力をかけたい元王者

 ともにサウスポーだが、戦闘スタイルは異なる。ロドリゲスは常にガードとポジショニングを意識しながら戦うボクサー型で、スピードもある。クアドラスからダウンを奪った右アッパーなど死角からのパンチもあり攻撃は多彩だ。高い潜在能力を感じさせる逸材で、現時点で足らないものがあるとすれば経験ぐらいか。一方のシーサケットは77パーセントのKO率が示すとおりのスラッガーで、特に左ストレートと右フックは破壊力がある。ロドリゲスとは対照的に十分な実績と経験はあるが、35歳という年齢が気になるところだ。
 細かく動いて的を絞らせまいとするロドリゲスと、自慢の強打を叩き込むためにプレッシャーをかけたいシーサケット。まずは初回の攻防に注目したい。ロドリゲスが自在に動いて可動範囲を広くとれるようならば王者の防衛が濃厚だ。逆にシーサケットが巧みに圧力をかけて若い王者を正面に立たせる展開に持ち込めれば3度目の戴冠が見えてくる。オッズは17対4でロドリゲス有利と出ている。


<スーパー・フライ級トップ戦線の現状> ※2022年6月時点

WBA S
:ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
:ジョシュア・フランコ(アメリカ)
WBC F
:ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
:ジェシー・ロドリゲス(アメリカ/帝拳)
IBF
:フェルナンド・マルチネス(アルゼンチン)
WBO
:井岡一翔(志成)

 この数年来、ファン・フランシスコ・エストラーダ(32=メキシコ)、ローマン・ゴンサレス(35=ニカラグア/帝拳)の並走が続き、シーサケット・ソールンビサイ(35=タイ)や井岡一翔(33=志成)、ジェルウィン・アンカハス(30=フィリピン)らが続くという構図だった。しかし、昨年3月に統一戦でエストラーダがローマン・ゴンサレスに勝ち、今年2月にアンカハスが伏兵とみられたフェルナンド・マルチネス(30=アルゼンチン)に敗れてIBF王座から陥落するなど大きな動きがあった。
 もうひとつ、長いことベテラン勢がトップを占めてきたなか、今年2月にジェシー・ロドリゲス(22=アメリカ/帝拳)がWBC王座を獲得して割り込んできた。嬉しいことに22歳の新王者は才能の塊のようなサウスポーで、フライ級でも戦えるときている。帝拳プロモーションと契約していることもあり、日本人選手との対戦の可能性も広がる。同じ帝拳グループのローマン・ゴンサレスとの対戦は難しいとしても、エストラーダやマルチネスといった他団体王者との統一戦も見てみたいものだ。もちろん今回の初防衛戦でシーサケットを退けるという前提での話だが。
 WBA王者のジョシュア・フランコ(26=アメリカ)は、そのロドリゲスの4歳上の兄だ。1年前にアンドリュー・マロニー(31=オーストラリア)との3連戦で勝ち残ったが、その後は活動実績がない。
 今年3月のノンタイトル戦でWBC世界フライ級王者のフリオ・セサール・マルチネス(27=メキシコ)を下したローマン・ゴンサレス、井岡に敗れてから2連勝の田中恒成(畑中)、マルチネスとの再戦に意欲をみせるアンカハスなど実力のある無冠組にも要注目だ。

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