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WBCシルバー ライト級タイトルマッチ ホルヘ・リナレス対ザウル・アブドゥラエフ

  • 2022/03/18

元世界3階級制覇王者が敵地で再起戦
オッズは14対13でリナレス有利だが…

 昨年5月、デビン・ヘイニー(アメリカ)の持つWBC世界ライト級王座に挑んで12回判定負けを喫したホルヘ・リナレス(36=帝拳)がロシアのエカテリンブルクで再起戦に臨む。相手はライト級のWBCシルバー王座を持つザウル・アブドゥラエフ(27=ロシア)。3階級制覇の実績を持つリナレスがWBC6位なのに対し、アブドゥラエフはWBC4位、IBF11位、WBO14位にランクされている。敵地に乗り込んで再起をはかるリナレスが14対13とオッズではわずかにリードしているが、アブドゥラエフはしぶとい攻撃が持ち味だけに楽な試合にはならないだろう。
 16歳で来日して17歳3ヵ月のときに大阪でプロデビューしたリナレスも、昨年8月に36歳の誕生日を迎えた。すでにプロキャリアは10年、53戦(47勝29KO6敗)を経験したベテランになった。この間、21歳でフェザー級、23歳でスーパー・フェザー級、29歳のときにライト級で世界王座を獲得。こうした実績だけでなく、活動拠点の日本、故国ベネズエラはもちろんのことアメリカ、メキシコ、アルゼンチン、パナマ、韓国、英国と8ヵ国で試合をするなど文字どおり世界を股にかけた活躍ぶりといえる。敗れはしたものの無敵状態だったワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)から右ストレートでダウンを奪ったシーンは、4年が経とうとしている現在もファンや関係者の脳裏に焼き付いているはずだ。
 ただ、そのロマチェンコ戦を含めて直近の6試合は3勝(2KO)3敗(2KO負け)と厳しい数字になっている。ヘイニー戦では中盤から追い上げたものの届かず、小差の12回判定負けという結果に終わった。リナレスにとってはプロで6度目の敗北だが、フルラウンドを戦いきって敗れたのは初めてだった。打たれ脆さを突かれたのではなくポイントで競り負けた点を取りあげて世代交代を唱える識者もいるが、そう判断するのは早計だろう。いまも総合的に高い戦力を備えていることに変わりはなく、「スピードとコンビネーションでチャンスがあればKOしたい。そのためにもスタミナが重要」と今回の試合に向けて十分なモチベーションも維持している。

 一方、実績や知名度では大きく劣るアブドゥラエフだが、現在のランキングではこちらが上にいる。地元でのシルバー王座の防衛戦だけに万全のコンディションで試合に臨むものと思われる。アブドゥラエフは多くのロシア人ボクサー同様、アマチュアでキャリアを積み、十代のときにはロシアのジュニア選手権、欧州ユース選手権でともに準優勝を飾っている。国際大会での活躍は限定されるが、カザフスタン、ドイツ、アイルランド、アゼルバイジャン、ウズベキスタンなどで試合をした経験がある。
 プロ転向は2017年3月で、5年間に15戦14勝(8KO)1敗の戦績を残している。地域王座を獲得しながらトップ戦線に割り込み、2019年9月にはWBC世界ライト級暫定王座決定戦に出場したが、デビン・ヘイニーに4回終了TKOで敗れている。ヘイニーのスピードについていけず、一方的な展開のなかで棄権するという完敗だった。ただ、再起3戦目となった昨年9月の試合では元世界王者のデジャン・ズラツカニン(モンテネグロ)に大差の12回判定勝ちを収めており、以前の勢いと自信を取り戻しているものと考えられる。

 アブドゥラエフはリナレスよりも2センチ大きい175センチの長身選手だが、そのアドバンテージを生かして戦うタイプではない。背中を丸めて前進することが多く、中近距離で左右フックを振り抜く好戦型といえる。リナレスやヘイニーと比べるとスピードでは劣るが、同じペースを長時間キープすることができるという特徴がある。数字に表せない執拗さがアブドゥラエフの持ち味といえる。
 スピード、テクニック、パンチの切れ、攻撃の多彩さ、経験値など多くの部分で勝るリナレスが先行し、アブドゥラエフが我慢しながら追う展開になりそうだ。リナレスの右ストレート、左ボディブローなどがクリーンヒットするようならば中盤までにKO勝ちもありそうだ。倒せない場合でも根気強く戦えばポイントを重ねられるものとみる。そのためにも中盤までにアブドゥラエフの戦力を削ぎ落しておきたいところだ。

<ライト級トップ戦線の現状>

WBA S
:ジョージ・カンボソス(オーストラリア)
:ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBC F
:ジョージ・カンボソス(オーストラリア)
:デビン・ヘイニー(アメリカ)
IBF
:ジョージ・カンボソス(オーストラリア)
WBO
:ジョージ・カンボソス(オーストラリア)


 形式上はWBAのスーパー王座とWBCのフランチャイズ王座を含めて4本のベルトを持っているジョージ・カンボソス(28=オーストラリア)がトップの座にいるが、実績と実力ではWBA正王者のジャーボンテイ・デービス(27=アメリカ)が上と見られている。いまは無冠だが元王者のワシル・ロマチェンコ(34=ウクライナ)もカンボソスをしのぐ評価を得ている。これは多くのファン、関係者の共通認識といっていいだろう。カンボソスに僅差の判定で敗れて王座を明け渡したテオフィモ・ロペス(24=アメリカ)もいるが、スーパー・ライト級への転向計画があるとも伝えられ、このクラスに留まるかどうかは微妙だ。
 当初、カンボソスは6月にオーストラリアでロマチェンコを迎え撃つプランが進行中と伝えられたが、ロシアのウクライナ侵攻によって実現が難しくなっている。代わってヘイニーの名前が挙がっているが、3月中旬の時点では決定に至っていない。
 26戦全勝(24KO)のデービスは5月28日に前WBA暫定王者のローランド・ロメロ(26=アメリカ)を相手に3度目の防衛戦を行うことになった。ロメロも14戦全勝(12KO)と高いKO率を残しているだけにスリリングな試合になりそうだ。
 このほかホルヘ・リナレス(36=帝拳)、破壊力のある左フックと右ストレートを持つライアン・ガルシア(23=アメリカ)、モハメド・アリのそっくりさんとして売り出し中のミチェル・リベラ(ドミニカ共和国)、デービスに善戦して株を挙げたイサック・クルス(23=メキシコ)らが控えている。中谷正義(33=帝拳)、三代大訓(27=ワタナベ)、吉野修一郎(31=三迫)、伊藤雅雪(31=横浜光)ら日本勢もトップ戦線割り込みを狙っている。



WBA米大陸スーパー・ライト級王座決定戦 ゲイリー・アントゥアン・ラッセル対ビクトル・ポストル

14戦全KO勝ちの25歳 vs 36歳の元世界王者
ラッセルは世界へのハードルを突破できるか

 「ラッセル・ファミリー」の切り札ともいわれるゲイリー・アントゥアン・ラッセル(25=アメリカ)が、世界ランク入りを狙って元WBC王者のビクトル・ポストル(38=ウクライナ)と対戦する。昇竜の25歳と高い経験値を持つ38歳の元王者という興味深いカードだ。
 ラッセルは前WBC世界フェザー級王者のゲイリー・アレン・ラッセルと、WBA世界バンタム級2位、WBC10位、IBF8位のゲイリー・アントニオ・ラッセルを兄に持ち、兄弟のトレーナーでもあるゲイリー・ラッセル・シニアが父親というボクシング一家として知られる。兄たちと同様、アマチュアで腕を磨き、20歳で出場したリオデジャネイロ五輪ではライト・ウェルター級でベスト8入りを果たした。ひと足早くウェルター級で売り出し中のジャロン・エニス(アメリカ)とはアマチュア時代に4度戦い3勝1敗と勝ち越している。プロ転向は2017年5月で、以後は5年間に14戦してすべて規定ラウンド内で仕事を終わらせている。そのうち12試合は3ラウンド以内のKOだ。話題性、将来性十分の逸材は昨年5月、初めて骨のある相手と拳を交えたが、元世界ランカーのジョバニ・サンティアゴ(プエルトリコ)を問題にせず6回終了TKOで一蹴した。現在はWBC36位という控えめな位置にいる。
 一方のポストルはウクライナの出身だが、現在はアメリカのカリフォルニア州マリナ・デルレイに住んでいる。アマチュアを経て2007年12月にプロデビューし、地域王座を獲得しながら世界戦線を駆け上がっていった。2014年にはマニー・パッキャオ(フィリピン)のスパーリング・パートナーに起用されたこともある。その前後からフレディ・ローチ・トレーナーに師事し、トップランク社とプロモート契約を結んでいる。2015年10月、WBC世界スーパー・ライト級王座決定戦でルーカス・マティセ(アルゼンチン)を10回KOで屠って戴冠を果たした。当時の戦績は27戦全勝だったがKOは11と少なめだったため非力とみられていたが、鮮やかな右ストレートで仕留めてファンや関係者を驚かせたものだ。ただ、次戦でWBO王者のテレンス・クロフォード(アメリカ)に敗れ、在位は9ヵ月に終わった。その後もトップ戦線に踏みとどまり強豪と対戦してきたが、のちの4団体王者、ジョシュ・テイラー(英国)と当時のWBC、WBO王者、ホセ・ラミレス(アメリカ)には12回判定負けを喫している。戦績は34戦31勝(12KO)3敗。ラミレスに敗れてから1年半、これが再起戦となる。現在はWBCで8位にランクされている。
 パンチ力に自信を持つサウスポーのラッセルがプレッシャーをかけ、アウトボクシングをベースとする長身のポストルが間合いをとりながら迎え撃つ展開になりそうだ。ラッセルのパワフルなパンチを早い段階から浴びるようだとポストルは苦しい。どこまで耐えられるかという厳しい試合になる可能性もある。オッズは6対1でラッセル有利と出ているが、元王者がその数字をひっくり返すにはカウンターの右ストレートを見舞うしかなさそうだ。
 近い将来の世界王者と目されるラッセルにとってポストルは決して低くないハードルだが、いまの勢いと実力からみて問題なく突破してしまうのではないだろうか。

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