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WBC世界バンタム級タイトルマッチ ノニト・ドネア対レイマート・ガバリョ

  • 2021/12/03

39歳の「フィリピーノ・フラッシュ」 vs 25歳の「暗殺者」
ドネアの経験とパワーか ガバリョの若さか

 アラブ首長国連邦のドバイでジョンリエル・カシメロ(フィリピン)対ポール・バトラー(英国)のWBO世界バンタム級タイトルマッチが終了した数時間後、アメリカのカリフォルニア州カーソンでノニト・ドネア(39=フィリピン)対レイマート・ガバリョ(25=フィリピン)のWBC同級タイトルマッチが挙行される。その2日後にはWBAスーパー王座とIBF王座を持つ井上尚弥(28=大橋)が東京でアラン・ディパエン(30=タイ)を迎え撃つことになっている。こうしたなかドネア、あるいはガバリョがライバルたちにリングのパフォーマンスを通じてどんなメッセージを送るのか注目だ。

井上を追い込んだドネアは11月に39歳に

 ドネアの経歴についてはいまさらダラダラと説明する必要はないだろう。バンタム級に戻って来た3年前からの足跡に絞って話を進めよう。階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」に参戦するために7年ぶりにバンタム級に体重を下げたドネアは、WBSS初戦となるライアン・バーネット(英国)戦で4回終了TKO勝ち、WBAスーパー王座を獲得した。決して本調子というわけではなかったが、バーネットが腰を痛めて棄権するというアクシデントもあってベルトを手に入れた。2018年11月のことである。準決勝ではゾラニ・テテ(南アフリカ共和国)と対戦するはずだったが、直前になって右腕を痛めたテテが出場を辞退。ドネアは代役のステファン・ヤング(アメリカ)と戦い鮮やかな左フック一発で6回KO勝ちを収めた。ここまでの2戦では少なからず錆が感じられたドネアだが、井上との決勝戦では全盛期の8割ほどまで戻してきた印象だ。11回にダウンを喫して判定負け、WBAスーパー王座を失ったが、中盤には「モンスター」をあわやというところまで追い込むなど高く評価される試合内容だった。
 その後はコロナ禍で思ったように活動できない時期が続いたが、今年5月にノルディーヌ・ウバーリ(フランス)を3度倒してWBCで返り咲きを果たした。この試合でも2回までは相手に先手を許していたが、この6分間で感触をつかむと3回には左フックのタイミングを合わせて2度のダウンを奪い、次の回に仕留めてみせた。左フックの破壊力、鋭い勝負勘が健在であることを印象づけたものだ。23度の世界戦(18勝12KO5敗)を含む戦績は47戦41勝(27KO)6敗。

暫定王座を2度獲得したガバリョ

 ガバリョは先輩王者より14歳も若く、プロ戦績も24戦全勝(20KO)という見事なものだ。プロデビューは2014年2月で、このときドネアは31歳だった。3ヵ月後にはWBA世界フェザー級スーパー王座を獲得し、5階級制覇を成し遂げている。これを取ってみても両者間に大きなキャリアの差があることが分かるだろう。
 だからといってガバリョが実力不足の若造だというわけではない。この男も手順を踏みながら着実に力を伸ばしてきたのだ。特に2017年以降は自国のほかアメリカで4試合、メキシコで1試合と異国のリングにも上がり、しっかりと結果を残している。2018年4月にはステファン・ヤング(アメリカ=のちにドネアに6回KO負け)からダウンを奪って12回判定勝ち、WBA暫定王座を獲得。昨年12月には前IBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ=2019年5月に井上に2回KO負け)に判定で勝ってWBC暫定王座を手に入れている。ガバリョの評価が停滞したままなのは物議をかもしたロドリゲス戦の影響が大きいが、それをもって能力の限界と判断してしまうことは危険だ。あの試合が成長の過程として必要な苦戦だった場合、「アサシン(暗殺者)」が貴重な経験をばねにして総合力を伸ばしている可能性もある。

左フックという絶対的な切り札を持つドネア

 ドネアとガバリョの現有戦力を比較するかぎり正王者が有利であることは間違いない。特に左フックという絶対的な切り札を持っている強みがある。これを警戒させておいて右ストレートを打ち込むことも有効だろう。もしもガバリョが偉大な大先輩を前にして委縮してしまうようならば勝負は後半を待たずに決してしまうかもしれない。
 その一方、ガバリョがロドリゲス戦を経て成長していた場合は39歳のドネアにとって難しい試合になる可能性もある。ガバリョが正面から打ち合うことは考えにくく、おそらく打っては離れ、離れては踏み込んで打つというパターンでポイントアウトを狙ってくるものと思われる。ガバリョがドネアの強振とミスを誘うような展開に持ち込めれば「暫定」の2文字を取り去ることができるかもしれない。

<TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表>

  • 名前

    ドネア

    ガバリョ

  • 生年月日/年齢

    1982年11月16日/39歳

    1996年8月24日/25歳

  • 出身地

    タリボン(フィリピン)

    ポロモロク(フィリピン)

  • アマチュア実績

    2000年全米選手権優勝

  • アマチュア戦績

    86戦78勝(8KO)8敗

  • プロデビュー

    01年2月

    14年2月

  • 獲得王座

    IBFフライ級
    WBA暫定Sフライ級
    WBA、WBC、WBOバンタム級
    IBF、WBO Sバンタム級
    WBAフェザー級

    WBA暫定バンタム級、WBCバンタム級

  • 戦績

    47戦41勝(27KO)6敗

    24戦全勝(20KO)

  • KO率

    57%

    83%

  • 世界戦の戦績

    23戦18勝(12KO)5敗

    2戦2勝

  • 身長/リーチ

    170.2センチ/174センチ

    168センチ/173センチ

  • ※2019年11月の来日時のJBC測定データ

  • 戦闘スタイル

    右ボクサーファイター型

    右ボクサーファイター型

  • ニックネーム

    「フィリピーノ・フラッシュ」

    「ASSASSIN」

<バンタム級トップ戦線>

WBA S
:井上尚弥(大橋)
WBC
:ノニト・ドネア(フィリピン/アメリカ)
暫定
:レイマート・ガバリョ(フィリピン)
IBF
:井上尚弥(大橋)
WBO
:ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)

 日本時間の12日にアラブ首長国連邦でジョンリエル・カシメロ(32=フィリピン)対ポール・バトラー(33=英国)のWBOタイトルマッチ、同じ日にアメリカでノニト・ドネア(39=フィリピン)対レイマート・ガバリョ(25=フィリピン)のWBCタイトルマッチ、そして14日には東京で井上尚弥(28=大橋)対アラン・ディパエン(30=タイ)のWBA(スーパー王座)、IBFタイトルマッチが相次いで行われる。この3試合でトップ戦線は少し整理されるはずだ。カシメロ、ドネア、井上が勝ち残るという予想が大半を占めているが、この3人が同じタイミングで試合をするため、大きな負傷がないかぎり次戦が組みやすいというメリットがある。井上を軸に展開されるバンタム級ウォーズは12月を経て来春に大きな動きが見られそうだ。
 ここに割り込んでくる可能性を持っているのがWBA2位、IBF8位にランクされているアントニオ・ラッセル(28=アメリカ)だ。今年8月に行われた前IBF王者、エマヌエル・ロドリゲス(29=プエルトリコ)とのWBA暫定王座決定戦は開始から16秒でバッティングが発生、ロドリゲスが戦闘不能に陥ったため無判定試合になった。それでも井上に「あの短いなかでも『強い』ということが分かった」といわしめたほどだ。11月27日には世界ランカーのアレクサンドロ・サンティアゴ(25=メキシコ)の抵抗にあって辛勝に終わったが、潜在能力は高いものがある。
 不気味といえば11戦全勝(9KO)のEBU欧州王者、リー・マクレガー(24=英国)にも注目しておきたい。まだ試されていない面もあるが、硬質感のあるパンチを打ち込む強打者で、若く勢いがあるだけにさらに伸びてくる可能性もある。そのマクレガーと挑戦者決定戦を課されたジェイソン・マロニー(30=オーストラリア)は昨秋に井上に7回KO負けを喫したが、今年8月にジョシュア・グリー(27=アメリカ)に勝って再起を果たしている。

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