WBO団体内 世界スーパー・フェザー級王座統一戦 ジャメル・ヘリング対シャクール・スティーブンソン

  • 2021/10/15

12年ロンドン五輪戦士 vs 16年リオデジャネイロ五輪銀
サウスポーの技巧派対決は暫定王者有利

 2019年5月に伊藤雅雪(伴流⇒横浜光)から王座を奪い、堅実なボクシングで3度の防衛を記録しているジャメル・ヘリング(35=アメリカ)と、スピードに乗ったアウトボクシングで着々と勝利を重ねているシャクール・スティーブンソン(24=アメリカ)がWBO団体内のスーパー・フェザー級王座統一戦で拳を交える。正王者はヘリングだが、オッズは5対1で若く勢いのある暫定王者有利と出ている。

伊藤雅雪から奪った王座を3度防衛中のヘリング

 ヘリングは15歳のときにボクシングを始め、アマチュア時代には2012年ロンドン五輪に出場(ライト・ウェルター級初戦敗退)したほか全米選手権では優勝している。アマチュア戦績は92戦78勝14敗。この間、海兵隊員としてイラクにも2度派遣されたという。
 プロ転向は2012年12月で、すでに27歳になっていた。初陣から15連勝(8KO)を収めたが、2016年7月にはトップ15入りを狙ったデニス・シャフィコフ(ロシア)戦で相手の突貫ファイトの前に完敗(10回TKO負け)。再起戦を挟んで2017年8月には格下とみられたラダリウス・ミラー(アメリカ)にも判定で敗れた。このあとアル・ヘイモン・アドバイザーとの5年契約が切れたのを機に新たにトップランク社と契約。さらに従来のライト級からスーパー・フェザー級に階級を下げた。これらが吉と出て、ヘリングはUSBA米国王座を獲得して世界ランク入りを果たし、その勢いのまま伊藤にも勝って戴冠を果たした。初防衛戦ではレイモント・ローチ(アメリカ)に明白な差をつけて判定勝ち。V2戦ではジョナサン・オケンド(プエルトリコ)のラフファイトに手を焼く場面もあったものの相手の失格(バッティングの反則)によって王座を守った。さらに今年4月には3階級制覇を狙って挑んできたカール・フランプトン(英国)を圧倒、2度のダウンを奪ったすえ6回TKOで撃退した。ヘリングのベストファイトと言ってもいい完勝だった。戦績は25戦23勝(11KO)2敗。
 今回は自分よりもひと回り若いスティーブンソンが相手だが、ヘリングは自信を深めた状態でリングに上がるはずだ。

無限の可能性を秘めた24歳のスティーブンソン

 スティーブンソンは男7人、女2人の9人きょうだいで、5歳のときに祖父のウィリー・モーゼスとジムに行きボクシングを始めた。モーゼスは孫がプロになってからも指導を続けている。8歳で初試合に臨んだスティーブンソンは2016年リオデジャネイロ五輪バンタム級で銀メダルを獲得したほか2013年世界ジュニア選手権、2014年世界ユース選手権、同年ユース五輪では優勝している。アマチュア戦績についてスティーブンソン自身は「140試合ぐらいして負けたのは12度か13度」と話している。
 トップランク社とプロモート契約を交わして2017年4月にプロデビュー。以後、同社の看板選手――テレンス・クロフォード(アメリカ)、ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)――らの前座に出場して勝利を収め、2019年10月にはジョエト・ゴンザレス(アメリカ)に勝って空位のWBO世界フェザー級王座を獲得した。この王座は一度も防衛することなく返上し、2020年にはスーパー・フェザー級に転向。今年6月、ジェレミア・ナカティラ(ナミビア)を大差の判定で下してWBO暫定王座についた。
 戦績は16戦全勝(8KO)。相手をスピードとスキルで圧倒していながらリスクを冒さずにポイントを稼いで判定勝ちというパターンが目立つが、裏返せばまだまだ無限の可能性を秘めているともいえる。今回の試合でひと皮むける可能性があるだけに楽しみだ。

サウスポーとの相性が悪いヘリング 右ジャブの突き合いに注目

 2018年以降は右構えの選手を相手に7連勝(2KO)と好調なヘリングだが、一転して自分と同じサウスポーとの相性は良くない。プロ初黒星を喫したシャフィコフ戦では左構えの相手に距離を潰されて完敗しており、同じくサウスポーのミラーにも明白な差をつけられて敗れているのだ。身長178センチ、リーチ183センチの恵まれた体格を生かせない状況に持ち込まれると、途端にペースメイクに戸惑ってしまう傾向がある。一方、スティーブンソンは昨年12月のトカ・カーン・クラリー(リベリア/アメリカ)戦を見る限り、サウスポーに対する苦手意識はないようだ。
 サウスポーの技巧派対決となるだけに、まずは右ジャブの突き合いが序盤の注目ポイントになるだろう。スピードで勝るスティーブンソンが揺さぶりをかけながらテンポよくジャブを差し込むようだと試合は一方的になる可能性もある。ヘリングがよほど奮起しないと若い暫定王者を抑え込むことは難しいのではないだろうか。

<TALE OF THE TAPE> データ比較表

  • 名前

    ヘリング

    スティーブンソン

  • 生年月日/年齢

    1985年10月30日/35歳

    1997年6月28日/24歳

  • 出身地

    コラム
    (アメリカ ニューヨーク州)

    ニューアーク
    (アメリカ ニュージャージー州)

  • アマチュア実績

    2012年全米選手権優勝
    2012年ロンドン五輪出場
    (Lウェルター級初戦敗退)

    2013年世界ジュニア選手権フライ級優勝
    2014年世界ユース選手権フライ級優勝
    2014年ユース五輪フライ級優勝
    2016年リオデジャネイロ五輪バンタム級銀

  • アマチュア戦績

    92戦78勝14敗

    約140戦(12敗or13敗)

  • プロデビュー

    2012年12月

    2017年4月

  • 獲得世界王座

    WBO S・フェザー級

    WBO フェザー級
    WBO 暫定S・フェザー級

  • 戦績

    25戦23勝(11KO)2敗

    16戦全勝(8KO)

  • KO率

    44%

    50%

  • 身長/リーチ

    178センチ/183センチ

    170センチ/173センチ

  • 戦闘スタイル

    左ボクサー型

    左ボクサー型

  • ニックネーム

    「センパー・ファーイ」
    (常に忠誠を誓います)

    「フィアレス」
    (怖いもの知らず)

  • トレーナー

    マイク・スタフォード

    ウィリー・モーゼス

<スーパー・フェザー級トップ戦線の現状>

WBA
:ロジャー・グティエレス(ベネズエラ)
WBC
:オスカル・バルデス(メキシコ)
IBF
:空位
WBO
:ジャメル・ヘリング(アメリカ)
暫定
:シャクール・スティーブンソン(アメリカ)

 WBAのスーパー王座を持っていたジャーボンテイ・デービス(アメリカ)がベルトを放棄し、WBA暫定王座が廃止されたことで少々すっきりした印象だ。加えて今回、WBO団体内の王座統一戦が行われるため、さらに交通整理されることになる。この先、同じトップランク社がプロモートしているWBC王者のオスカル・バルデス(30=メキシコ)と、ジャメル・ヘリング(35=アメリカ)対シャクール・スティーブンソン(24=アメリカ)の勝者との統一戦実現まで期待したいものだ。
 WBA王者のロジャー・グティエレス(26=ベネズエラ)は今年1月にレネ・アルバラード(32=ニカラグア)に競り勝って戴冠。8月には12回判定で返り討ちにしたが、前暫定王者クリス・コルバート(25=アメリカ)との指名戦をクリアしないことには評価を定めることはできない。両者の対戦が実現すればコルバートが有利だろう。
 IBF王座は今年2月、ジョセフ・ディアス(28=アメリカ)が計量で失格したため空位になったままだが、3位の尾川堅一(33=帝拳)と2位のアジンガ・フジレ(25=南アフリカ共和国)が決定戦を行う予定だ。勝者が1位のシャフカッツ・ラヒモフ(27=タジキスタン/ロシア)の挑戦を受けることになる。
 このほかバルデスを追い詰めた2016年リオデジャネイロ五輪金メダリストのロブソン・コンセイサン(32=ブラジル)、強豪ミゲール・ローマン(メキシコ)を倒して評価を上げたオシャキー・フォスター(28=アメリカ)、17戦全勝(11KO)のザビエル・マルチネス(23=アメリカ)、日本でもお馴染みのジョー・ノイナイ(26=フィリピン)らにも注目したい。

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R-15指定に相当する場面があると思われるもの
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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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