WBC世界ライト・フライ級タイトルマッチ 寺地拳四朗対矢吹正道

  • 2021/09/17

技巧派のV8王者 vs KO率73%の挑戦者
スキルと経験か それとも強打か

 2017年5月にWBC世界ライト・フライ級王座を獲得後、4年4ヵ月の間に8度の防衛を重ねてきた高度安定王者の寺地拳四朗(29=BMB)が、出身地の京都にWBC1位の矢吹正道(29=緑 本名:佐藤政道)を迎えてV9戦に臨む。スキルと経験で勝る寺地が有利とみられているが、直前に新型コロナウィルスに感染するなど不安要素がないわけではない。73パーセントのKO率を誇る矢吹の強打が番狂わせを起こす可能性もある。

感染による12日間の延期 調整に影響は?

 もともと今回の試合は9月10日に京都で行われる予定だったが、8月下旬に新型コロナウィルスに感染していることが判明。そのため試合は延期され、9月6日になって22日に開催されることが発表された。この間、寺地はジムワークから離れた日が多かったはずで、「まったく影響はない」(寺地)とはいうもののコンディション調整が不安視されるところでもある。
 アマチュア(73戦57勝16敗)を経てプロに転向した寺地は初陣から3年足らず、10戦目で現在の王座を獲得し、比較的コンスタントに防衛を重ねてきた。2019年12月から今年4月まで1年4ヵ月のブランクができたが、これは自らの不祥事とコロナ禍が原因だった。復帰戦となったV8戦ではWBC1位の久田哲也(ハラダ)を倒すことはできなかったが、大差の判定で下している。
 防衛回数は8。これは具志堅用高(協栄)の13、山中慎介(帝拳)の12、内山高志(ワタナベ)の11、長谷川穂積(真正)の10、ユーリ・アルバチャコフ(協栄)の9に次ぎ徳山昌守(金沢)、亀田興毅(亀田)と並んで日本歴代6番目の記録となる。また、今回の試合に勝てば連続在位は日本歴代5位の具志堅(4年4ヵ月26日)を超えることは確実だ。

直近は5連勝(4KO) 上り調子の矢吹

 挑戦者の矢吹もアマチュアで21戦(16勝9KO5敗)を経験後、2016年3月にプロデビュー。以来、5年半に15戦して12勝(11KO)3敗の戦績を残している。この三つの敗北はいずれも著名選手が相手だ。最初の挫折は全日本新人王決定戦で中谷潤人(MT=現WBO世界フライ級王者)に4回判定負けしたもので、2018年4月の初8回戦ではユーリ阿久井政悟(倉敷守安=現日本フライ級王者)の右に反応が遅れ、連打を浴びて1回TKO負けを喫している。そして世界ランク入りをかけたダニエル・マテリョン(キューバ=のちのWBA暫定世界ライト・フライ級王者)戦では8回判定負けと、節目の試合を落としてきた。しかし、昨年7月、1回KO勝ちで空位の日本王座を獲得し、5ヵ月後には初防衛も果たしている。このほか2017年12月に寺地が2度目の防衛戦で4回TKOで下したヒルベルト・ペドロサ(パナマ)には、その半年後に対戦して2回KO勝ちを収めている。対戦相手の質や実機という点では寺地に大きく劣るものの2019年以降は5連勝(4KO)と勢いがあるだけに侮れない。

序盤の左ジャブの突き合いに注目

 左ジャブを軸にした前捌きが巧みで動きも多彩、かつパンチ力もある寺地に大きなアドバンテージがあることは間違いない。挑戦者の出端を叩き、早々から距離をコントロールするようなら一方的な展開になる可能性もある。もちろん、これは寺地のコンディションが良好であることを前提にした展望だ。
 V8王者を相手に矢吹が番狂わせを起こすとしたら、やはり強打が炸裂した場合だろう。こちらも長く伸びる左ジャブがあるだけに、それを有効につかって寺地の可動範囲を最小限に抑え込み、右ストレートや至近距離で死角から突き上げるアッパーでダメージを与えたいところだ。
 ともに左ジャブが攻撃の起点になるだけに、まずは序盤のリードパンチの突き合いに注目したい。

<ライト・フライ級トップ戦線の現状>

WBA S
:京口紘人(ワタナベ)
:エステバン・ベルムデス(メキシコ)
WBC
:寺地拳四朗(BMB)
IBF
:フェリックス・アルバラード(ニカラグア)
WBO
:エルウィン・ソト(メキシコ)

 4年4ヵ月の在位と8度の防衛を記録している寺地拳四朗(29=BMB)と、WBA王座を3度防衛中の2階級制覇王者、京口紘人(27=ワタナベ)、3年近い在位のIBF王者、フェリックス・アルバラード(32=ニカラグア)が3強といえる。2年前には寺地対アルバラードの統一戦が決まったもののIBF王者の体調不良によって実現しなかった経緯があるが、そのカードを含め王者同士の直接対決が見たいものだ。寺地対京口も興味深いカードといえる。
 WBO王者のエルウィン・ソト(24=メキシコ)は2年前にアンヘル・アコスタ(プエルトリコ)を12回逆転KOで破って戴冠。長期政権は難しいとみられたが、予想に反して3度の防衛を果たして3強を追っている。
 8月31日発表のWBAランキングから「暫定王者」が廃止されたため、そのベルトを持っていたダニエル・マテリョン(33=キューバ)が同団体1位にスライドした。豊富なアマチュア経験を持ちプロでは14戦12勝(6KO)2分と負け知らずだが、ややパワー不足か。
 パワーといえば、そのマテリョンと3年前に対戦して8回判定負けしている矢吹正道(29=緑)の名前を挙げなければなるまい。今回、寺地を破るようなことがあれば一気に京口やアルバラード、ソトらとの対戦候補として浮上してくる。
 今年5月、カルロス・カニサレス(28=ベネズエラ)に6回TKO勝ちしてWBA王座を獲得したエステバン・ベルムデス(25=メキシコ)は19戦14勝(10KO)3敗2分と、戦績が与えるインパクトは強くない。まだ評価を定める段階ではなさそうだ。



WBC米大陸フェザー級王座決定戦
カルロス・カストロ対オスカル・エスカンドン

26戦全勝の27歳 vs 元暫定世界2階級制覇王者
カストロが37歳のベテランを圧倒か


 スーパー・バンタム級でWBC2位、WBO5位、IBF5位にランクされるカルロス・カストロ(27=メキシコ)が、スーパー・バンタム級とフェザー級の2階級で暫定王座を獲得した実績を持つオスカル・エスカンドン(37=コロンビア)と対戦する。試合はWBC米大陸フェザー級王座決定戦として行われる。
 カストロはメキシコのソノラ州シウダード・オブレゴン出身だが、現在はアメリカのアリゾナ州フェニックスに住んでいる。26戦全勝(11KO)の戦績が示すようにパワーヒッターではなく、ガードを高く上げた構えから左ジャブを突いて相手をコントロールし、中近距離では左右のフックとアッパーで応戦するタイプといえる。強烈な印象を残すことは少ないが、安定感のあるバランスのとれたボクシングをする。昨年は世界挑戦経験者のヘスス・ルイス(メキシコ)とセサール・フアレス(メキシコ)を撃破して勢いを増している。
 対するエスカンドンはアマチュア時代に2004年アテネ五輪に出場した経験を持つ37歳のベテランで、13年のプロキャリアで31戦26勝(18KO)5敗の戦績を残している。身長156センチと小柄だが、リズムをとりながら接近戦を仕掛け、執拗な攻撃で追い回すファイター型だ。そのボクシングで2014年にWBA暫定世界スーパー・バンタム級王座、2016年3月にはWBC暫定世界フェザー級王座を獲得している。ただ、その後はゲイリー・ラッセル(アメリカ)とのWBC団体内王座統一戦で7回TKO負け。さらにトゥグッソト・ニャンバヤル(モンゴル)、ブランドン・フィゲロア(アメリカ=現WBC世界スーパー・バンタム級王者)にも3回KO、10回KOで敗れており、全盛期を過ぎた印象は否めない。一昨年12月に元暫定世界王者のジャック・テポラ(フィリピン)に1回KO勝ちを収めて再起したが、その後、再び1年半以上のブランクができてしまった。
 接近しないと自分の仕事ができないエスカンドンに対し、カストロは左ジャブを突きながら距離を保って戦うものと思われる。攻撃力のある相手だけにミスは許されないが、カストロが堅実なボクシングで加点し、そのうえでタイミングをみてペースアップを図るのではないだろうか。エスカンドンは直近の5試合で7度のダウンを喫するなど打たれ脆くなっているだけに、カストロが中盤から終盤に仕留める可能性が高そうだ。

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劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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