WBOグローバル、英連邦(決定戦)スーパー・ウェルター級タイトルマッチ ティム・チュー対スティーブ・スパーク

  • 2021/08/20

史上7組目の親子世界王者目指すチュー
KO率85%のスパーク相手に試運転

 スーパー・ウェルター級でWBO1位、WBCとIBFで3位にランクされるティム・チュー(26=オーストラリア)が、13戦12勝(11KO)1敗の戦績を残しているスティーブ・スパーク(24=オーストラリア)と対戦する。チューの持つWBOグローバル王座と空位の英連邦王座がかかった試合だが、チューにとっては近い将来の世界挑戦を見据えたテストマッチといった位置づけだろうか。ただ、WBCスーパー・ライト級34位に名を連ねるスパークは85パーセントのKO率を誇るだけに油断はできない。
 チューの父親はロシア出身で、1990年代から2000年代にかけて活躍した元世界スーパー・ライト級王者として知られる。現在はオーストラリアのシドニーに住んでいる。そのシドニーで生まれ育ったティム・チューは6歳でボクシングを始め、アマチュアを経て2016年12月に22歳でプロに転向した。複数の地域王座を獲得しながら世界ランキングを上げてきた。2年ほど前から強豪との対戦が増え、2020年8月には元世界王者のジェフ・ホーン(オーストラリア)を8回、その4ヵ月後には元世界ランカーのボーウィン・モーガン(ニュージーランド)を1回、今年3月には世界挑戦経験者のデニス・ホーガン(アイルランド)を5回、いずれもTKOで下している。戦績は18戦全勝(14KO)、78パーセントのKO率を誇る。
 父親と同じようにスタンスを広めにとり、左腕を前に突き出した構えで距離とタイミングを計り、右ストレート、右アッパー、左フックなどで攻め立てる。左のボディ打ち得意な攻撃パターンだ。父親の癖まで受け継いでいるのか、攻め込む際にガードが開き気味になる点は矯正の必要がありそうだ。
 一方、チューを上回るKO率を残しているスパークは、この試合に勝てば自分が世界王座への挑戦圏内に入るため高いモチベーションを持ってリングに上がるものと思われる。そもそも世界ランカーのマイケル・ゼラファ(オーストラリア)がコロナ禍のなかでのリスキーな移動を理由に、決まっていたチューとの試合を拒否。試合2週間前になってスパークが代役を買って出た経緯がある。大物食いに並々ならぬ意欲を持っているはずだ。
 スパークは2014年10月にプロデビューし、オーストラリアの国内王座やIBFユース王座などを獲得してきた。ただし、いずれもスーパー・ライト級での実績である。今年4月、来日経験もある元東洋太平洋王者のジャック・ブルーベイカー(オーストラリア)に8回判定勝ちを収めた際の66.5キロがキャリア最重量だ。今回はさらに3キロほど重いスーパー・ウェルター級での試合だけに、体格、体力、耐久力の面で大きなハンデを負うことは避けられない。
 左ジャブから伸びのある右ストレートに繋げるスタイリッシュなボクシングが持ち味のスパークだが、それだけでチューの圧力を抑え込むことは難しそうだ。じわじわとチューがプレッシャーをかけて相手の可動範囲を狭め、破壊力のある右ストレートから至近距離で連打をまとめる可能性が高い。

<親子世界王者>

①エスパダス父子(メキシコ)
グティ・エスパダス&
エスパダス・ジュニア
②スピンクス父子(アメリカ)
レオン・スピンクス&
コーリー・スピンクス
③バスケス父子(プエルトリコ)
ウィルフレド・バスケス&
バスケス・ジュニア
④アリ父娘(アメリカ)
モハメド・アリ&
レイラ・アリ
⑤チャベス父子(メキシコ)
フリオ・セサール・チャベス&
チャベス・ジュニア
⑥ユーバンク父子(イギリス)
クリス・ユーバンク&
ユーバンク・ジュニア

<スーパー・ウェルター級トップ戦線の現状>

WBA S
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
:エリスランディ・ララ(キューバ/アメリカ)
WBC
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
IBF
:ジャーメル・チャーロ(アメリカ)
WBO
:ブライアン・カスターニョ(アルゼンチン)


 7月にWBA、WBC、IBF3団体王者のジャーメル・チャーロ(31=アメリカ)とWBO王者のブライアン・カスターニョ(31=アルゼンチン)が統一戦を行ったが、三者三様のドローという結果に終わり、4団体統一はおあずけとなった。カスターニョの勝利を推す声が多いなか即再戦が理想的なのだが、そう簡単に話が進むかどうか。チャーロに対してはWBC1位のエリクソン・ルビン(25=アメリカ)、IBF1位のバフラム・ムラタザリエフ(28=ロシア)、WBA1位のイスラエル・マドリモフ(26=ウズベキスタン)らが対戦を迫ってくることが予想される。カスターニョに対してもティム・チュー(26=オーストラリア)陣営が圧力をかけてくるはずだ。
 もっともチューは今回のスティーブ・スパーク(24=オーストラリア)戦をクリアすることが前提だが。
 ただ、こうしたなか最も魅力的なカードがチャーロ対カスターニョⅡであることは多くのファン、関係者が認めるところであろう。できれば4団体統一を待ち、最強王者がルビン、ムラタザリエフ、マドリモフ、さらにチューらの挑戦を受けるという構図になってほしいものだ。身長197センチ、リーチ203センチのサウスポー、セバスチャン・フンドラ(23=アメリカ)は、そうした流れが一段落したタイミングでの挑戦を狙うことになるかもしれない。




WBOアジアパシフィック スーパー・フェザー級タイトルマッチ ジョー・ノイナイ対リアム・ウィルソン

来日経験もある「ジョー・ブレーカー」が9戦全勝のホープを迎え撃つ

 WBOアジアパシフィック スーパー・フェザー級王者でWBO5位、WBC10位、IBF15位のジョー・ノイナイ(24=フィリピン)が、WBC同級39位にランクされる9戦全勝(6KO)のホープ、リアム・ウィルソン(25=オーストラリア)の挑戦を受ける。
 ノイナイは4度の来日経験があり、2017年2月の初戦では阿部麗也(KG大和)に8回判定負けを喫したものの、2年後には大阪で坂晃典(仲里)を2回TKOで下して現王座を獲得。2ヵ月半後には再び大阪のリングに上がり、8戦全KO勝ちだった東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(大橋)から2度のダウンを奪い、かつ両目の眼窩底骨折を負わせて6回TKO勝ちを収めた。その勢いのまま5ヵ月後には尾川堅一(帝拳)とも対戦。ただ、このときは5回負傷引き分けに終わっている。今回はその尾川戦以来、1年7ヵ月ぶりのリングとなる。サウスポーのノイナイは22戦18勝(7KO)2敗2分の戦績だが、その数字以上にパワーが感じられる。フェイントを交えながら伸びる左ストレートで飛び込み、チャンスには一気に連打を叩きつける好戦的なタイプだ。
 ウィルソンは2018年6月にプロデビューし、3戦目にはオーストラリアのスーパー・フェザー級王座を獲得した。初陣からわずか5ヵ月後のことだった。2019年12月にはジェフ・ホーン対マイケル・ゼラファ(ともにオーストラリア)の前座でIBFユース王座を獲得している。176センチの長身を生かして左ジャブを飛ばし、遠い距離から右ストレートを打ち込む正統派だ。まだ正確な力量を測る相手との対戦がなく、今回が危険なテストマッチとなる。
 スピードで勝るウィルソンは左ジャブを効果的につかって打っては離れ、離れては打つというパターンの繰り返しを狙うものと思われる。ただ、ノイナイの変則的な動きとパワフルな左、チャンス時の連打を長丁場にわたってかわし続けるのは難しいはず。中盤あたりにノイナイが捕まえる可能性が高い。

WBOインターナショナル スーパー・ライト級タイトルマッチ アーノルド・バルボサ対アントニオ・モラン

上位ランカーのバルボサは存在感示す好機
モランは右ストレートに活路

 最近の2年間に元世界王者、元世界ランカー、世界挑戦経験者らを連破して勢いを増しているスーパー・ライト級のWBOインターナショナル王者、アーノルド・バルボサ(29=アメリカ)が、WBAの中米ウェルター級、スーパー・ライト級2階級制覇を果たしているアントニオ・モラン(28=メキシコ)の挑戦を受ける。
 バルボサは中間距離の戦いをキープしながらワンツーと左フックを上下に打ち分けるボクサーファイター型で、2013年6月のプロデビューから8年、25戦全勝(10KO)と挫折を知らない。すでにWBOで3位、WBCでも5位にランクされており、近い将来の世界挑戦が視界に入ってきている。ただ、戦力はバランスよく整っているものの一方的な展開でも仕留めきれずに勝負が判定まで持ち越されるケースが目立つのも事実だ。大舞台に繋げるためにも、このあたりで印象的なKO勝ちが望まれる。
 モランは178センチの長身から踏み込んで右ストレートを狙ってくるボクサーファイター型で、なかなか好戦的な面もある。地域王座は獲得してきたが、元世界王者のホセ・ペドラサ(プエルトリコ)に10回判定負け、のちに世界王者になるデビン・ヘイニー(アメリカ)には痛烈な7回KO負けを喫するなどトップ選手の壁を破ることはできていない。
 ともにミドルレンジでの戦いを得意としているだけに、その距離でのパンチの交換が予想される。スピードやコンビネーションの種類、創造性で勝るバルボサに分があることは間違いない。モランは右ストレートに活路を求めることになりそうだ。バルボサが序盤からポイントを重ねるものと思われるが、中盤から終盤にかけて大きなヤマをつくれるかどうか。

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劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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