WBA世界ヘビー級暫定王座決定戦 ボグダン・ディヌ対ダニエル・デュボア

  • 2021/07/23

ルーマニア出身の34歳 vs 23歳の「ダイナマイト」
再起戦のデュボアが強打で圧倒か

 身長196センチ、体重118キロのボグダン・ディヌ(34=ルーマニア)と、身長196センチ、体重108キロのダニエル・デュボア(23=イギリス)がWBA世界ヘビー級暫定王座決定戦で拳を交える。
 ランキングはWBA4位のディヌが上だが、総合力では10位のデュボアが勝る。前戦で初黒星を喫したうえ眼窩底骨折という挫折を味わったデュボアの心身の傷が癒えていれば、豪快なKO勝ちが期待できる。
 ディヌはアマチュアを経て2008年4月にブカレスト(ルーマニア)でプロデビューし、13年間に22戦して20勝(16KO)2敗の戦績を残している。しばらくはルーマニアとカナダを主戦場にしていたが、18連勝(14KO)を記録してWBA15傑入りを果たしたのを機に勝負に出た。アメリカでWBA2位のジャレル・ミラー(アメリカ)、世界挑戦経験者のクブラト・プーレフ(ブルガリア)と対戦したのだ。しかし、2試合とも2度のダウンを喫して4回KO、7回KOで敗れた。その後はブルガリアで2度のTKO勝ちを収めている。地域王座の獲得や世界的な強豪に勝った実績がないまま今年2月~4月にはWBA2位までランクアップしたが、現在は4位に落ち着いている。それでもサービスし過ぎの印象は拭えない。
 上体を起こした構えから足をつかいつつ左ジャブ、打ち下ろしの右ストレートを狙うオーソドックスなスタイルで、右は破壊力がありそうだ。反面、ディフェンスは甘く、打たれ脆い。勝てばルーマニア出身者としてはミハエル・ロエベ(WBOウェルター級)、レナード・ドーリン(WBAライト級)、ルシアン・ビュテ(IBFスーパー・ミドル級)、アドリアン・ディアコヌ(WBCライト・ヘビー級)に次いで5人目の世界王者となるが、簡単ではなさそうだ。
 デュボアは16戦15勝(14KO)1敗の戦績が示すとおりの強打者で、近い将来の世界王者候補として期待されている。2017年4月のプロデビューから4年、WBO欧州王座、WBOグローバル王座、英国王座、英連邦王座、WBOインターナショナル王座、WBCシルバー王座などを獲得。一時はWBO2位までランクを上げたが、昨年11月、ジョー・ジョイス(イギリス)に10回KO負けを喫して急停止を強いられた。ポイントでリードしながら10回に自ら膝をついて敗北を受け入れた姿に辛辣な声もあがったが、のちに眼窩底骨折だったことが判明。逆に賢明な判断だったとデュボアの決断を推す声もあがったものだ。ただ、16戦目での初の挫折により評価が停滞したのは事実で、現にランキングはWBA10位を残すだけとなっている。
 「ダイナマイト」というニックネームを持つことから、「DDD(トリプルD=Daniel Dynamite Dubois)」とも呼ばれるデュボアは正統派のスラッガーで、左ジャブから繋げる右ストレートを得意としている。ジョイスに敗れはしたものの素質に恵まれていることは間違いない。動き全体にスピードとスムーズさが加われば、将来は大きく開けるはずだ。
 ディヌの右には十分な注意が必要だが、これまでの対戦相手の質や経験値に加え総合的な戦力でも大きく上回っているデュボアが圧倒的に有利といえる。再起戦ということでスタートは慎重になるかもしれないが、徐々にデュボアがプレッシャーをかける展開に持ち込むものと思われる。左ジャブが機能して相手をコントロールできれば得意の右ストレートを打ち込む距離とタイミングが掴めるはずだ。

<ヘビー級トップ戦線の現状>

WBA S
:アンソニー・ジョシュア(イギリス)
:トレバー・ブライアン(アメリカ)
 ※ボグダン・ディヌ対ダニエル・デュボア
休養
:マームド・チャー(レバノン/シリア)
WBC
:タイソン・フューリー(イギリス)
暫定
:ディリアン・ホワイト(ジャマイカ/イギリス)
IBF
:アンソニー・ジョシュア(イギリス)
WBO
:アンソニー・ジョシュア(イギリス)

 この夏、ヘビー級トップ戦線は大きな注目を集めている。ひとつは7月24日(日本時間25日)のタイソン・フューリー(32=イギリス)対デオンテイ・ワイルダー(35=アメリカ)のWBCタイトルマッチだったが、この試合は10月9日に延期となった。フューリー自身とチームのメンバーが新型コロナウィルスに感染したためだ。両者は過去にタイトルをかけて2度対戦し、初戦は2度のダウンを奪ったワイルダーが土壇場で追いついて12回引き分けに持ち込み、再戦は逆に2度のダウンを奪ったフューリーが7回TKO勝ちを収めタイトルを獲得している。第3戦は3対1でフューリー有利のオッズが出ているが、この試合の結果によって最重量級トップ戦線の勢力図は大きく変わる可能性がある。
 その2週間前、9月25日(日本時間26日)には3本のベルトを持つアンソニー・ジョシュア(31=イギリス)が、WBO1位のオレクサンダー・ウシク(34=ウクライナ)の挑戦を受ける予定だ。体格やパンチ力で勝るジョシュアが有利と見られてはいるが、「重量級のワシル・ロマチェンコ」とも称される技巧派サウスポーのウシクの自在な動きに空回りさせられる可能性もある。
 ビジネス上はジョシュア対フューリーのイギリス人同士の頂上決戦を軸に動いているが、実現させるためには両王者が次戦をクリアしなければならない。ワイルダーとウシクが割って入る可能性も決して低くはない。
 こうしたなか行われるボグダン・ディヌ(34=ルーマニア)対ダニエル・デュボア(23=イギリス)のWBA暫定王座決定戦にも注目したい。特に圧倒的有利とみられているデュボアがベルトを獲得した場合、近い将来に大きなイベントに絡んでくる可能性が出てくる。勢いを取り戻したタイミングで、昨年11月に10回TKOで敗れたジョー・ジョイス(35=イギリス)との再戦も面白そうだ。

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