WBA世界スーパー・ライト級タイトルマッチ マリオ・バリオス対ジャーボンテイ・デービス

  • 2021/06/25

3階級制覇狙うデービスが26戦全勝の王者に挑戦
身長で12cm リーチで9cmの体格差を克服できるか

 スーパー・フェザー級で3度の王座獲得に加えライト級でも戴冠を果たし、現在はその両階級でWBAから世界王者として認定を受けているジャーボンテイ・デービス(26=アメリカ)が、3階級制覇を狙ってマリオ・バリオス(26=アメリカ)の持つWBA世界スーパー・ライト級王座に挑む。前戦ではスーパー・フェザー級の体重で戦っているデービスにとっては一気に4.5キロアップの“飛び級冒険マッチ”となる。加えて、このままデービスが2王座を保持した状態でバリオスに挑むことになった場合、勝てばヘンリー・アームストロング(アメリカ)、サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)に続き史上3人目の3階級王座同時保持ということになる。

体重を増減させてきたデービス 最大の敵は自分?

 立場上はバリオスが王者でデービスが挑戦者ということになるが、実績や知名度、注目度などで大きく勝るデービスが今回の試合の主役であることは誰もが認めるところであろう。
 5歳でボクシングを始めたデービスは、17歳のときに全米ゴールデングローブ大会で優勝するなど早くから特別な存在だった。220戦205勝15敗のアマチュア戦績を残し、2013年2月に18歳でプロに転向。当時はフェザー級だったが、やがて主戦場をライト級に移したが、2017年にはスーパー・フェザー級に下げてIBF王座を獲得した。しかし、2度目の防衛戦を前に体重超過のため計量で失格。それでも次戦でWBA王座決定戦に出場する幸運に恵まれ、3回TKO勝ちで返り咲きを果たした。この王座を2度防衛したあと再びライト級に転向し、ユリオルキス・ガンボア(キューバ)との決定戦を12回TKOで制して2階級制覇を成し遂げた。そして昨年10月、スーパー・フェザー級のWBAスーパー王者、レオ・サンタ・クルス(メキシコ)と互いの王座をかける変則タイトルマッチを行い6回KO勝ち。この結果、デービスはスーパー・フェザー級とライト級の2階級の王座を保持する身となった。
 身長166センチ、リーチ171センチとライト級でも小柄な部類に入るデービスはサウスポーの攻撃型で、鋭く踏み込みながら多彩なパンチを上下に打ち分ける。8ヵ月前のサンタ・クルス戦では強烈な左アッパー一発で相手の意識を断ち切っている。その才能とパフォーマンス、さらにフロイド・メイウェザー傘下という話題性と背景も含め、とっくにスーパースターの仲間入りを果たしていても不思議ではないが、そこまでの存在にはなり得ていない。体重超過だけでなく社会規範を外れる言動が目立つことなどがマイナス要因になっているようだ。

戴冠試合で大苦戦しながら経験値を上げたバリオス

 そんなデービスの挑戦を受けるバリオスは6歳のときに母親に連れられてボクシングジムに行き、2歳上の姉セリナと一緒にグローブを手にしたといわれる。ちなみに、そのセリナものちにプロボクサーになっている。2013年11月にプロデビューしたバリオスは3年後、世界挑戦の経験を持つデビス・ボスキエロ(イタリア)との世界ランカー対決で12回判定勝ちを収め、一気にスーパー・フェザー級のIBF2位に浮上。その後、140ポンド(約63.5キロ=スーパー・ライト級)前後の体重でリングに上がることが増え、2018年にはウェルター級のWBAインターコンチネンタル王座を獲得している。そして2年前、サウスポーのバティル・アフメドフ(ウズベキスタン/ロシア)に勝って現在の王座についた。このアフメドフ戦は4回にダウンを奪って快勝ペースだったが、中盤から失速。猛反撃を受けるなか最終回に再びダウンを奪って逃げきっている。厳しい戦いだったが、同時にバリオスの経験値を上げた一戦でもある。
 バリオスは身長178センチ、リーチ180センチと恵まれた体格の右ボクサーファイター型で、KO率は65パーセントと比較的高い。両ガードを高めに置いた構えで、自ら攻めるときは右ストレートや左フックの上下打ち分けを得意としている。その一方、相手が入ってくるところに合わせるアッパー系のパンチもタイムリーで強い。

オッズは10対3でデービス有利だが…

 小柄なデービスが立ち位置を変えながらプレッシャーをかけ、機を見て飛び込むものと思われる。バリオスは慎重に構えながら自ら攻めたり迎え撃ったりと臨機応変な戦いをイメージしているはず。デービスは体格面のハンデがあるため序盤は慎重な姿勢を崩せないのではないだろうか。バリオスも挑戦者のスピードとパンチ力を警戒して思い切った手には出られない可能性が高い。おそらく序盤は自重しながら探り合いに時間を費やし、中盤あたりから互いにペースアップして手の内を明かしていくことになりそうだ。
 オッズは10対3でデービス有利と出ているが、その数字ほど簡単な試合にはならないような気がする。長身のバリオスが相手ということで、デービスはいつもよりも10センチほど深く踏み込む必要が出てくるはず。バリオスはそれを想定して迎撃策を練っていることだろう。デービスが多彩な攻撃で攻め落としてしまう可能性が50パーセント、バリオスが巧みに迎え撃ってポイントを重ねるか体格の利を生かして押しつぶしてしまう可能性が25パーセント、接戦になる可能性が25パーセントと予想する。

ジャーボンテイ・デービスの体重と獲得王座の変遷

2013年2月
:フェザー級でプロデビュー
2013年10月~
 スーパー・フェザー級
2015年5月~
 ライト級
2017年1月
:ホセ・ペドラサに7回TKO勝ち、IBF世界スーパー・フェザー級王座獲得(V2戦を前の計量で体重超過のため失格、王座を失う)
2018年4月
:ヘスス・クェジャルに3回TKO勝ち、WBA世界スーパー・フェザー級王座獲得
2019年12月
:ユリオルキス・ガンボアに12回TKO勝ち、空位のWBA世界ライト級王座獲得
2020年10月
:スーパー・フェザー級の体重で2階級同時世界戦に臨み、WBAスーパー・フェザー級スーパー王者のレオ・サンタ・クルスに6回KO勝ち
※24戦して最軽量がデビュー戦の125ポンド(約56.7キロ)、最重量が135.5ポンド(約61.4キロ)

<スーパー・ライト級トップ戦線の現状>

WBA S
:ジョシュ・テイラー(イギリス)
:マリオ・バリオス(アメリカ)
暫定
:アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)
WBC
:ジョシュ・テイラー(イギリス)
IBF
:ジョシュ・テイラー(イギリス)
WBO
:ジョシュ・テイラー(イギリス)

 5月22日に行われた4団体の王座統一戦でジョシュ・テイラー(30=イギリス)がホセ・ラミレス(28=アメリカ)に12回判定勝ち、4本のベルトを収集することに成功した。現時点でのスーパー・ライト級トップがテイラーであることに異論を挟む余地はないだろう。ただ、2度のダウンがありながらジャッジのスコアが三者とも114対112と2ポイント差だったように、接戦だったことも事実だ。全勝の王者対決にふさわしい激闘だっただけにリマッチを期待するファンは多い。遠からず再戦という流れになる可能性は高いものと思われる。
 実績で見るかぎり、このふたりに続くのは前WBA王者のレジス・プログレイス(32=アメリカ)であろう。2年前、相手国で行われた「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」決勝でテイラーに惜敗したが、再起後は2連続TKO勝ちを収めている。現在はWBA6位、WBC3位、IBF7位、WBO4位にランクされている。
 WBAレギュラー王者のマリオ・バリオス(26=アメリカ)は、まだ評価を定める段階に来ていない。戴冠試合のバティル・アフメドフ(30=ウズベキスタン)戦では中盤以降にペースダウンしたが、最終回に値千金のダウンを奪って逃げきった。この勝負強さと65パーセントのKO率はなかなか魅力的だ。今回、3階級制覇を狙って転級してくるジャーボンテイ・デービス(26=アメリカ)を下すようなことがあると評価と存在価値は急上昇するものと思われる。逆にデービスが圧倒的な強さを見せつけて戴冠を果たすようならば、テイラー、ラミレス、プログレイスらもうかうかしていられなくなるだろう。
 3度目の世界挑戦を狙うホセ・セペダ(32=アメリカ)、25戦全勝(10KO)のアーノルド・バルボサ(28=アメリカ)、体力と強打が売りのスブリエル・マティアス(25=プエルトリコ)、トップ戦線に割り込むにはもう少し時間がかかるかもしれないが、五輪戦士のアントゥアン・ラッセル(25=アメリカ)にも注目したい。

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