WBA、WBC世界スーパー・フライ級王座統一戦 ローマン・ゴンサレス対ファン・フランシスコ・エストラーダ

  • 2021/05/28

8年前から2階級アップ リマッチは王座統一戦
オッズは11対8でエストラーダ有利

 スーパー・フライ級のWBAスーパー王者、ローマン・ゴンサレス(33=ニカラグア/帝拳)と、WBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(30=メキシコ)が互いの王座をかけて拳を交える。このふたりはゴンサレスがWBAライト・フライ級王者だった2012年11月にアメリカのカリフォルニア州ロサンゼルスで対戦。25歳のゴンサレスが116対112(二者)、118対110の3-0の判定勝ちを収め、5度目の防衛に成功している。当時22歳だったエストラーダはフライ級がベスト体重だったが、「あのときはチャンスが巡ってきたので体重を落として挑戦した。適正体重で戦えば負けない」と雪辱と王座統一に意気込みをみせている。その自信を裏づけるようにオッズは11対8でWBC王者有利と出ている。
 ゴンサレスは2008年にミニマム級(21歳)、2010年にライト・フライ級(23歳)、2014年(27歳)にフライ級、そして2016年にスーパー・フライ級(29歳)と奇しくも偶数年に世界王座を獲得してきた。返り咲きとなった現在の王座も2020年に32歳で手にしたものだ。ピークはフライ級時代で、当時は「パウンド・フォー・パウンド」の現役トップの評価もあったほどだった。スーパー・フライ級に上げてからはシーサケット・ソールンビサイ(34=タイ)に連敗するなど体格のハンデと激闘からくる経年疲労が指摘されるようになった。膝の故障も手術を要したほどだが、それでも昨年2月には全勝のカリド・ヤファイ(31=イギリス)を圧倒、9回TKOで屠って現在の王座を獲得し、いまなお高い総合力を備えていることを証明している。16年のプロ生活で52回リングに上がり50勝(41KO)2敗の戦績を残している。軽量級では驚異的ともいえる79パーセントのKO率を誇る。
 3歳若いエストラーダはゴンサレスより3年遅れてプロデビューし、2013年4月にブライアン・ビロリア(フィリピン/アメリカ)を破ってフライ級のWBAスーパー王座とWBO王座を同時に獲得した。ゴンサレスとの初戦で敗れてから4ヵ月半後のことだった。この王座はミラン・メリンド(フィリピン)、ジョバンニ・セグラ(メキシコ)、エルナン・マルケス(メキシコ)ら元あるいはのちの世界王者たちを相手に5度防衛。その後、拳の負傷や減量苦もあって王座を返上してスーパー・フライ級に転向した。一度はシーサケットに惜敗したが、2019年の再戦では競り勝って2階級制覇を果たしている。昨年10月には元王者のカルロス・クアドラス(32=メキシコ)を11回TKOで下して2度目の防衛に成功した。ただ、その試合では3回にダウンを喫するなど隙も見せている。体力を生かしたエネルギッシュな攻撃が売りのボクサーファイターで、戦績は44戦41勝(28KO)3敗。
 初戦から8年以上が経過し、その間にふたりとも挫折を味わったが、不屈の闘志と経験を生かしてトップの座に返り咲いている。それでも両者を比較した場合、エストラーダの方がこの階級によりフィットしているといえるかもしれない。
 ともに攻撃型で相手の手の内を熟知しているだけに、偵察を省いて序盤から激しいパンチの応酬が予想される。スピードではエストラーダ、パンチ力ではゴンサレスがわずかに上回ると思われるが、ともにディフェンス技術にも長けており、また一定以上の耐久力も備えているため一方的な展開になることは考えにくい。ポイントの振り分けが難しいラウンドが続く可能性が高い。

ゴンサレス&エストラーダの足跡

  ゴンサレス エストラーダ
05年 プロデビュー(18歳)  
06年    
07年    
08年 ★WBAミニマム級王座獲得 防① プロデビュー(18歳)
09年 防② 防③  
10年 防③ ★WBA Lフライ級王座獲得  
11年 防① 防② 防③  
12年 防④⇒返上     ゴンサレス対エストラーダ 防⑤
13年 フライ級転向 ★WBA、WBOフライ級王座獲得 防①
14年 ★WBCフライ級王座獲得 防① 防② 防③
15年 防② 防③ 防④ 防⑤⇒返上
16年 防④⇒返上 ★WBC Sフライ級王座獲得 Sフライ級転向
17年 WBC Sフライ級王座失う/奪回失敗  
18年   WBC Sフライ級王座挑戦(判定負け)
19年   ★WBC Sフライ級王座獲得 防①
20年 ★WBA Sフライ級王座獲得 防① 防②
21年 ゴンサレス対エストラーダⅡ

スーパー・フライ級トップ戦線の現状

WBA S
:ローマン・ゴンサレス(ニカラグア/帝拳)
:ジョシュア・フランコ(アメリカ)
WBC
:ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
IBF
:ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
WBO
:井岡一翔(Ambition)

 このクラスには4階級制覇の実績を持つ選手が3人もいる。WBAスーパー王者のローマン・ゴンサレス(33=ニカラグア/帝拳)、WBO王者の井岡一翔(Ambition)、そして4月に2年4ヵ月ぶりに戦線復帰したドニー・ニエテス(39=フィリピン)である。それを見ただけでも、この階級がいかに充実しているかが分かるだろう。
 今後、ニエテスがトップ戦線にどう絡んでくるかは分からないが、現状ではゴンサレス、井岡、WBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(30=メキシコ)、IBF王座を9度防衛中のジェルウィン・アンカハス(29=フィリピン)、そして現在は無冠だが、かつてゴンサレスに2勝、エストラーダと1勝1敗と星を分けているシーサケット・ソールンビサイ(34=タイ)の5人が横一線の状態といえる。
 こうしたなか行われる今回のゴンサレス対エストラーダの統一戦は、スーパー・フライ級ウォーズの開幕戦といってもいいだろう。この試合の勝者に対してWBCはシーサケットとの対戦を義務づけているため、遠くない将来、この三者間の勝ち抜き者が決まるものと思われる。一方で井岡とアンカハスの直接対決が実現すれば準決勝の意味を持つことになるが、ここは順調にビジネスが進展することを祈るしかないだろう。
 “5強”以外では、WBAレギュラー王者のジョシュア・フランコ(25=アメリカ)、そのフランコに王座を追われ、再戦では不本意な2回無判定試合に終わったアンドリュー・マロニー(30=オーストラリア)がいる。また、シーサケットに勝ったこともあるカルロス・クアドラス(32=メキシコ)もWBCでは上位に残っている。さらにニエテス、そして4階級制覇を狙う田中恒成(25=畑中)もベルトを腰に巻く力はある。



WBC世界ライト級暫定王座決定戦

ライアン・ガルシア対ルーク・キャンベル

KO率85%の若武者 vs 五輪金メダリスト
22歳の勢いと強打か 33歳のサウスポーの技巧か

 アメリカの西海岸を中心に高い注目度と人気を集めているライジングスター、ライアン・ガルシア(22=アメリカ)が、WBCのライト級暫定王座決定戦のリングに上がる。相手は2012年ロンドン五輪バンタム級金メダリスト、ルーク・キャンベル(33=イギリス)。22歳の昇り竜と33歳の元アマチュア・エリートという組み合わせだ。
 ガルシアはアマチュアで230戦(215勝15敗)を経験後、2016年6月に17歳でプロの世界に飛び込んだ。サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)対フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ)やミゲール・ベルチェルト(メキシコ)対三浦隆司(帝拳)、ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)対デビッド・レミュー(カナダ)など大きなイベントの前座に出て派手なKO勝ちを収めて注目度を上げる一方、雑な面も指摘されてきた。しかし、最近は名匠エディ・レイノソ・トレーナーの指導を仰いできた効果か、パンチを当てるタイミングや仕掛けが増えてきた印象だ。攻撃の際にアゴが上がる点は矯正すべきだが、まだその欠点を突いてきた相手は皆無といえる。20戦全勝(17KO)と高いKO率が示すとおりのスラッガーで、抜群のタイミングで放たれる左フックや右ストレートは戦慄を感じさせるほどだ。インスタグラムで情報発信するなど自己アピールも巧みで、加えて甘いマスクということもあって女性ファンも多い。
 対するキャンベルは2009年の世界選手権は1回戦でレイ・バルガス(メキシコ)に勝ったものの2回戦で敗退したが、2011年の同大会ではバンタム級で準優勝している。
 そして翌2012年の自国開催の五輪では表彰台の最上段でメダルを首にかけてもらった。プロ転向は2013年7月で、13戦目に不覚をとった以外は順調に白星を並べて世界トップ戦線に参入。2017年9月、ホルヘ・リナレス(帝拳)の持つWBA世界ライト級王座に挑戦する機会を得たが、接戦に持ち込んだものの2回に喫したダウンが響いて判定で敗れた。一昨年8月、今度はワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)に挑戦したが、11回にダウンを喫して判定負けという結果に終わった。この金メダリスト対決は内容的には完敗だったが、ボディブローでロマチェンコをたじろがせる場面もつくるなど意地も見せている。
 キャンベルはサウスポーのボクサーファイター型で、戦力的には過不足なく揃っているといえるが飛び抜けたものがないのも事実だ。3度目のチャンスを生かせないとあとがなくなるだけに、勝利に対する執念は並々ならぬものがあるものと思われる。
 キャンベルの強い思いはともかく、勢いに加え爆発力という点で勝るガルシアに分のあるカードといえる。22歳の若武者がプレッシャーをかけながらタイミングよく右ストレート、あるいは左フックを打ち抜いてキャンベルをキャンバスに沈めてしまうのではないだろうか。不安があるとすればプロでサウスポーのトップ選手との対戦が少ない点だろうか。距離やタイミングをつかむのに時間がかかるようだとキャンベルの左を直撃される可能性もある。

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劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの