WBC世界スーパー・ミドル級挑戦者決定戦
デビッド・ベナビデス対ロナルド・エリス

  • 2021/03/19

24歳の前王者 vs 強豪連破の31歳
兄弟ボクサー同士がサバイバル戦

 スーパー・ミドル級で2度の戴冠を果たし、現在はWBC1位、WBA2位にランクされているデビッド・ベナビデス(24=アメリカ)が、WBC同級8位のロナルド・エリス(31=アメリカ)と挑戦者決定戦で拳を交える。勝者が次なる大舞台へ、敗者はトップ戦線から後退という試合だ。
 ベナビデスは250ポンド(約113キロ)あった体重を落とすために父親の勧めでボクシングを始めたという。13歳のころのことだ。以来、4歳上の兄でのちにWBA暫定世界スーパー・ライト級王者になるホセ・ベナビデスとともに父親ホセ・ベナビデス・シニアの指導を受けてきた。アマチュア経験は15戦(全勝)と少ないベナビデスだが、2013年8月に16歳でプロデビューしてからはトップランク社の後押しもあって比較的コンスタントにリングに上がってきた。2017年9月にはロナルド・ガブリル(ルーマニア)に競り勝って20歳の若さでWBC王座を獲得。5ヵ月後の再戦で返り討ちにしたときは長期政権も予想されたが、のちにドーピング検査で陽性反応が出たため休養王者に格下げさせられた。1年のブランク後に復帰し、一昨年9月にはアンソニー・ディレル(アメリカ)を9回TKOで屠って返り咲きを果たした。ところが、今度はコロナ禍のなか初防衛戦を前に体重オーバーで失格。試合には勝ったもののベルトを剥奪されてしまった。23戦全勝(20KO)と完璧な戦績を残してはいるものの前出の失敗のほかトップランク社と決別するなど、この3年ほどは足踏みしている印象が強い。
 一方のエリスは2019年12月、WBC11位のイマヌエル・アリーム(アメリカ)に2対0の10回判定勝ちを収めてトップ戦線に割り込んできた。昨年12月には元トップアマで世界挑戦経験者のマット・コロボフ(ロシア/アメリカ)にも4回終了TKO勝ちを収めた。それまで優勢だったコロボフが足首を痛めて棄権するという棚ぼた式の勝利ではあったが、エリスに運の強さと勢いがあったことは事実だ。
 ただ、それ以前のエリスは大事なところで勝ちきれない選手でもあった。2018年2月のUSBA全米スーパー・ミドル級王座決定戦では10回引き分け。一昨年2月のWBC米大陸およびNABA米国スーパー・ミドル級王座決定戦では僅差の判定負けに終わっているのだ。強豪を連破したことでひと皮むけているかどうか試される試合でもある。
 ちなみに、このエリスも兄弟ボクサーで、23戦全勝(14KO)の戦績を誇る4歳下の弟ラシディ・エリスはウェルター級でWBA5位、IBF10位、WBC16位にランクされている。また6歳下の妹ラシダ・エリスは全米選手権で優勝するなどトップアマとして活躍している。
 体格と攻撃力で大きく勝るベナビデスが圧倒的に有利であることは間違いない。187センチの長身からサンドバッグを叩くかのような自信満々の攻撃を仕掛けるベナビデスが序盤でペースを握るようならば決着は早いだろう。身長179センチのエリスは脇を絞った構えからチョップ気味に左右のパンチを振ることが多いが、これをカウンターで当てないと苦しい。ベナビデスのKO勝ちが濃厚だが、ディフェンスの甘さを突かれて苦戦する可能性もある。

スーパー・ミドル級トップ戦線の現状

WBA S
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBA
:デビッド・モレル(キューバ)
WBC
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
IBF
:ケイレブ・プラント(アメリカ)
WBO
:ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)

 全階級通じて最も高い評価を得ているサウル・カネロ・アルバレス(30=メキシコ)が不動の主役といっていい。昨年12月に27戦全勝(19KO)のWBAスーパー王者、カラム・スミス(30=イギリス)に圧勝したことで、このクラスにも敵なしを強く印象づけている。2ヵ月という短いスパンで行ったWBCの指名防衛戦ではアブニ・イリディルム(29=トルコ)を一蹴。次は5月に予定されるWBO王者、ビリー・ジョー・サンダース(31=イギリス)との3団体統一戦が注目される。サンダースは30戦全勝(14KO)とパワーに欠けるだけにアルバレス有利は動かないが、サウスポーの技巧派という点が気になるところだ。アルバレスは防御の甘い攻撃型のサウスポーのジェームス・カークランド(アメリカ)には豪快な3回KO勝ちを収めているものの、「技巧派サウスポー」を相手にした試合では噛み合わせの甘さが目立つ。スーパー・ウェルター級時代のオースティン・トラウト(アメリカ)戦、判定が2対1に割れたエリスランディ・ララ(キューバ/アメリカ)戦が典型例だ。「キャリアを積んだので、あのころの自分とは違う」とアルバレスは自身の成長をアピールするが、サンダースに思わぬ苦戦を強いられる可能性もありそうだ。
 サンダース戦をクリアした場合、9月にはIBF王者のケイレブ・プラント(28=アメリカ)との4団体統一戦が視野に入っていると伝えられる。プラントは21戦全勝(12KO)と決してKO率が高いわけではないが、潜在能力は高いものがある。見応えのある攻防が展開されるのではないだろうか。このあともアルバレスの動向から目が離せない。
 アルバレスがそうだったように、このクラスにはミドル級から上がってきた実力者もいる。ダニエル・ジェイコブス(34=アメリカ)、デビッド・レミュー(32=カナダ)の元王者組だ。特にジェイコブスはミドル級時代にアルバレスと互角に近い戦い(小差の12回判定負け)をみせているだけにもうひと暴れを期待したところだが、転級後は精彩を欠く内容の試合もあり、多くを望むのは酷かもしれない。同じことはレミューにもいえる。
 若手では、すでにWBA王座に座っているデビッド・モレル(23=キューバ)と、WBC王座を2度獲得した実績を持つデビッド・ベナビデス(24=アメリカ)の実力が抜き出ている。アマチュア時代から目立っていたサウスポー、モレルはプロでは実績らしい実績もないまま3戦目で暫定王座を獲得。初防衛戦前には計量で体重オーバーという失敗をしたものの、ベルトを剥奪されるどころか試合後には正王者に昇格という幸運の持ち主でもある。WBA庇護のもと、どこまで行けるか。ベナビデスは攻撃偏重の傾向がある点は気になるが、23戦全勝(20KO)のパワーは魅力だ。
 先物買いとなるが、16戦すべて1ラウンドKO勝ちのエドガー・ベルランガ(23=アメリカ)の存在も不気味になってきた。記録も気になるところだが、このまま強打と勢いを保って総合力を上げていった場合は上位陣にとっても脅威になりそうだ。

WBA世界ライト級挑戦者決定戦
イサック・クルス対ホセ・マティアス・ロメロ

評価急上昇中の22歳 vs 24戦全勝の24歳
パワーで勝るクルスが8対1で有利

 WBA世界ライト級4位にランクされるイサック・クルス(22=メキシコ)と、6位に名を連ねるホセ・マティアス・ロメロ(24=アルゼンチン)が挑戦者決定戦で拳を交える。リスクを承知で攻め込むファイター型のクルスと、長丁場の戦いに自信を持つロメロ。
なかなか興味深い組み合わせだ。
 クルスは祖父、父がプロボクサーだったという環境の影響か7歳でボクシングを始め、16歳でプロデビューする前に85戦(73勝50KO)のアマチュア経験を持っている。プロ転向後は6年間に22戦して20勝(15KO)1敗1分の戦績を残している。唯一の敗北はデビューから1年足らずの試合で喫したものだ(8回判定負け)。20歳になったあたりから強豪とのカードが組まれるようになり、世界挑戦経験者のホセ・フェリックス(メキシコ)を3回TKO、WBO12位のトーマス・マティセ(アメリカ)を10回判定で破って世界ランク入り。自身がIBF6位に進出していた昨年10月には、2度の世界挑戦経験を持つIBF9位のディエゴ・マグダレノ(アメリカ)と対戦し、わずか53秒で古豪を撃沈。この試合はジャーボンテイ・デービス(アメリカ)対レオ・サンタ・クルス(メキシコ)の前座だったこともあり、衝撃的なKO勝ちを収めたクルスは多くの関係者やファンに知られるところとなった。
 ロメロは自国アルゼンチンや隣国ウルグアイを中心に活動している技巧派で、スーパー・フェザー級のWBC暫定中南米王座やIBF中南米王座、アルゼンチン王座、南米暫定王座などを獲得してきた実績を持つ。戦績は24戦全勝(8KO)。今回がアメリカのリング初登場となる。
 ライト級では小柄(164センチ)なクルスが積極的に距離を潰しにかかり、それをマティアスがいなしながら折々で迎撃するという展開になりそうだ。クルスの強打が早いラウンドで命中するようだとマグダレノ戦に続く圧勝が予想される。一方、ロメロは足と左ジャブでクルスの射程を外して接戦に持ち込みたいところ。10ラウンドをフルに戦った経験が1度だけのクルスに対しロメロは7度と長丁場の戦いに慣れている。競った状態で持久戦になった場合は8対1のオッズがひっくり返る可能性もありそうだ。

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