WBOインターコンチネンタル ライト級王座決定戦
中谷正義対フェリックス・ベルデホ

  • 2020/12/04

ロペス戦以来17ヵ月ぶりに再起の中谷
相手は「スター候補」のベルデホ

 東洋太平洋ライト級王座を11度防衛した実績を持つWBO世界同級14位の中谷正義(31)が、上位再進出をかけてIBF5位、WBO12位、WBC14位のフェリックス・ベルデホ(27=プエルトリコ)と対戦する。昨年7月、アメリカのメリーランド州オクソンヒルで行われたIBF挑戦者決定戦でテオフィモ・ロペス(23=アメリカ)に判定負けを喫している中谷にとっては1年5ヵ月ぶりの再起戦でもある。「スター候補」といわれて久しいベルデホを中谷が下せば、4団体の統一王者になったロペスと世界戦の舞台で再戦するプランが持ち上がるかもしれない。

判定負けのロペス戦で評価された中谷

 中谷はアマチュアを経て2011年6月にプロ転向を果たし、2年半後に7戦目で東洋太平洋ライト級王座を獲得。この王座はロペス戦後に返上するまで11度(7KO)の防衛をマークした。アジアおよびオセアニア圏でのV11はみごとだが、本当の意味で中谷が世界レベルであると認められたのは先のロペス戦であろう。当時13戦全勝(11KO)のロペスは痛烈なKO勝ちを続けるセンセーショナルなホープとして注目されていた存在で、中谷戦のオッズは11対1と出ていたほどだ。しかも中谷にとっては初のアメリカのリングだった。しかし、中谷は身長182センチ、リーチ180センチの恵まれた体から速い左ジャブと破壊力のある右ストレートを放ってロペスを苦しめ、最後まで勝利への執念をみせた。採点は118対110(二者)、119対109と大差がついたが、これは僅少差のラウンドが重なっての結果であり、接戦の印象を抱いた人も少なくなかったはずだ。
これが中谷にとって19戦目にして初の敗北(18勝12KO1敗)だった。
 その2ヵ月後、中谷は「1度でも負けたらやめるつもりだった」と引退したが、このほど翻意してカムバックすることになった。ロペスが中谷戦の5ヵ月後にIBF王座を獲得し、この10月にはワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)を破って4団体王者になったことも刺激になっているものと思われる。

ロンドン五輪にも出場した「カリブのダイヤモンド」

 「ディアマンテ(ダイヤモンド)」というニックネームを持つベルデホは2012年ロンドン五輪ライト級8強の実績を持つ逸材で、大手プロモート会社トップランク社と契約してプロに転向した。整った顔立ちや華やかさなど当時からスターの雰囲気が漂う存在だったが、ケガや事故で時間を無駄遣いしたすえ2018年3月には格下とみられたアントニオ・ロサダ(メキシコ)に10回TKO負け、急停止を強いられた。身長183センチのロサダの戦い方は中谷にとって大きなヒントになりそうだ。
 24戦目で初の敗北を喫したベルデホだが、8ヵ月後に再起して順調に4つの勝利を並べている。直近の試合は今年7月で、今回と同じ通称「ザ・バブル」のリングに上がり18戦無敗のウィル・マデラ(29=アメリカ)に豪快な1回TKO勝ちを収めている。戦績は28戦27勝(17KO)1敗。無観客試合を経験していることに加え、中谷が活動休止中に2戦している点はベルデホのアドバンテージといえよう。

左ジャブで相手のリズムと距離感を遮断したい中谷

 日本サイドとは逆に、知名度の違いから海外では「世界王者候補のベルデホが、ロペスを苦しめた中谷を相手にどんな戦いを見せるのか」といった見方がなされるものと思われるが、試合が始まれば中谷が主役になる可能性は十分にある。特にロペス戦でも機能した左ジャブが勝負のカギになりそうだ。左右に動きながら左右フックで飛び込み、至近距離ではアッパーも多用するベルデホだが、攻防ともに雑な面がある。中谷としては左ジャブでベルデホの出端を叩き、相手のリズムも距離感も遮断してしまいたい。そのうえで右ストレートを打ち込むというのが理想的な展開だ。そのためにはロペス戦のように序盤からハイペースで飛ばす必要がある。相手は無冠ながらビッグネームともいえる存在だが、中谷が万全のコンディションでリングに上がることができればロペス戦以上の結果を出すことができるはずだ。

ライト級トップ戦線の現状

WBA S
:テオフィモ・ロペス(アメリカ)
WBA
:ジャーボンテイ・デービス(アメリカ)
WBA 暫定
:ローランド・ロメロ(アメリカ)
WBC F
:テオフィモ・ロペス(アメリカ)
WBC
:デビン・ヘイニー(アメリカ)
IBF
:テオフィモ・ロペス(アメリカ)
WBO
:テオフィモ・ロペス(アメリカ)

 ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)を破って4団体の王座を統一したテオフィモ・ロペス(23=アメリカ)が16戦全勝(12KO)、スーパー・フェザー級と合わせて2階級のWBA王座に君臨するジャーボンテイ・デービス(26=アメリカ)が24戦全勝(23KO)、WBC王者のデビン・ヘイニー(22=アメリカ)が25戦全勝(15KO)、WBA暫定王者のローランド・ロメロ(25=アメリカ)が12戦全勝(10KO)と、タイトル保持者全員が全勝という充実した階級だ。しかも4王者とも20代と若い。11月に26歳になったばかりのデービスが最年少だ。
 実績をもとに現時点での実力を測るとなるとロペス、デービス、ヘイニー、ロメロという順になるだろうか。前王者のロマチェンコはロペスとデービスと同列になりそうだ。ロペス戦は不十分なコンディションで戦った結果という見方もあるロマチェンコだが、このクラスでは体格のハンデがある。今後、若く勢いのあるライバルたちが襲い掛かってくることを考えると厳しい道が待っていそうだ。
 王者級の実力をなると、3階級制覇の実績を持つホルヘ・リナレス(35=帝拳)、3階級制覇を狙うWBC1位のハビエル・フォルトゥナ(31=ドミニカ共和国)、そして20戦全勝(17KO)のライアン・ガルシア(22=アメリカ)、そのガルシアとWBC暫定王座決定戦を行う予定のルーク・キャンベル(33=イギリス)らの名前を挙げることができる。相手国で元王者のリー・セルビー(33=イギリス)に競り勝ってIBFの指名挑戦権を獲得したジョージ・カンボソス(27=フィリピン 17戦全勝10KO)も総合力と経験値を上げてきている。

スーパー・フェザー級10回戦
シャクール・スティーブンソン対トカ・カーン・クラリー

中量級スター候補の転級第2戦
ライバルたちにアピールすることができるか

 昨年10月に獲得したWBO世界フェザー級王座を防衛することなく返上し、主戦場をスーパー・フェザー級に移したシャクール・スティーブンソン(23=アメリカ)が、トカ・カーン・クラリー(28=リベリア/アメリカ)を相手に転級第2戦を行う。
 スティーブンソンは2016年リオデジャネイロ五輪バンタム級で銀メダルを獲得後にプロ転向し、ここまで14戦全勝(8KO)を収めている。身長、リーチとも173センチだが、その体格以上に懐深いボクシングをするサウスポーで、スピードとテクニックは一級品に近づきつつある。まだ観衆を魅入らせるまでには至らないが、経験を積むことで強い光を放つようになるのではないだろうか。幸いスティーブンソンがプロモート契約を交わしているトップランク社はWBC王者のミゲール・ベルチェルト(メキシコ)、WBC1位のオスカル・バルデス(メキシコ)、WBO王者のジャメル・ヘリング(アメリカ)らを擁しており、対戦候補となるライバルは多い。現在、スティーブンソンはWBOで1位、WBCで2位にランクされており、このままいけば来年には2階級制覇のチャンスが訪れるはずだ。
 クラリーは西アフリカのリベリアで生まれたが、6歳のときにアメリカのペンシルベニア州フィラデルフィアに移住した。しかし、その年に父親が射殺されてしまうと不幸な事件に遭遇。身寄りのなくなったクラリーは、その後、ロードアイランド州プロビデンスでジムを開いているピーター・マンフレド氏と知り合いボクシングを始めた。アマチュアで130戦119勝11敗の戦績を残し、2012年6月にプロデビュー。この8年半で31戦28勝(19KO)2敗1無効試合という戦績を収めている。2年前にはIBF世界フェザー級挑戦者決定戦に出場したが、キッド・ギャラード(イギリス)に判定負けを喫している。もうひとつの敗北は1回に右フック一発で倒されたもので、耐久力に不安を抱えている。クラリーも勘のいいサウスポーの好選手だが、スティーブンソンと比較すると攻防両面で物足りなさを感じる。
 サウスポー同士のカードだが、スピードに勝り距離のコントロールも巧みなスティーブンが断然有利といえる。クラリーが出てこなければ右ジャブで牽制しておいて左ストレートを打ち込む。相手が出てくれば動きながらカウンターで迎え撃つことになりそうだ。中量級のスター候補にとっては、ベルチェルト、バルデス、ヘリング、そしてファンや関係者にアピールする内容が求められる試合といえる。

もっと見る

閉じる

My番組登録とは?

My番組登録で見逃し防止!

見たい番組、気になる番組をあらかじめ登録。
放送時間前のリマインドメールで番組をうっかり見逃すことがありません。

利用するには?

WEBアカウントをご登録のうえ、ログインしてご利用ください。

WEBアカウントをお持ちでない方
WEBアカウントを登録する
WEBアカウントをお持ちの方
ログインする
閉じる

番組で使用されているアイコンについて

初回放送
新番組
最終回
生放送
アップコンバートではない4K番組
4K-HDR番組
二カ国語版放送
吹替版放送
字幕版放送
字幕放送
ノンスクランブル(無料放送)
  
5.1chサラウンド放送
5.1chサラウンド放送(副音声含む)
オンデマンドでの同時配信
オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの