ヘビー級スペシャルマッチ
マイク・タイソン対ロイ・ジョーンズ

  • 2020/11/20

「鉄人」 vs 「天才」
レジェンド同士による夢の対決

 1980年代後半から2000年代前半にかけてボクシング界のみならず世界のスポーツシーンの主役のひとりだった元WBA、WBC、IBF世界ヘビー級王者のマイク・タイソンと、ほぼ同じ時代にヘビー級を含む4階級制覇を成し遂げたロイ・ジョーンズが2分×8ラウンドのスペシャルマッチを行う。ヘッドギアの着用なし、12オンスのグローブ使用、2分×8ラウンドのエキジビションマッチのため結果が公式記録として記載されることはないが、54歳のタイソン、51歳のジョーンズとも勝利に強いこだわりをみせている。
 当初、このイベントは9月12日に行われる予定だったが、主催者が「もっと大きな規模で開催するために時間が必要」との考えで2ヵ月半、延期された経緯がある。その結果、より注目度はアップした。オッズは15対8でタイソン有利と出ている。あとはベストのコンディションをつくってリングに上がるだけだ。

20歳4ヵ月でヘビー級王者になったタイソン

 タイソンは1985年から2005年まで20年のプロキャリアで58戦50勝(44KO)6敗2無効試合の戦績を残した。身長178センチ、リーチ180センチ、全盛期の体重は98キロ前後と最重量級にしては小柄だったが、身長190センチ、体重100キロ超の大男たちと臆することなく対峙。その尋常ならざる殺傷本能を感じてか相手は試合前から委縮してしまうほどだった。タイソンは試合開始のゴングと同時に果敢に攻めて出るファイター型で、スピードとパワーは抜きん出ていた。総試合数の約半分に相当する33試合で3ラウンド以内のKO勝ちを記録している点も興味深いデータといえる。初めてWBC王座を獲得したときの年齢は20歳4ヵ月で、これはヘビー級史上最年少記録でもある。そのときの戦績は28戦全勝(26KO)だった。タイソンは「最年長記録もつくる」と豪語していたが、それが現実離れした宣言には聞こえないほど当時は際立って強かった。
 そんなタイソンだが、内なる敵の侵略を防ぐことができずに20代半ばで錆び始め、1990年2月に東京ドームでジェームス・ダグラス(アメリカ)に10回KO負け。トラブルで社会と隔離された時期を過ごしたあと30歳直前に王座返り咲きを果たしたが、イベンダー・ホリフィールド(アメリカ)に連敗。再戦時の“耳噛み事件”によってライセンスを没収され再び空白時期をつくったが、これも克服してリング復帰を果たした。しかし、2002年にWBC、IBF王者のレノックス・ルイス(イギリス)に8回KOで敗れ、3年後にははるか格下のケビン・マクブライド(アイルランド)に試合放棄ともとれる6回終了TKO負け。それを最後に引退した。その後、エキジビションマッチに出場したことはあるが、今回のように注目されるリングはマクブライド戦以来、約15年半ぶりとなる。

ヘビー級を含む4階級制覇のジョーンズ

 ジョーンズは1988年のソウル五輪ライト・ミドル級決勝で「史上稀にみる醜い地元判定」で敗れ悲運の銀メダルに終わったあと、翌年5月にプロ転向を果たした。アマチュア戦績は134戦121勝13敗。4年後、バーナード・ホプキンス(アメリカ)に勝って空位のIBF世界ミドル級王座を獲得し、1994年11月にはスーパー・ミドル級でも戴冠を果たした。その2年後にはライト・ヘビー級でも世界制覇を成し遂げ、以後の6年間は無敵状態を誇った。「パウンド・フォー・パウンド」の最強に推されることもあったほどだ。2003年3月にはジョン・ルイス(アメリカ)の持つWBA世界ヘビー級王座に挑戦する冒険を企て、スピードとスキルでふた回り大きい相手を圧倒、12回判定勝ちで最重量級制覇も果たした。ミドル級の世界王座を獲得した選手がヘビー級も制したのは100年以上遡ってボブ・フィッシモンズ(イギリス=1897年に達成)の例があるだけだ。
 このヘビー級王座はすぐに返上してライト・ヘビー級に戻ったが、体重の増減によって微妙なズレが生じたのか、2004年5月にアントニオ・ターバー(アメリカ)にショッキングな2回TKO負けを喫してWBAとWBC王座を手放した。4ヵ月後の再起戦ではIBF王者のグレン・ジョンソン(ジャマイカ)にも痛烈な9回KO負けを喫した。30代半ばを迎えていたジョーンズには引退を勧める声もあったようだが、現役を続行。40歳を過ぎてから無残なKO負けを喫することもあったが、2018年2月まで戦い続けた。足かけ30年のプロ生活で残した戦績は75戦66勝(47KO)9敗。タイソン同様、記録にも記憶にも残るレジェンドだ。

圧力をかけるタイソン 迎え撃つジョーンズ

 展開予想はあくまでも両選手の全盛期をベースにしたものとなるが、タイソンが圧力をかけジョーンズが左右に動きながら迎え撃つ機会をうかがうことになりそうだ。
身長180センチ、リーチ188センチのジョーンズは数字上は体格でタイソンを上回るが、体そのもののフレームでは劣る。そのうえ耐久力に課題を抱えていたことを考えると、早い段階でタイソンのパンチがヒットするようだと早期決着があるかもしれない。一方、ジョーンズは2年9ヵ月前まで現役だったアドバンテージを生かし、適度な距離を保って戦いたいところだ。
 期待どおりの戦いになるのか否かは蓋を開けてみないと分からないが、ふたりの偉大なレジェンドがリングで対峙するだけでも一見の価値はあるといえよう。

タイソン対ジョーンズ レジェンド対決の概要

★日時: 11月28日(日本時間29日)
★会場: ステープルズ・センター
(アメリカ カリフォルニア州ロサンゼルス)
★イベント形式: 2分×8ラウンドのスペシャルマッチ
★使用グローブ: 12オンス(ヘッドギアなし)
★オッズ: 15対8でタイソン有利
★PPV: 49ドル99セント

※いくつかの変更点と追加情報
日時  9月12日 ⇒ 11月28日(日本時間29日)
会場  カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツパーク ⇒ ステープルズ・センター
形式  3分×8ラウンド ⇒ 2分×8ラウンド
オッズ 5対3 ⇒ 15対8(タイソン有利)
※WBCが「BLACK LIVES MATTER」スペシャル・ベルト贈呈
※ジャッジの採点はないが、WBCが選ぶ元王者3人がリモート採点

マイク・タイソン 世界戦 全戦績

                       
■1986年
11月22日 トレバー・バービック
(WBC世界ヘビー級王座獲得 20歳4ヵ月)
〇2回TKO
■1987年
3月7日 ジェームス・スミス
(WBA世界ヘビー級王座獲得 2団体統一)
〇12回判定 防衛1
5月30日 ピンクロン・トーマス 〇6回TKO 防衛2
8月1日 トニー・タッカー
(IBF世界ヘビー級王座獲得)
〇12回判定 防衛3
10月16日 タイレル・ビッグス 〇7回TKO 防衛4
■1988年
1月22日 ラリー・ホームズ 〇4回TKO 防衛5
3月21日 トニー・タッブス 〇2回TKO 防衛6
6月27日 マイケル・スピンクス 〇1回KO 防衛7
■1989年
2月25日 フランク・ブルーノ 〇5回TKO 防衛8
7月21日 カール・ウィリアムス 〇1回TKO 防衛9
■1990年
2月11日 ジェームス・ダグラス
(WBA、WBC、IBF世界ヘビー級王座失う)
●10回KO
■1996年
3月16日 フランク・ブルーノ
(WBC世界ヘビー級王座再獲得 のちに返上)
〇3回TKO
9月7日 ブルース・セルドン
(WBA世界ヘビー級王座獲得)
〇1回TKO
11月9日 イベンダー・ホリフィールド
(WBA世界ヘビー級王座失う)
●11回TKO
■1997年
6月28日 イベンダー・ホリフィールド
(WBA世界ヘビー級王座挑戦)
●3回反則
■2002年
6月8日 レノックス・ルイス
(WBC、IBF世界ヘビー級王座挑戦)
●8回KO

――世界戦の戦績 16戦12勝(10KO)4敗――

ロイ・ジョーンズ 世界戦 全戦績

     
■1993年
5月22日 バーナード・ホプキンス
(IBF世界ミドル級王座獲得)
〇12回判定
■1994年
5月27日 トーマス・テート 〇2回TKO 防衛1
11月18日 ジェームス・トニー
(IBF世界スーパー・ミドル級王座獲得)
〇12回判定
■1995年
3月18日 アントワーヌ・バード 〇1回TKO 防衛1
6月24日 ビニー・パジエンザ 〇6回TKO 防衛2
9月30日 トニー・ソーントン 〇3回TKO 防衛3
■1996年
6月15日 エリック・ルーカス 〇11回終了TKO 防衛4
10月4日 ブライアント・ブラノン 〇2回TKO 防衛5
11月22日 マイク・マッカラム
(WBC暫定世界ライト・ヘビー級王座獲得 のちに正王者昇格)
〇12回判定
■1997年
3月21日 モンテル・グリフィン
(WBC世界ライト・ヘビー級王座失う)
●9回反則
8月7日 モンテル・グリフィン
(WBC世界ライト・ヘビー級王座奪回)
〇1回KO
■1998年
7月18日 ルー・デル・バーレ
(WBA世界ライト・ヘビー級王座獲得 2団体王座統一)
〇12回判定 防衛1
11月14日 オーティス・グラント 〇10回TKO 防衛2
■1999年
1月9日 リチャード・フレージャー 〇2回TKO 防衛3
6月5日 レジー・ジョンソン
(IBF世界ライト・ヘビー級王座獲得 3団体王座統一)
〇12回判定 防衛4
■2000年
1月15日 デビッド・テレスコ 〇12回判定 防衛5
5月13日 リチャード・ホール 〇11回TKO 防衛6
9月9日 エリック・ハーディング 〇10回終了TKO 防衛7
■2001年
2月24日 デリック・ハーモン 〇10回終了TKO 防衛8
7月28日 フリオ・セサール・ゴンサレス 〇12回判定 防衛9
■2002年
2月2日 グレン・ケリー 〇7回KO 防衛10
9月7日 クリントン・ウッズ 〇6回TKO 防衛11
■2003年
3月1日 ジョン・ルイス
(WBA世界ヘビー級王座獲得)
〇12回判定
11月8日 アントニオ・ターバー 〇12回判定 防衛12
■2004年
5月15日 アントニオ・ターバー
(WBA、WBC、IBF世界ライト・ヘビー級王座失う)
●2回TKO
9月25日 グレン・ジョンソン
(IBF世界ライト・ヘビー級王座挑戦)
●9回KO
     

――世界戦の戦績 26戦23勝(14KO)3敗――

TALE OF THE TAPE 両選手のデータ比較表

  • 名前

    マイク・タイソン

    ロイ・ジョーンズ

  • 生年月日/年齢

    1966年6月30日/54歳

    1969年1月16日/51歳

  • 出身地

    米国ニューヨーク州ブルックリン

    米国フロリダ州ペンサコーラ

  • アマチュア実績

    84年全米GG大会H級優勝

    86年全米GG大会LW級優勝
    87年全米GG大会LM級優勝
    88年ソウル五輪LM級銀メダル

  • アマチュア戦績

    54戦48勝(38KO)6敗

    134戦121勝13敗

  • プロデビュー

    85年3月(18歳)

    89年5月(20歳)

  • 獲得世界王座

    WBA、WBC、IBF世界ヘビー級王座

    IBF世界ミドル級王座
    IBF世界Sミドル級王座
    WBA、WBC、IBF
    世界Lヘビー級王座
    WBA世界ヘビー級王座

  • 身長/リーチ

    178センチ/180センチ

    180センチ/188センチ

  • 体重(最終試合時)

    105.68キロ

    90.26キロ

  • プロ戦績

    58戦50勝(44KO)6敗
    2無効試合

    75戦66勝(47KO)9敗

  • KO率

    76%

    63%

  • 世界戦の戦績

    16戦12勝(10KO)4敗

    26戦23勝(14KO)3敗

  • ラストファイト

    05年6月
    ※15年5ヵ月ぶりのリング

    18年2月
    ※2年9ヵ月ぶりのリング

  • 戦闘スタイル

    右ファイター型

    右ボクサーファイター型

  • ニックネーム

    アイアン(鉄人)

    ジーニアス(天才)

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2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの