WBO世界フェザー級王座決定戦
エマヌエル・ナバレッテ対ルーベン・ビラ

  • 2020/11/13

2階級制覇に王手のナバレッテ
技巧派サウスポーを攻略か

 この7月にWBO世界フェザー級王座をシャクール・スティーブンソン(23=アメリカ)が返上してスーパー・フェザー級に転向。タイミングを合わせるようにエマヌエル・ナバレッテ(25=メキシコ)もスーパー・バンタム級王座を返上してフェザー級に階級を上げた。これを受けWBOは5度の防衛実績を持つナバレッテをフェザー級で1位にランクし、王座決定戦出場の最優先権を与えた。当初は2位のジェシー・マグダレノ(28=アメリカ)がナバレッテと対戦する計画だったが、条件に難色を示して辞退。この試合はトップランク社が25万ドル(約2625万円)で興行権を落札したが、ナバレッテ=60パーセント(15万ドル≒1575万円)、マグダレノ=40パーセント(10万ドル≒1050万円)という分配比率に不満があったと伝えられる。そのため3位にランクされていたルーベン・ビラ(23=アメリカ)が2位に上がってナバレッテと対戦することになった経緯がある。
 ナバレッテはコロナ禍の前までは井上尚弥(大橋)の近未来の対戦候補のひとりとしてリストアップされていた連打型の強打者だ。世界的な注目を集めるようになったのは2018年12月にアイザック・ドグボエ(ガーナ/イギリス)を破ってWBO世界スーパー・バンタム級王者になって以降だが、その試合と5度の防衛を含めて8年間に28連勝(24KO)中と勢いがある。ボクシングそのものは荒っぽさが目立つものの突破口を見つけたら一気に波状攻撃を仕掛ける積極性があり、スタミナも旺盛だ。10ヵ月の短期間に5度の防衛を果たしたこともあり「戦うチャンピオン」と言われる。戦績は33戦32勝(28KO)1敗。85パーセント近いKO率を誇る。
 ビラは18戦全勝(5KO)をマークしているが、ナバレッテと比較すると数字でのアピールには欠けるといわざるを得ない。しかし、アマチュア時代には17歳以下の全米ジュニア選手権や19歳以下の全米ユース選手権を制し、2015年には全米ゴールデングローブ大会でも優勝している。五輪予選では2位に甘んじて補欠にまわった。
アマチュア戦績は133戦116勝17敗と伝えられる。プロ転向は2016年7月で、昨年5月にはWBO10位にランクされていたルイス・アルベルト・ロペス(メキシコ)に勝ってWBOインターナショナル王座を獲得している。
 このところ6試合続けて明確な差をつけながらKOを逃していることでも分かるように、ビラはパワーを売りにする選手ではない。
立ち位置を変えつつ左構えから右ジャブを放ち、相手が打ってきたらパンチを外し、そして打つ。これを繰り返すタイプだ。危険性は低いものの、相手にとっては捕まえにくくてストレスの溜まりやすい選手といえる。
 こうして見てくると力量差のあるカードかと思われがちだが、オッズは11対4と出ている。もちろんナバレッテ有利なのだが、数字は思ったよりも接近している。6月の無冠戦でフェザー級の試運転が済んでいるとはいえ、転級によってナバレッテにマイナスの影響が出る可能性を危惧してのことなのかもしれない。さらにはビラが戦いにくいサウスポーの技巧派という点も考慮されているのかもしれない。
 これまでのようにナバレッテが馬力を生かして回転の速い連打で押し切ってしまうのか、それともビラが的を絞らせずに前王者を空回りさせるのか。力と技の興味深い対決だ。

※2020年6月20日にメキシコシティで行われたナバレッテ対ウリエル・ロペス(メキシコ)の試合は、コロナ禍のため管轄コミッションが管理していなかったとして「ノーコンテスト(無効試合)」のと報じているケースもあるが、エキサイトマッチでは「ナバレッテの6回TKO勝ち」として扱っている

フェザー級トップ戦線の現状

WBA S
:レオ・サンタ・クルス(メキシコ)
WBA
:シュー・ツァン(中国)
WBC
:ゲイリー・ラッセル(アメリカ)
IBF
:ジョシュ・ウォーリントン(イギリス)
WBO
:空位

 レオ・サンタ・クルス(32=メキシコ)がWBAスーパー王者として名を連ねているが、ジャーボンテイ・デービス(26=アメリカ)に痛烈な6回KO負けを喫したいま、再びフェザー級に戻ってくることは考えにくい。サンタ・クルスを除けばWBC王者のゲイリー・ラッセル(32=アメリカ)がフェザー級の主役といっていいだろう。
ただ、そのラッセルも2015年3月の戴冠から5年半以上が経つのに防衛回数は5回と少ない。1年に1回リングに上がる「七夕王者」と化した印象だ。実力を備えたサウスポーだが、故障が多いのが惜しまれる。
 体力、スタミナ、手数で勝ち進んでいるWBA王者のシュー・ツァン(26=中国)、同じイギリスのリー・セルビー、カール・フランプトン、キッド・ギャラードに競り勝っているIBF王者のジョシュ・ウォーリントン(29=イギリス)のふたりには、ランカー陣との力量差は感じられない。いつ、誰との試合で王座交代が起こったとしても不思議ではない。階級を上げたフランプトンとセルビーはともかく、IBF1位で再戦を待つギャラード(29)は最も世界王座に近いひとりといえよう。
 今回、エマヌエル・ナバレッテ(25=メキシコ)とのWBO王座決定戦を見送ったジェシー・マグダレノ(28=アメリカ)、ラッセルに敗れているトゥグッソト・ニャンバヤル(28=モンゴル)にもチャンスは巡ってきそうだ。2012年ロンドン五輪フライ級銅メダリストのマイケル・コンラン(28=イギリス/アイルランド)は人気先行の印象だったが、これだけの混戦状態となると抜け出す可能性も出てきた。日本勢にもチャンスがありそうだ。

IBF世界クルーザー級タイトルマッチ
ユニエル・ドルティコス対マイリス・ブリーディス

KO率88%の王者 vs 3度目の戴冠を狙う元王者
オッズは7対4 ブリーディスに地の利

 2018年秋に開幕した階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」シーズン2のクルーザー級決勝戦。本来ならば昨年秋に実施されているはずだったが、ビジネス上の問題にコロナ禍も加わり開催が延び延びになっていた。間延びしながらも井上尚弥(大橋)が優勝したバンタム級、ジョシュ・テイラー(イギリス)が制したスーパー・ライト級に続いてクルーザー級も決勝戦が行われることに安堵している関係者、ファンは少なくないはずだ。
 ユニエル・ドルティコス(34=キューバ)は25戦24勝(22KO)1敗の戦績が示すとおりのハードパンチャーで、2016年5月に最初の戴冠を果たしている。このWBA王座は第1回WBSSの準決勝でIBF王者のムラト・ガシエフ(ロシア)と壮絶な打撃戦を繰り広げたすえ最終12回TKOで敗れて失った。その後、第2回WBSSにも参戦して準決勝で現在の王座を獲得、今回の試合が初防衛戦になる。
 挑戦者のマイリス・ブリーディス(35=ラトビア)もこの階級の元王者で、こちらは2度の戴冠実績がある。最初はWBC王座への君臨で在位は2017年4月から2018年1月。第1回WBSS準決勝でオレクサンデル・ウシク(ウクライナ)に小差の判定で敗れベルトを手放した。ドルティコス同様、ブリーディスも第2回WBSSにエントリーし、準決勝となるクリストフ・グロワッキ(ポーランド)戦で3回TKO勝ちを収めてWBO王座を獲得。しかし、反則行為やレフェリーの不適切な対応など多くの問題があったため再戦を命じられた。このあとブリーディス陣営はWBOの指令に反してドルティコスとのWBSS決勝戦に出場することを選択したため王座を剥奪されている。いわばベルトと引き換えにドルティコス戦を選んだわけで、この試合でWBSS優勝とIBF王座獲得を狙う。
 ともに打ち合いを好むタイプだが、パンチの破壊力という点では右ストレートという切り札を持つドルティコスが上回る。しかし、地の利を含めた総合力ではわずかにブリーディスが勝ると思われる。
ドルティコスが右の強打をチラつかせながら圧力をかけ、ブリーディスが隙を突いて攻めるという展開になりそうだ。オッズは7対4でブリーディス有利と出ている。

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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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