WBA、IBF世界スーパー・ライト級タイトルマッチ
ジョシュ・テイラー対アピヌン・コーンソーン

  • 2020/10/19

16戦全勝同士の強打者対決
総合力で勝るテイラーが圧倒的有利

 スーパー・ライト級のWBAスーパー王座とIBF王座の2冠を保持しているジョシュ・テイラー(29=イギリス)が、IBF1位の指名挑戦者アピヌン・コーンソーン(24=タイ)を自国に迎えて 防衛戦に臨む。戦績はともに16戦全勝で、KOの数はテイラーが12、コーンソーンが13。KO率では挑戦者(約81%)が王者(75%)を上回っているが、対戦相手の質や試合内容に加え、総合的な戦力にも大きな差が感じられる。充実のテイラーがKOでベルトを守る可能性が高そうだ。
 テイラーは2012年ロンドン五輪に出場するなどアマチュアで150戦以上(勝敗数は不明)を経験している。五輪ではライト級2回戦敗退だったが、その前年に開催されたテスト・イベントではジャメル・ヘリング(アメリカ=現WBO世界スーパー・フェザー級王者)、ジェフ・ホーン(オーストラリア=のちのWBO世界ウェルター級王者)、アンソニー・イギット(スウェーデン=現スーパー・ライト級世界ランカー)を連破してライト・ウェルター級で優勝している。
 2015年7月にプロ転向後も快進撃を続けており、英連邦王座、WBCシルバー王座からIBF王座、そしてWBA王座と確実にコレクションを増やしてきた。試合数こそ16と決して多くはないが、2017年以降は世界ランカーのオハラ・デービース(イギリス)、元世界王者のミゲール・バスケス(メキシコ)とビクトル・ポストル(ウクライナ)を一方的な内容で撃破。階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」では準々決勝のライアン・マーティン(アメリカ)戦を7回TKOでクリアし、準決勝ではイバン・バランチク(ロシア/ベラルーシ)に12回判定勝ちを収めてIBF王座を奪取した。決勝のレジス・プログレイス(アメリカ)戦は接戦になったが、2対0の12回判定勝ちを収めWBAスーパー王座も獲得。マーティン、バランチク、プログレイスと直近の3試合はいずれも全勝の実力者が相手だったことを付記しておく必要があるだろう。今回のコーンソーン戦を含め4試合連続で全勝の相手との戦いとなる。
 挑戦者のコーンソーンはデビュー翌年の2017年にIBFパンパシフィック王座とIBFアジア王座を獲得するなどして世界ランク入り。昨年2月、東京・後楽園ホールで行われた近藤明広(一力)との挑戦者決定戦で5回KO勝ちを収めてIBF最上位に上がってきた。世界挑戦の経験を持つ近藤を右アッパー一発で沈めたシーンは強烈だったが、力量の分かる相手との手合わせはこの試合だけといってもいい。自国を出て戦った経験も近藤戦だけだ。テイラーと同じ178センチの長身だが、スタンスを広めにとる王者とは対照的にコーンソーンは腰高で、ディフェンスも比較的ルーズといえる。ただ、上から打ち下ろす右ストレートと、相手が潜り込んできたところに合わせる右アッパーには破壊力がある。
 サウスポーのテイラーが圧力をかけながら右ジャブで牽制し、コーンソーンが左右に回りこみながら迎え撃つ展開が予想される。テイラーは上下にパンチを打ち分ける技術に長けているだけに、挑戦者はその見極めと対応に苦労しそうだ。総合力に大差があるカードだが、コーンソーンにも一発があるだけにテイラーも油断はできない。

スーパー・ライト級トップ戦線の現状

WBA S
:ジョシュ・テイラー(イギリス)
WBA
:マリオ・バリオス(アメリカ)
WBA 暫定
:アルベルト・プエジョ(ドミニカ共和国)
WBC
:ホセ・ラミレス(アメリカ)
IBF
:ジョシュ・テイラー(イギリス)
WBO
:ホセ・ラミレス(アメリカ)

 2018年から2019年にかけて開催された「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」で優勝するとともに2団体の王座を手に入れたジョシュ・テイラー(29=イギリス)と、WBSSには不参加だったが、その間にWBC王座に加えWBO王座も獲得したホセ・ラミレス(28=アメリカ)のふたりがトップを並走している。
 テイラーが16戦全勝(12KO)、ラミレスが26戦全勝(17KO)なのに加え、WBA王者のマリオ・バリオス(25=アメリカ)が26戦全勝(16KO)、暫定王者のアルベルト・プエジョ(26=ドミニカ共和国)も17戦全勝(9KO)と、ベルト保持者4人がすべて全勝という点を見ても、この階級の充実ぶりが分かるだろう。ただ、実力面ではWBSS決勝でテイラーに惜敗した前WBAスーパー王者のレジス・プログレイス(アメリカ)がバリオス、プエジョよりも上だろう。今後はテイラーとラミレスの頂上対決やプログレイスを絡めたビッグマッチの実現が期待されるところだ。
 ランカーでは、すでに2度の世界挑戦を経験している迎撃型の技巧派強打者ホセ・セペダ(31=アメリカ)と、テイラーにIBF王座を追われたイバン・バランチク(27=ロシア/ベラルーシ)が好位置につけている。このふたりはWBC王座への挑戦権をかけて戦うことになっており、その結果と勝者の今後が注目される。

WBC世界スーパー・ライト級挑戦者決定戦
ホセ・セペダ対イバン・バランチク

技巧派サウスポー vs 攻撃型の野獣
オッズは11対8でバランチク有利

 WBC世界スーパー・ライト級王者のホセ・ラミレス(アメリカ)に対する指名挑戦者を決める一戦。36戦32勝(25KO)2敗2無効試合のセペダがラミレスへの再挑戦権を得るのか、それとも21戦20勝(13KO)1敗のレコードを残している前IBF王者のバランチクが返り咲きの片道切符を手にするのか。オッズはバランチク有利と出ているが、11対8と接近している。
 サウスポーのセペダは約69パーセントと高いKO率を誇るが戦いぶりは比較的慎重で、自分からリスクを冒して積極的に仕掛けて出ることは少ない。相手が出てくるところをカウンターで迎え撃ち、パンチの効果があったと判断すると攻勢に転じるタイプだ。そのため相手が攻撃型でない場合は噛み合わせの甘い試合になることがある。ただ、総合的な戦力は高く、昨年9月には元世界2階級制覇王者のホセ・ペドラサ(プエルトリコ)をスキルで封じ込め、3対0の10回判定で下している。過去に2度の世界挑戦を経験しているが、5年前のテリー・フラナガン(イギリス)戦は試合中に肩を痛めたため2回終了時点で棄権(TKO負け)。2019年2月のラミレス戦は12回判定負けだったが、ジャッジのひとりが114対114のイーブンと採点するほどの接戦だった。現在はWBCで2位、WBOで3位にランクされている。
 「ビースト(野獣)」というニックネームを持つバランチクはセペダとは対照的な攻撃型の選手で、2018年10月から2019年5月までIBF王座に君臨していた実績を持っている。筋肉質の上体はまるで鎧を纏ったかのようで、それだけでも十分な迫力が感じられる。アマチュア時代には2009年世界ジュニア選手権優勝、2011年欧州選手権ライト級ベスト8のほか同年の世界選手権出場(ライト級1回戦敗退)にも出場している。2014年3月にベラルーシでプロデビューし、4戦目から活動拠点をアメリカに移した。テイラーに敗れて失冠したが、再起戦で4回TKO勝ちを収めてWBAインターコンチネンタル王座を獲得している。
 両者の戦闘スタイルから考えてバランチクが積極的に仕掛け、セペダが迎え撃つパターンで始まりそうだ。セペダの左右への動きやカウンターが功を奏さない場合は、前IBF王者の攻撃に拍車がかかり一方的な展開になる可能性もある。一方、バランチクの攻撃が読まれてしまうようだとセペダのテクニックが生きる展開になるかもしれない。序盤からスリリングな攻防が見られそうだ。

WBCシルバー ウェルター級王座決定戦
ショーン・ポーター対セバスチャン・フォルメラ

突貫ファイター vs ドイツの技巧派
ポーターの攻撃力が凌駕か

 2013年12月~2014年8月までIBF世界ウェルター級王座、2018年9月~2019年9月までWBC同級王座に君臨した実績を持つ元王者のショーン・ポーター(32=アメリカ)が、22戦全勝(10KO)の戦績を残しているセバスチャン・フォルメラ(33=ドイツ)と対戦する。現在のランキングはポーターがWBC1位、IBF9位、WBO4位、フォルメラがIBF8位。このランカー対決はWBCシルバー王座の決定戦であると同時にIBFの2位を確定させる試合でもある。
 2008年10月にプロデビューしたポーターは12年のキャリアで34戦30勝(17KO)3敗1分の戦績を残している。デボン・アレキサンダー、ポール・マリナッジ、エイドリアン・ブローナー、アンドレ・ベルト、ダニー・ガルシア(いずれもアメリカ)、ヨルデニス・ウガス(キューバ)といった現役、元、のちの世界王者たちに勝っている一方、ケル・ブルック(イギリス)、キース・サーマン(アメリカ)、エロール・スペンス(アメリカ)には世界戦で敗れている。しかし、ブルック戦は2対0の僅差判定、サーマン戦は3対0ではあるがジャッジ三者とも115対113の小差判定、スペンス戦は判定が2対1に割れており、いずれも完敗の内容ではなかった。この身長170センチの小柄な突貫ファイターを見栄え良く捌くことは極めて難しい作業なのだろう。
 フォルメラは6年のプロ生活で一度も負けたことがないが、ポーターと比べると対戦相手の質という点で見劣りする。WBO欧州王座など地域王座獲得の実績はあるが、それ以外ではWBC9位にランクされていたスラニ・ムベンゲ(南アフリカ共和国)に12回判定勝ちを収めたぐらいだ(2019年7月)。ドイツを出て戦うのは2017年3月のスウェーデン遠征(4回判定勝ち)以来2度目で、アメリカのリングは初めてとなる。身長177センチのフォルメラは足をつかいながら距離とタイミングを計って慎重に戦うアウトボクサーで、パワーには欠ける。
 体力、攻撃力、経験値など多くの部分で勝るポーター有利は不動といえる。いつものように積極的に仕掛け、早い段階で中近距離での戦いに巻き込むことができれば中盤あたりでけりをつける可能性が高い。フォルメラがどこまで踏ん張れるか。

もっと見る

閉じる

My番組登録とは?

My番組登録で見逃し防止!

見たい番組、気になる番組をあらかじめ登録。
放送時間前のリマインドメールで番組をうっかり見逃すことがありません。

利用するには?

WEB会員IDをご登録のうえ、ログインしてご利用ください。

WEB会員IDをお持ちでない方
WEB会員IDを登録する
WEB会員IDをお持ちの方
ログインする
閉じる

番組で使用されているアイコンについて

初回放送
新番組
最終回
生放送
5.1chサラウンド放送
二カ国語版放送
吹替版放送
字幕版放送
字幕放送
ノンスクランブル(無料放送)
オンデマンドでの同時配信
オンデマンドでの同時配信対象外
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R-15指定(15歳未満鑑賞不可)されたもの
R-15指定に相当する場面があると思われるもの
劇場公開時、R15+指定(15歳以上鑑賞可)されたもの
R15+指定に相当する場面があると思われるもの
1998年4月以前に映倫審査を受けた作品で、R指定(一般映画制限付き)とされたもの