WBC世界スーパー・ミドル級タイトルマッチ
デビッド・ベナビデス対ロアメル・アングロ

  • 2020/08/31

KO率86%の王者 vs 81%の挑戦者
序盤から打撃戦か

 4歳上の兄ホセ・ベナビデスが元WBA暫定世界スーパー・ライト級王者、父親のホセ・ベナビデスがトレーナーを務めるボクシング・ファミリーの切り札ともいえるデビッド・ベナビデス(23=アメリカ)が、昨年9月に取り戻した王座の初防衛戦に臨む。挑戦者のロアメル・アングロ(36=コロンビア)はランキングこそWBC14位だが、27戦26勝(22KO)1敗と高いKO率(81%)を誇るだけに油断は禁物だ。
 2013年8月に16歳でプロデビューしたベナビデスは4年後、20歳の若さでWBC世界スーパー・ミドル級王座を獲得したが、1年後にドーピング違反が発覚。WBCから休養王者に格下げされ、事実上の王座剥奪の処分を受けた。昨年3月に戦線復帰を果たし、IBF15位にランクされていたジェイレオン・ラブ(アメリカ)を2回KOで仕留めた。9月にはベナビデスの留守中に王座を獲得したアンソニー・ディレル(アメリカ)に挑み、圧倒的に攻めたすえ9回で相手陣営を降参させた。ベナビデスは22戦全勝(19KO)の戦績が示すとおりの強打者で、23歳と若いうえ身長187センチ、リーチ196センチと大柄だ。その大きな体で相手に迫り、中近距離から左右のフック、アッパー、左ボディブローなどを矢継ぎ早に繰り出して攻め落としてしまう。攻撃偏重の傾向がありディフェンスには隙もあるが、コンビネーションのまとめが速いうえ攻める際に躊躇がないため相手は勢いに飲み込まれてしまうことが多い。テクニックに定評のあるディレルでさえも抗いきれなかったほどだ。
 多くの可能性を秘めている一方、不安がないとはいえない。過去にドーピング違反を犯していることも心配な要素のひとつといえるし、コンディション調整にムラがあることでも知られている。なにしろ13歳で減量のためにボクシングを始めたころは体重が250ポンド(約113キロ)もあったほどで、油断すれば目方が増えるタイプなのだ。現時点での最大の敵は自分自身といっていいだろう。
 挑戦者のアングロはコロンビアの出身だが、現在はアメリカのフロリダ州マイアミを活動拠点にしている。自国コロンビアをはじめドミニカ共和国、アルゼンチン、ドイツ、トルコ、アメリカ、メキシコ、スリナム、プエルトリコのリングに上がったことがあり、異国での試合には慣れていそうだ。キャリア最大の試合は2018年6月のヒルベルト・ラミレス(メキシコ)戦だが、WBO世界スーパー・ミドル級王座のかかったこの試合では大差の判定で敗れている。これが唯一の黒星で、以後は2連続KO勝ちを収めている。27戦26勝(22KO)1敗。腰を沈めがちにした構えから相手に圧力をかけ左フックや右クロスを狙うことが多いが、崩しのパターンが少ないためか単発に終わるケースが目立つ。
 KO率86パーセントのベナビデスと81パーセントのアングロ。ともにパンチ力には自信を持っているだけに序盤から激しい打撃戦に突入する可能性もある。2回までのKO勝ちがベナビデス=14、アングロ=16と多く、早い決着も考えられる。アングロは早い段階で主導権を握りたいところだが、体格と攻撃力、勢いで勝るベナビデスを抑え込むことは難しそうだ。

スーパー・ミドル級トップ戦線の現状

WBA S
:カラム・スミス(イギリス)
WBA
:サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBA 暫定
:デビッド・モレル(キューバ)
WBC
:デビッド・ベナビデス(アメリカ)
IBF
:ケイレブ・プラント(アメリカ)
WBO
:ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)

 WBA王者のサウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)がこの階級の主役だが、アルバレスは同時にミドル級でもWBAスーパー王座を保持しており、両方のクラスでビッグマッチを待っている状態だ。一時はライト・ヘビー級と合わせて3階級の王座を同時にキープしていたこともあり、チャンスがあればアルバレスは再びライト・ヘビー級で戦う可能性もある。
 そのアルバレスとの対戦計画が何度か浮上しているのがWBAスーパー王者のカラム・スミス(イギリス)だ。長身のパンチャー型ということでアルバレスを脅かす存在といえるが、昨年11月のジョン・ライダー(イギリス)とのV2戦は大苦戦を強いられ、勝ったものの株を落としている。WBO王者のビリー・ジョー・サンダース(イギリス)にもアルバレストの対戦プランがあったが、コロナ禍の最中の不適切な言動のため出場停止処分を受けるなど近況は芳しくない。
 こうしたなかWBC王者のデビッド・ベナビデス(アメリカ)とIBF王者のケイレブ・プラント(アメリカ)が浮上して来るのかと思いきや、ビッグマッチとなるとふたりとも時期尚早の感が強い。ベナビデスの試合はエキサイティングだが、アルバレスと戦うにはまだまだ知名度不足といえる。プラントも同様だ。
 ただ、56戦53勝(36KO)1敗2分のアルバレスに対しスミスが27戦全勝(19KO)、ベナビデスが22戦全勝(19KO)、プラントが20戦全勝(12KO)、サンダースが29戦全勝(14KO)と4王者はいずれも無敗を保っており、潜在能力という点では先の楽しみが残っているといえる。特に23歳のベナビデスは攻撃型だけに意外性を持っていそうだ。
 こうした王者たちに元ミドル級王者のダニエル・ジェイコブス(アメリカ)やデビッド・レミュー(カナダ)がどう絡んでいくのか注目していきたい。

WBA世界ライト級暫定王座決定戦
ローランド・ロメロ対ジャクソン・マリネス

メイウェザーの秘蔵っ子 vs 長身技巧派
接近したいロメロと距離キープしたいマリネス

 スーパー王者としてワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)が存在し、正王座にはジャーボンテイ・デービス(アメリカ)が君臨するWBAのライト級に、このたび暫定王座が設けられることになった。
「なぜ?」という疑問はさておき、決定戦に出場する7位のローランド・ロメロ(24=アメリカ)が11戦全勝(10KO)、6位のジャクソン・マリネス(29=ドミニカ共和国)が19戦全勝(7KO)と興味をそそる全勝対決だ。
 ロメロはアメリカのネバダ州ラスベガスの出身だが、父親はキューバの国内選手権で3度優勝した実績を持っているのだとか。また妹はキューバの国内選手権で7度優勝していると伝えられる。ロメロ自身は9歳のときに柔道を始め、16歳でボクシングに転向。18歳から21歳までアマチュアのリングに上がり35戦25勝10敗の戦績を残した。2016年12月にプロデビューし、ここまで11戦全勝(10KO)を記録している。一発一発のパンチに力を込めて打ち抜く攻撃型だが、全体的なスピード感、滑らかさには欠ける。過去に現IBF世界ライト級王者のテオフィモ・ロペス(アメリカ)やライアン・ガルシア(アメリカ)らとスパーリングをした経験を持つ。今年1月31日付のWBAランキングで突如としてトップ10入りしてきたが、この時点では6回戦の経験しかなかった。もちろん世界ランカーとの対戦はない。メイウェザー・プロモーションズと契約を交わしており、そのあたりが忖度されてのことか。先物買いのレッテルを剥がすためにも内容の伴った勝利がほしいところだ。
 マリネスは178センチの長身ボクサーで、距離をとったときに持ち味を発揮するタイプといえる。左ジャブから機を見て右ストレートを打ち込む技巧派のボクサー型だ。ただ、戦績が示すようにパワーには欠ける。こちらも強豪との対戦経験は十分とはいえないが、WBAの中南米王座を2度獲得するなどしてランキングを上げてきた。
 数々の疑問はともかくとして、この試合がホープ同士の全勝対決であることは間違いない。距離を潰して自慢の強打を叩きこみたいロメロと中長距離を保って戦いたいマリネス。まずは、どちらが先に主導権を握るのか注目したい。

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