WBA世界スーパー・フライ級タイトルマッチ
アンドリュー・マロニー対ジョシュア・フランコ

  • 2020/08/03

コロナ禍以降 最初の世界戦
「オーストラリアのモンスター」 初防衛なるか

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響を受け、アメリカでは3月中旬から数多くのイベントが延期や中止になってきた。そんななかトップランク社とスポーツ専門チャンネルのESPNが今回、 アンドリュー・マロニー(29=オーストラリア)対ジョシュア・フランコ(24=アメリカ)のWBA世界スーパー・フライ級タイトルマッチを挙行する。コロナ禍以降、初の世界戦となる。
 バンタム級上位ランカーの双子の兄ジェイソンとともに「マロニー兄弟」として売り出し中のアンドリュー・マロニーは、2014年10月のプロデビューから約6年、21戦全勝(14KO)というレコードを残している。バンタム級を主戦場にしてオーストラリア王座、WBAオセアニア王座などを獲得したあと2017年からスーパー・フライ級に体重を落とし、ここでも英連邦王座、東洋太平洋王座などをコレクションに加えた。昨年3月に南米チリに遠征して世界挑戦権をもぎ取り、11月に決定戦を制してWBA暫定世界スーパー・フライ級王座についた。今年に入ってローマン・ゴンサレス(ニカラグア)がカリド・ヤファイ(イギリス)を下してスーパー王者になったのにともない、マロニーは正王者に昇格した。
 「モンスター」というニックネームを持つマロニーだが、スキルやパワー、スケール感といった点では残念ながら“本家”の井上尚弥には及ばない。それでも、ガードを高く上げた構えから左ジャブを突いて出入りし、距離をつかむと左右フックを上下に散らして攻め込むスタイルは安定感があり、双子の兄弟、全勝という付加価値も含めて今後の活躍次第では評価アップも望めそうだ。
 挑戦者のフランコはキャリア5年の24歳で、「エル・プロフェソル(教授)」というニックネームを持つ。世界ランカーのオスカル・ネグレテ(コロンビア)と3度戦って1勝2引き分けという実績が光るものの、現時点での知名度は低いといわざるを得ない。しかし、ロベルト・ガルシア・トレーナーに師事、ゴールデンボーイ・プロモーションズの契約選手ということで、その期待の大きさが感じられる。ガードを固めて圧力をかけ、好機にクロス気味に放つ右で追い立てるボクサーファイター型だ。
 12対1でマロニー有利というオッズが出ているように、全勝王者の勝利を推す声が圧倒的に多い。探り針ともいえる左ジャブが機能すれば中間距離で強振する左右フックが生きてきそうだ。しかし、アメリカのリング初登場、初防衛戦という心身両面のプレッシャーがかかる戦いでもあり、そういった点では真の実力が試される試合ともいえる。

スーパー・フライ級トップ戦線の現状

WBA S
:ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)
WBA
:アンドリュー・マロニー(オーストラリア)
WBC
:ファン・フランシスコ・エストラーダ(メキシコ)
IBF
:ジェルウィン・アンカハス(フィリピン)
WBO
:井岡一翔(Ambition GYM)

 今年2月、ローマン・ゴンサレス(33=ニカラグア)がカリド・ヤファイ(31=イギリス)を9回TKOで下してWBA王座を獲得し、スーパー王者に認定された。これを機にこの階級の注目度は一気に上がった。最も期待されるカードはゴンサレス対WBC王者のファン・フランシスコ・エストラーダ(30=メキシコ)の統一戦だ。両者はゴンサレスが12年11月、WBAライト・フライ級王者だったゴンサレスにエストラーダが挑戦、12回判定でゴンサレスが勝っている。その後、ふたりとも階級を上げ、現在は肩を並べる地位にいるわけだ。一時は年内に対戦合意とも伝えられたが、そのプランが継続されていることを願いたい。
 IBF王者のジェルウィン・アンカハス(28=フィリピン)は4年間に8度の防衛を果たしている。そのうち6度は規定ラウンド内で終わらせているサウスポーの強打者なのだが、世界的強豪との対戦が少ないためか数字が評価に直結していない。
 WBO王者の井岡一翔(31=Ambition GYM)は昨年6月、日本初にして唯一の世界4階級制覇を成し遂げ、12月には指名挑戦者を退けて地力のあるところを見せている。ゴンサレスやエストラーダ、アンカハスらとの統一戦を期待する声は多い。決して派手なタイプではないが、スピードとスキル、ハートの強さはライバル王者たちに勝るとも劣らないものがある。
 WBA王者のアンドリュー・マロニー(29=オーストラリア)は21戦全勝(14KO)と勢いがあるが、上記4王者と比較すると格落ちの感は否めない。アメリカ初登場となる今回のジョシュア・フランコ(24=アメリカ)戦で圧倒的な勝利を収めるようだと注目度はアップするはずだ。
 無冠組では、これまでにミニマム級、ライト・フライ級、フライ級の3階級で戴冠を果たしてきた田中恒成(25=畑中)が最も王座に近い位置にいる。転級と同時にWBO1位にランクされており、井岡への挑戦を狙っている。
 かつてゴンサレスに12回判定勝ち、4回KO勝ちを収めている元WBC王者のシーサケット・ソールンビサイ(33=タイ)も返り咲きの機会をうかがっている。思い切りのいい攻撃型のサウスポーで、ゴンサレスとの第3戦、1勝1敗のエストラーダとの決着戦をはじめ、どの団体の王座に挑んでも好勝負が期待できる。

バンタム級10回戦
ジェイソン・マロニー対レオナルド・バエス

双子の兄ジェイソンはWBA5位と対戦
KO率81%の強打をアピールできるか

 双子のマロニー兄弟の兄、ジェイソン・マロニー(29=オーストラリア)が、WBA世界スーパー・バンタム級5位のレオナルド・バエス(24=メキシコ)と対戦する。バンタム級でWBO2位をはじめWBA3位、WBCとIBFで4位にランクされるマロニーは世界再挑戦に向け存在感を示すことができるのか。
 マロニーは弟のアンドリューとともに15歳のときからアマチュアのリングに上がり、約80戦したのち2014年8月にプロデビューした。6年間に17度もアンドリューと同じ日に試合をするなど21戦をこなし、20勝(17KO)1敗の戦績を残している。唯一の敗北は2018年10月、「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」準々決勝でIBF王者のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)に喫したもの。12回判定負けだったが、ジャッジのひとりはマロニーを支持していたほどの際どい勝負だった。その後は3連続KO勝ちを収めている。間合いを詰めながらワンツー、左フック、ボディ打ちなどをテンポよく繰り出してくる攻撃型のボクサーファイターで、スタミナもある。
 もともとマロニーは、4月25日にラスベガスで挙行される予定だった井上尚弥対ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の3団体統一戦のセミファイナルで、WBO1位のジョシュア・グリア(アメリカ)と挑戦者決定戦を行うことになっていた。しかし、コロナ禍の影響でイベントそのものがいったんキャンセルになったことを受け、仕切り直しとなった。今回の試合決行を前提にマロニーは5月中旬にアンドリューとともにアメリカ入りしたが、対戦相手の世界ランカー、オスカル・ネグレテ(コロンビア)が11日前になって網膜剥離を発症。そのためバエスが代役に起用されたという経緯がある。
 ちなみに、マロニー対バエスの前にグリアがマイク・プラニア(フィリピン)に敗れており、WBO1位から陥落することが確定的となっている。ここでマロニーが印象的な勝利を収めるようだとWBO王者のカシメロだけでなく、井上尚弥への挑戦にも十分なアピールになりそうだ。対戦相手が二転三転したが、高いモチベーションを保ってリングに上がれるのではないだろうか。
 バエスは2013年11月にプロデビュー後、7年間に21戦18勝(9KO)2敗1無効試合の戦績を収めている。敗北のひとつはルーキー時代のフリオ・セサール・マルチネス(メキシコ=現WBC世界フライ級王者)に2回TKO負けを喫したものだ。2018年9月にもうひとつ敗北を経験したが、以後は6連勝と調子を上げている。
昨年7月には五輪2大会出場の実績を持つ当時WBA世界スーパー・バンタム級5位のアルベルト・メリアン(アルゼンチン)に判定勝ち。今年2月には元暫定世界王者のモイセス・フローレス(メキシコ)にも8回判定で勝利を収めている。構えが猫背のせいか175センチの長身には見えないが、大きな体を利して前に出てきてパンチを交換することが多い。ただ、スピードには欠ける印象だ。
 世界上位ランカー同士のカードだが、オッズは10対1でマロニー有利と出ている。その予想どおりマロニーがスピードと繋ぎの速いコンビネーションで序盤から主導権を握る可能性が高い。バエスがマロニーの動きについていけないようだと中盤には一方的な展開になるかもしれない。

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