スーパー・バンタム級10回戦
ジョシュア・グリア対マイク・プラニア

  • 2020/07/27

WBO1位グリアにとってリスクの高い一戦
「瞬き厳禁」の緊迫した展開か

 井上尚弥(大橋)がWBAスーパー王座とIBF王座に君臨するバンタム級でWBO1位にランクされているジョシュア・グリア(26=アメリカ)が、1階級上のスーパー・バンタム級でWBA10位、IBF12位に名を連ねるマイク・プラニア(23=フィリピン)と対戦する。オッズは9対2でグリア有利と出てはいるが、思い切りのいいパンチを振ってくるプラニアは怖い存在だ。近い将来の世界挑戦を視野に入れているグリアにとっては危険なカードといえる。
 グリアはアメリカのイリノイ州シカゴの出身で、5年前にプロデビューした。4戦目で引き分けを経験し、5戦目には現WBO世界スーパー・バンタム級1位のスティーブン・フルトン(アメリカ)に4回判定負けを喫している。この2戦が過去24戦のなかで勝利を逃した試合だ(22勝12KO1敗1分)。以後は19連勝(10KO)と好調を維持している。2018年12月にWBC米大陸王座を獲得して世界15傑入りを果たし、昨夏にはWBO3位にランクされていたニコライ・ポタポフ(ロシア)に僅少差の12回判定勝ちを収めてNABO北米王座を獲得。これで一気に上位に進出し、世界挑戦経験者のアントニオ・ニエベス(アメリカ)も判定で下してWBO1位にランクアップした。IBFでも2位に名を連ねている。
 「Don’t Blink」瞬き厳禁というニックネームを持つグリアは両ガードを比較的高く上げた構えから機を見て左から右と打ち込み、接近するとアッパーを突き上げることが多い。攻撃的な一面があるが、引き出しの数そのものは多くはなさそうだ。
 本来ならばグリアは4月25日に予定されていた井上対ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)の3団体王座統一戦のセミでWBO2位のジェイソン・マロニー(オーストラリア)と挑戦者決定戦を行うはずだったが、コロナ禍の影響で中止になった。日程と相手を変えて今回の試合に臨むわけだが、先を意識しすぎると足をすくわれる恐れもある。
 プラニアはマニー・パッキャオ(フィリピン)のMPプロモーションズと契約している23歳のハードパンチャーで、「マジック」というニックネームを持つ。17歳でプロデビューし、6年間に24戦して23勝(12KO)1敗のレコードを残している。唯一の敗北は2018年3月、元世界王者のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に喫したものだが、判定で敗れはしたものの3回にダウンを奪うなど爪痕は残した。その後は8連勝(5KO)と勢いを取り戻している。しっかりした構えで前進して距離を潰しにかかり、横殴りのラフなパンチで攻め込むことが多い。フィジカルの強さを感じさせる攻撃型の選手だ。
 まず注目したいのは序盤でどちらが主導権を奪うかという点だ。グリアが自在に出入りできるパターンに持ち込めれば手数でポイントをかき集めることができそうだが、1階級上のプラニアの圧力に押されるようだと厳しい展開を覚悟せねばなるまい。世界ランカー対決だけに「瞬き厳禁」であることは間違いない。

バンタム級トップ戦線の現状

WBA S
:井上尚弥(大橋)
WBA
:ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)
WBC
:ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)
IBF
:井上尚弥(大橋)
WBO
:ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)

 このクラスは実力、ビジネスの両面から見て2団体の王座を持つ井上尚弥(27=大橋)を中心にまわっているといっていい。3階級制覇を果たしている井上は19戦全勝(16KO)と高いKO率を誇り、現時点では死角は見当たらない。コロナ禍の影響で井上との統一戦が先延ばしになったWBO王者ジョンリエル・カシメロ(フィリピン)は33戦29勝(20KO)4敗の強打者だが、井上が一発に気をつけて戦えば大きなトラブルに陥ることはないとみる。ボクシングの幅、技術力には差が感じられる。
 むしろスピードとカウンター、スキルに長けたサウスポーのギジェルモ・リゴンドー(39=キューバ)の方が井上にとっては難敵といえるかもしれない。アゴに爆弾を持つリゴンドーだけに井上のパンチが当たればダウン、KOという流れになりそうだが、十分な間合いがつくれない場合は接戦になる可能性もある。それでも井上が有利であることは間違いない。
 17戦全勝(12KO)のWBC王者、ノルディーヌ・ウバーリ(33=フランス)はサウスポーのボクサーファイター型で、昨年11月には来日して暫定王者だった井上拓真(24=大橋)に12回判定勝ちを収めている。2度の五輪出場経験を持つ元トップアマだが、井上拓真戦では最終回にダメージを受けるなど耐久力に不安を感じさせたものだ。5階級制覇の実績を持つノニト・ドネア(37=フィリピン/アメリカ)との防衛戦をWBCから課されているが、これを乗り切れるかどうか。総合力ではドネア(46戦40勝26KO6敗)が勝るとみるが、こちらも井上尚弥戦(12回判定負け)と同じ程度のモチベーションとコンディションで試合に臨むことが勝利の絶対条件となる。
 比較的新しい顔ぶれとしては、主要4団体すべてで5位以内にランクされているジェイソン・マロニー(29=オーストラリア)や、WBO1位、IBF2位のジョシュア・グリア(26=アメリカ)がいる。マロニーは同じ世界ランカーのレオナルド・バエス(24=メキシコ)との試合が控えている。グリアに関しても今回のマイク・プラニア(23=フィリピン)との世界ランカー対決を制すればWBO王座への挑戦が現実味を帯びてくるはずだ。
 このほか井上拓真、ゾラニ・テテ(32=南アフリカ共和国)、ファン・カルロス・パヤノ(36=ドミニカ共和国)、エマヌエル・ロドリゲス(27=プエルトリコ)、ラウシー・ウォーレン(33=アメリカ)ら世界王者経験者も巻き返しを狙っている。

ウェルター級10回戦
ジョバニ・サンティリャン対アントニオ・デマルコ

25戦全勝の28歳 vs 34歳の元世界王者
新旧サウスポー対決

 2017年8月から1年半ほどウェルター級でWBO15傑入りしていたこともあるジョバニ・サンティリャン(28=アメリカ)が、元WBC世界ライト級王者のアントニオ・デマルコ(34=メキシコ)と対戦する。25戦全勝(15KO)のサンティリャン、16年のキャリアで42戦(33勝24KO8敗1分)を経験しているデマルコ。新旧サウスポー対決を制するのは――。
 アメリカのカリフォルニア州サンディエゴ出身のサンティリャンは2012年5月にプロデビューした。ちょうどデマルコがWBC世界ライト級王者として防衛を重ねていたころだ。カリフォルニア州オンタリオをホームに勝利を重ね、2017年7月にはNABO北米王座を獲得。これを機に世界ランク入りを果たし、WBOでは最高で4位まで上昇した。しかし、2018年4月から2019年11月まで1年7ヵ月のブランクができたため15傑から除外された。身長173センチとウェルター級では小柄で、ガードを固めながら距離を縮めて左ストレートや右フックを狙うことが多い。
 デマルコは2009年10月~2010年2月までWBC暫定世界ライト級王座、2011年10月~2012年11月までWBC世界ライト級王座に君臨した実績を持つ元王者で、無冠になったあとはスーパー・ライト級、ウェルター級に体重を上げてトップ選手たちと拳を交えてきた。世界戦でジェシー・バルガス(アメリカ)に敗れたほか、ランセス・バルテレミ(キューバ)、オマール・フィゲロア(アメリカ)、マキシム・ダダシェフ(ロシア)、ジャマル・ジェームス(アメリカ)といった元世界王者や世界ランカーたちに勝利をプレゼントしてきた。しかし、このベテラン・サウスポーがいずれの試合でも判定まで粘っていることを忘れてはなるまい。以前は中長距離から左ストレートを被せたあと連打を畳みかけていたが、体が重くなった現在は細かい技術を省略したファイターと化している。
 サンティリャンのために組まれたカードといえるが、デマルコを軽視することは危険だ。サンティリャンが中近距離で回転の速い左右のパンチで主導権を奪うことができれば中差から大差の判定で支持を得られそうだが、デマルコの粘りの前に手を焼くようだと混戦になりそうだ。

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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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