ライト級10回戦
ミゲール・ベルチェルト対エレアザール・バレンズエラ

  • 2020/07/20

6度防衛中の「サソリ」が無冠戦
中堅相手に力量差示すか

 2017年1月にフランシスコ・バルガス(メキシコ)を11回KOで下してWBC世界スーパー・フェザー級王座を獲得してから3年半。すでに6度の防衛を果たしているミゲール・ベルチェルト(28=メキシコ)が、中堅どころのエレアザール・バレンズエラ(25=メキシコ)とライト級10回戦で拳を交える。強豪との対戦経験が豊富なバレンズエラを軽視することは危険だが、ここは高度安定王者が地力の差を見せつけそうだ。
 ベルチェルトは2016年3月にWBO暫定世界スーパー・フェザー級王座を獲得し、1度防衛したあと返上。WBCに鞍替えしてバルガスを破って戴冠を果たした。その後の防衛ロードは以下のとおりだ。

17年7月 三浦隆司(帝拳) 〇12回判定
18年2月 マクスウェル・アウク(ガーナ) 〇3回TKO
6月 ジョナサン・バーロス(アルゼンチン) 〇3回TKO
11月 ミゲール・ローマン(メキシコ) 〇9回TKO
19年5月 フランシスコ・バルガス(メキシコ) 〇6回終了TKO
11月 ジェイソン・ソーサ(アメリカ) 〇4回KO

 3年半を超える長期政権であること、比較的コンスタントに防衛をこなしていること、V2から5連続KO勝ちという点などが目を引く。4階級制覇のレオ・サンタ・クルス(メキシコ=WBAスーパー王者)、レネ・アルバラード(ニカラグア=WBA王者)、クリス・コルバート(アメリカ=WBA暫定王者)、ジョセフ・ディアス(アメリカ=IBF王者)、ジャメル・ヘリング(アメリカ=WBO王者)ら他団体王者よりも、この階級での実績においてベルチェルトは一段上にいるといっていいだろう。
 ベルチェルトは38戦37勝(33KO)1敗の戦績が示すとおりの強打者で、ニックネームは「アラクラン(サソリ)」。いわば左右のパンチは毒針というわけだ。その自慢のパンチでKOの山を築いてきたが、三浦戦でみせたように拙いながらもリスクを最小限に抑えたアウトボクシングができるのも強みだ。
 今回の相手、バレンズエラは39戦21勝(16KO)13敗4分1無効試合というレコードを残している。興味を引くのは、8年前に約51キロでプロデビューしたあとウェルター級まで様々な階級で戦ってきた点だ。ルーキー時代には、五輪連覇を果たしたフライ級のゾウ・シミン(中国)のデビュー戦の相手を務めたこともある(4回判定負け)し、4年前にはスーパー・バンタム級でエマヌエル・ナバレッテ(メキシコ)と対戦したこともある(8回判定負け)。そのほかフェザー級で戦った3ヵ月後にフライ級に戻したり、3ヵ月の間に体重を約6キロ増減させて3試合こなしたこともある。勝者コールを受けることはできなかったが、元世界王者のダビド・サンチェス(メキシコ)、世界挑戦経験者のホセ・セペダ(アメリカ)やジョノ・キャロル(アイルランド)と対戦した経験も持っている。
 そんなバレンズエラを侮ることはできないが、そもそもの地力には大きな差があるものと思われる。よほどの慢心がないかぎりベルチェルトの勝利は間違いないといっていいだろう。前半は慎重に入る可能性があるが、目が慣れてきた中盤あたりにV6王者が力の差を見せつけるのではないだろうか。

スーパー・フェザー級トップ戦線の現状

WBA S
:レオ・サンタ・クルス(メキシコ)
WBA
:レネ・アルバラード(ニカラグア)
WBA 暫定
:クリス・コルバート(アメリカ)
WBC
:ミゲール・ベルチェルト(メキシコ)
IBF
:ジョセフ・ディアス(アメリカ)
WBO
:ジャメル・ヘリング(アメリカ)

 トータルの実績では4階級制覇を成し遂げているWBAスーパー王者のレオ・サンタ・クルス(31=メキシコ)が前を行くが、この階級に限定してみればWBC王座を3年半に6度防衛しているミゲール・ベルチェルト(28=メキシコ)が勝る。体格面でも年齢面においても、厳しい近未来が待っていそうなサンタ・クルスよりもベルトチェルトの方により多くの可能性を感じる。
 サンタ・クルスと似たようなことは10月に35歳になるWBO王者のジャメル・ヘリング(アメリカ)にもいえる。このサウスポーは身長、リーチとも178センチと恵まれているが、この初夏に予定されていたV2戦を自身の新型コロナウィルス感染のため棒に振ってしまった。今後、どう態勢を整えてくるのか注目される。
 WBA王者のレネ・アルバラード(31=ニカラグア)は40戦32勝(21KO)8敗という戦績が示すように遠回りしたすえに栄光を手にした攻撃的な選手で、このところ8連勝(5KO)と好調だ。しかし、肉を切らせて骨を断つ激闘型ということを考えれば、これから先、多くを望むのは酷かもしれない。まずは5年前に10回判定負けを喫している現IBF王者のジョセフ・ディアス(27=アメリカ)に借りを返したいところだ。
 可能性という点ではWBA暫定王者のクリス・コルバート(23=アメリカ)やIBF王者のディアスに期待がかかる。ただ、コルバートは器用な一面がある一方、14戦全勝(5KO)とトップレベルではパワー不足の印象が拭えない。ディアスも体格面で見劣りするだけに、それらをスピードやテクニック、戦略と戦術でどこまでカバーできるか。
 この階級には新たな参入者が2人いる。ひとりは元WBO世界フェザー級王者のオスカル・バルデス(29=メキシコ)だ。身長166センチ、リーチ168センチのバルデスは27戦全勝(21KO)の戦績が示すとおりの強打者で、フェザー級時代はWBO王座を6度防衛している。しかし、昨年11月の転級初戦ではダウンを喫しており、新階級では体格面とディフェンス面で不安を残している。
 もうひとりは前WBO世界フェザー級王者のシャクール・スティーブン(23=アメリカ)だ。こちらは昨年11月にバルデスの後継王者になったばかりだが、今年6月にスーパー・フェザー級で試運転を済ませるとあっさりと王座を返上して転級した。アウトボクシングをベースにしたスピードボクシングが身上で、多くの可能性を感じさせる逸材だ。14戦全勝(8KO)。
 こうした混戦状態のなか、前WBO王者の伊藤雅雪(29=横浜光)、IBF3位、WBA7位、WBO8位にランクされる尾川堅一(32=帝拳)らが、どのタイミングで割って入るのか。そんなところにも注目していきたい。

スーパー・フェザー級10回戦
ジェシー・マグダレノ対イェニフェル・ビセンテ

世界ランカー同士のサバイバルマッチ
元王者マグダレノのスピードにアドバンテージ

 2016年11月にノニト・ドネア(フィリピン/アメリカ)を僅差の判定で破ってWBO世界スーパー・バンタム級王者になったこともあるジェシー・マグダレノ(28=アメリカ)が、フェザー級転向第3戦でWBO世界スーパー・バンタム級11位、IBF15位のイェニフェル・ビセンテ(33=ドミニカ共和国)と拳を交える。
 マグダレノはサウスポーのボクサーファイター型で、スピードを身上としている。出入りしながら好機には一気にパンチをまとめるタイプだ。戦績は28戦27勝(18KO)1敗。2年前、世界王座の2度目の防衛戦でアイザック・ドグボエ(ガーナ/イギリス)の厳しい攻めに抗いきれなくなり11回KO負けを喫したのが唯一の敗北だ。それを機にフェザー級に転向し、元世界王者のリコ・ラモス(アメリカ)、世界挑戦経験者のラファエル・リベラ(メキシコ)を10回判定、9回負傷判定で下して2連勝をマークしている。現在はWBC1位、WBO4位にランクされており、このまま順調に勝利を重ねれば近い将来に2階級制覇のチャンスが巡ってくるはずだ。
 ビセンテは「ザ・ライトニング(稲妻)」というニックネームを持つ攻撃型の選手で、43戦36勝(28KO)4敗2分1無効試合という戦績を残している。前傾姿勢で思い切り右フックを振るラフな攻撃型で、頭から突っ込むことも少なくない。のちに世界挑戦するクリス・アバロス(アメリカ)やファン・ロドリゲス(メキシコ)、エリック・ハンター(アメリカ)らには敗れているが、43戦のキャリアでKO負けの経験はない。なかなか厄介な相手といえるかもしれない。
 攻撃型のビセンテが積極的に仕掛け、マグダレノが迎え撃つ展開が予想される。スピードとテクニックで勝るマグダレノが巧みにポイントを重ねるものとみるが、ビセンテのラフ攻撃に巻き込まれて中盤以降に失速する可能性もある。

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