激闘のメキシカン名勝負選!

  • 2020/06/01

 今回のエキサイトマッチは「激闘のメキシカン 名勝負選」と題して、1990年代から2010年代前半にかけて世界の中量級をリードした3人のメキシコ人スター、マルコ・アントニオ・バレラ、エリック・モラレス、ファン・マヌエル・マルケスにスポットを当てる。3人とも20年以上のプロキャリアを持ち、複数の階級で戴冠を果たした。彼らの戦いは常にエキサイティングだった。

15歳でプロデビュー ハメドにも勝利のバレラ

 バレラは15歳でプロデビューを果たし、6年後にWBO世界スーパー・バンタム級王座を獲得した。戴冠時の戦績は35戦全勝(23KO)。21歳にしてすでに十分な経験を積んでいたことが分かる。5連続KOを含む8度の防衛を果たしたあとジュニア・ジョーンズ(アメリカ)に敗れて一度は王座を失ったが、2年後に返り咲きを果たした。WBC王者だったエリック・モラレス(メキシコ)との統一戦で惜敗したものの王座は据え置かれ、これを返上後にはナジーム・ハメド(イギリス)に判定勝ちを収めている。
 フェザー級に転向後、モラレスからWBC王座を奪い(即返上扱い)、2004年にもモラレスに競り勝ってスーパー・フェザー級王座を獲得、3階級制覇を果たした。初防衛戦ではムゾンケ・ファナ(南アフリカ共和国)を鮮やかな右で倒すなど30代に入っても衰えを見せなかった。攻防のバランスがとれた万能型のボクサーファイターで、田中繊大トレーナーとのコンビでも知られた。

攻撃型の「エル・テリブレ(恐るべき男)」モラレス

 バレラの最大のライバルがモラレスだった。のちに3度対戦する宿敵よりも3年4ヵ月遅れて16歳でプロ転向を果たしたモラレスは、早くから「将来の世界チャンピオン」として注目を集め、その期待どおり21歳で戴冠を果たした。7連続KOを含むV8後にはWBO王者のバレラに競り勝ち、それを機にフェザー級に転向。この階級では2度の王座獲得を成し遂げている。27歳のときにはスーパー・フェザー級に上げ、ヘスス・チャベス(メキシコ)を下して3階級制覇を達成した。バレラとの3度目の対決で惜敗後には昇竜の勢いにあったマニー・パッキャオ(フィリピン)に12回判定勝ち、あらためて存在感を示したものだ。30歳をまたいで4連敗を喫したところで一度は現役活動に区切りをつけたが、33歳で戦線復帰。2011年9月には35歳でWBC世界スーパー・ライト級王座を獲得し、メキシコ人として2人目の4階級制覇を成し遂げた。
 「エル・テリブレ(恐るべき男)」というニックネームを持っていたモラレスは攻撃力に優れたタイプで、耐久力も平均以上だった。現役時代からプロモート業も兼ねていたが、引退後はトレーナーとして後進の指導にもあたっている。

宿敵パッキャオを一撃で失神させた万能型のマルケス

 3人のなかでは最年長のマルケスだが、プロデビューは最も遅かった。のちの4階級制覇王者は1993年5月、19歳でデビュー戦に臨んだものの不運にも1回で失格、反則負けというスタートだった。2戦目からは連戦連勝、やっと1999年9月にフレディ・ノーウッド(アメリカ)の持つWBA世界フェザー級王座に挑んだが、ダウン応酬のすえ僅差の判定で敗れた。王者と同等の力量の持ち主であることは証明されたが、それが災いして再びチャンスが巡ってくるまで3年半を要することになった。2003年2月、ベテランのマヌエル・メディナ(メキシコ)を7回TKOで下してIBF世界フェザー級王座を獲得したときは29歳になっていた。
 優れた攻撃能力と防御技術を兼備した万能型のマルケスだが、同じ時代、同じ階級に常に目の上のたん瘤ともいえるスター選手がいた。マニー・パッキャオ(フィリピン)である。フェザー級では引き分けたものの初回に3度のダウンを喫したし、スーパー・フェザー級では小差の判定で屈してWBC王座を持っていかれた。ウェルター級でも僅差の判定で戴冠を逃している。そんな宿敵に借りを返しうえ、お釣りがくるような勝利を収めたのが2012年12月の第4戦だ。芸術的な右のカウンター一発。39歳のベテランが繰り出したキャリア最高の一撃といっていいだろう。

★資料1
<バレラ モラレス マルケス 3人が獲得した世界王座>

スーパー・バンタム級 バレラ モラレス
フェザー級 バレラ モラレス マルケス
スーパー・フェザー級 バレラ モラレス マルケス
ライト級 モラレス マルケス
スーパー・ライト級 マルケス

★資料2
<バレラ モラレス マルケス 3選手のデータ比較表>

バレラ モラレス マルケス
生年月日 1974年1月17日 1976年9月1日 1973年8月23日
出身地 メキシコシティ ティファナ メキシコシティ
身長/リーチ 168センチ/178センチ 173センチ/183センチ 170センチ/170センチ
アマチュア戦績 65戦60勝5敗 114戦108勝6敗 36戦35勝1敗
プロデビュー 1989年11月(15歳) 1993年3月(16歳) 1993年5月(19歳)
ラストファイト 2011年2月(37歳) 2012年10月(36歳) 2014年5月(40歳)
戦績 75戦67勝(44KO)
7敗1無効試合
61戦52勝(36KO)9敗 64戦56勝(40KO)7敗1分
KO率 59% 59% 63%
世界戦の戦績 26戦22勝(12KO)4敗 23戦18勝(11KO)5敗 15戦9勝(3KO)5敗1分
ニックネーム ベビーフェイス・アサシン
(童顔の暗殺者)
エル・テリブレ
(恐怖の男)
ディナミタ
(ダイナマイト)

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R15+指定に相当する場面があると思われるもの
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