KO率100%王者 エドウィン・バレロのKOシーン再び

  • 2020/05/01

 今回のエキサイトマッチは、デビューからの18連続1ラウンドKO勝ちを含め27戦して27勝27KOという驚異的なレコードを残したまま、2010年4月に28歳の若さで逝った元世界2階級制覇王者、エドウィン・バレロ(ベネズエラ)を特集する。バレロが謎の死を遂げてから10年、そのハードパンチが画面を通して甦る。
※文中 敬称略

18連続1ラウンドKO勝ち 当時の世界タイ記録を樹立

 1981年12月3日、ベネズエラのメリダで生まれたバレロは、12歳でボクシングを始め、アマチュアで92戦86勝(45KO)6敗(他説あり)の戦績を残した。プロ転向は2002年7月、20歳のときだった。この初陣を122秒TKOで飾ると、以後の試合も当たり前のように3分以内で終わらせていった。帝拳プロモーションと契約を交わしたバレロは2005年9月に来日し、16連続1ラウンドKOをかけて阪東ヒーロー(フォーラムスポーツ)と対戦。この試合は「バレロを相手に2ラウンド開始のゴングを聞いたら勝敗にかかわらず100万円。バレロに勝った場合はさらに100万円」という賞金マッチだった。阪東は奮闘したものの開始から116秒でストップされた。
 このあともバレロは3分以内で仕事を終わらせ、1910年にワンラウンド・ホーガン(アメリカ)が樹立したとされる18連続1ラウンドKO勝ちの世界記録に並んだ(注:ホーガンの記録に関しては事実ではないという説もある。連続1ラウンドKO勝ちの記録はのちにタイロン・ブルンソン、アリ・レイミが更新=資料①参照)
 2006年3月、バレロは19戦目にして初めて2回開始のゴングを聞いたが、そのラウンド内で仕留めた。このヘナロ・テラサンコス(メキシコ)戦も日本(神戸)での試合だった。5ヵ月後、バレロは相手国パナマに乗り込み、ビセンテ・モスケラ(パナマ)の持つWBA世界スーパー・フェザー級王座に挑み、10回TKO勝ちを収めて戴冠を果たした。3回にダウンを喫するなど危ない場面もあったが、終盤まで戦ったことでスタミナや耐久力、技術力など多くの疑問に一定の答えを出したかたちとなった。
 サウスポーのバレロは左右の強打が最大の魅力といえる攻撃型で、特に左ストレートと返しの右フックは中量級ばなれした破壊力を秘めていた。ディフェンス面に課題があったのも事実だが、それを補って余りある攻撃力があったといえる。また記録と強打にばかり目が行きがちだが、間合いの計り方やペースメークなど戦術面でも卓越したものを備えていた。

日本で3度の世界戦 27歳で2階級制覇

 20連続KO勝ちで世界一の座についたバレロは日本で3度の防衛戦をこなした。有明コロシアムでミチェル・ロサダ(メキシコ)に72秒TKO勝ちを収めて初防衛に成功すると、4ヵ月後には同じ会場で本望信人(角海老宝石)に挑戦を受け、日本屈指のテクニシャンを8回でストップ。サイド・サバレタ(メキシコ)を3回TKOで一蹴したあとV4戦では日本武道館で嶋田雄大(ヨネクラ)を迎え撃ち、これを7回TKOで退けた。
 これを機にライト級に転向したバレロは2009年4月、マニー・パッキャオ(フィリピン)が返上して空位になったWBC世界ライト級王座決定戦に出場し、15連続KO中のアントニオ・ピタルア(コロンビア)と対戦。この強打者対決を2回TKOで制したバレロは2階級制覇を達成し、熱望していたパッキャオ戦に向けてアピールしたかたちとなった。
 初防衛戦でエクトル・ベラスケス(メキシコ)を6回終了TKOで退けたバレロだが、この前後から芳しくないニュースが海の向こうから届くようになる。決まりかけていたウンベルト・ソト(メキシコ)との大一番が流れると、WBCから暫定王座を設けられもした。そんななか2020年2月、その暫定王者アントニオ・デマルコ(メキシコ)との団体内統一戦では9回終了時点で相手を棄権に追い込み、実力差を誇示。この試合後、スーパーファイトを求めてバレロはスーパー・ライト級への転向を宣言し、WBCもこれを後押しする構えをみせた。
 突然の訃報が届いたのは、そんな矢先のことだった。27戦27勝27KO――これ以上なく完璧で、かつ途上の記録を残し、エドウィン・バレロは28歳で謎の死を遂げた。

 バレロの27KOのなかから、番組では阪東ヒーロー戦を含めた戴冠前の数試合とミチェル・ロサダ戦、本望信人戦、嶋田雄大戦、アントニオ・ピタルア戦、ラストファイトとなったアントニオ・デマルコ戦などを放送する予定。

<資料1>連続1ラウンドKO勝ちの歴代記録

(1)21連続 アリ・レイミ(イエメン) 2011年~2014年
(2)19連続 タイロン・ブルンソン(アメリカ) 2005年~2008年
(3)18連続 エドウィン・バレロ(ベネズエラ) 2002年~2006年
(3)18連続 ワンラウンド・ホーガン(アメリカ) 1910年

※上記4選手のなかで世界王者になったのはバレロだけ。レイミとブルンソンは世界15位以内に入った実績あり

<資料2>エドウィン・バレロ 世界戦全戦績

2006年 8月 ビセンテ・モスケラ 〇10回TKO
(WBA世界スーパー・フェザー級タイトル獲得)
2007年 1月 ミチェル・ロサダ 〇1回TKO 防衛1
2007年 5月 本望信人 〇8回TKO 防衛2
2007年12月 サイド・サバレタ 〇3回TKO 防衛3
2008年 6月 嶋田雄大 〇7回TKO 防衛4
2009年 4月 アントニオ・ピタルア 〇2回TKO
(WBC世界ライト級タイトル獲得)
2009年12月 エクトル・ベラスケス 〇6回終了TKO 防衛1
2010年 2月 アントニオ・デマルコ 〇9回終了TKO 防衛2

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2009年4月以前に映倫審査を受けた作品で、PG-12指定(12歳未満は保護者同伴が望ましい)されたもの
劇場公開時、PG12指定(小学生以下は助言・指導が必要)されたもの
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R-15指定に相当する場面があると思われるもの
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