凱旋防衛を狙う充実のプラント
パワー頼みの挑戦者

  • 2020/03/02

 2019年1月、強打のホセ・ウスカテギ(ベネズエラ)から2度のダウンを奪って12回判定勝ち、IBF世界スーパー・ミドル級王座を奪ったケイレブ・プラント(27=アメリカ)が、元WBA暫定王者で現IBF3位のビンセント・フェイゲンブッツ(24=ドイツ)の挑戦を受ける。アメリカのテネシー州ナッシュビル出身のプラントにとっては凱旋防衛戦となる。
 12歳でボクシングを始めたプラントはアマチュア時代、2011年全米ゴールデングローブ大会のライト・ヘビー級で優勝したが、翌年のロンドン五輪は補欠に甘んじた。2年後の2014年5月にプロ転向を果たし、以後は順調に階段を上がってきたといえる。2018年2月には世界挑戦経験者のロヘリオ・メディナ(メキシコ)に勝ってIBF2位の座を確定させ、その勢いでウスカテギをも下して戴冠を果たした。半年後の初防衛戦ではマイク・リー(アメリカ)を3回TKOで一蹴、戦績を19戦全勝(11KO)に伸ばしている。
 KO率は60パーセントに満たないが、スピードを生かした多彩なパンチで観客を湧かせるタイプだ。相手が出てくるときはカウンターで迎え撃ち、出て来ないときは自ら踏み込んで左フック、左アッパー、右フック、右ストレートとコンビネーションで攻め立てる。まだ27歳と若いだけに、経験値が上がれば全体的なスケール感もアップしそうだ。
 IBF最上位の3位にランクされるフェイゲンブッツは16歳2ヵ月でプロデビュー。2戦目に3回TKO負けを喫したものの以後はKOの山を築き、2015年7月にはWBA暫定世界スーパー・ミドル級王座を獲得した。19歳10ヵ月での戴冠だった。この間、13連続KO勝ちもマークしている。暫定王座は半年後に失ったが、そこから再び10連勝(9KO)を収めて今回の挑戦にこぎ着けた。
 33戦31勝(28KO)2敗の戦績は示すとおりの強打者で、外側から打ち込む左右フックは重量感がある。反面、スピードに欠けるうえ攻防とも単調になる傾向がみられる。ポーランド(2度)、イギリス(2度)、ハンガリー(1度)で戦った経験はあるが、キャリアのほとんどはホームのドイツで積み上げられたもので、アメリカのリングは初登場となる。
 フェイゲンブッツは先手をとるためにプレッシャーをかけて出たいところだが、それは地元ファンの声援を背に戦うプラントも同じこと。スピードと技術で勝るプラントが序盤から主導権を握るようだと試合は一方的な展開になる可能性大だ。挑戦者は早い段階で一発を当て、ダメージと警戒感を与えたいところだが……。

スーパー・ミドル級トップ戦線の現状

WBA SC:カラム・スミス(イギリス)
      :サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
WBC   :デビッド・ベナビデス(アメリカ)
IBF   :ケイレブ・プラント(アメリカ)
WBO   :ビリー・ジョー・サンダース(イギリス)

ボクシング界のスーパースター、サウル・カネロ・アルバレス(29=メキシコ)の現在の適正階級がこのクラスということもあり、大きな盛り上がりをみせ始めている。アルバレスは5月に次戦を計画しており、その相手としてWBO王者のビリー・ジョー・サンダース(30=イギリス)が最有力視されている(2月20日時点)。パワーに格段の差があるためアルバレスの圧倒的有利は動かないが、サウスポーのサンダースのスキルに手こずる可能性もある。
 WBAスーパー王者のカラム・スミス(29=イギリス)は27戦全勝(19KO)の長身パンチャーだが、V2戦で小柄なジョン・ライダー(31=イギリス)に大苦戦、やや評価を落とした。アルバレスからの対戦オファーを断ったと伝えられるが、賢明な判断だったかもしれない。
 WBC王者のデビッド・ベナビデス(23=アメリカ)は187センチの長身に加え22戦全勝(19KO)と高いKO率を誇る強打者で、まだまだ強くなる可能性を秘めている。タイプは異なるが潜在能力という点ではIBF王者のケイレブ・プラント(27=アメリカ)も高いものがある。今回のビンセント・フェイゲンブッツ(24=ドイツ)戦をクリアした場合、その先には少し高いハードルが用意されるかもしれない。
 興味深いのは、主役のアルバレス(56戦53勝36KO1敗2分)を除く4王者がすべて全勝――スミス=27戦全勝(19KO)、ベナビデス=22戦全勝(19KO)、プラント=19戦全勝(11KO)、サンダース=29戦全勝(14KO)――であることだ。誰がどこまで連勝記録を伸ばすのか、そんな点にも注目したい。
 彼らをぴったりとマークしているのが元WBA、IBF世界ミドル級王者のダニエル・ジェイコブス(33=アメリカ)だ。昨年12月の転級初戦でフリオ・セサール・チャベス・ジュニア(34=メキシコ)を一方的な5回終了TKOで一蹴しており、このクラスでも十分に通用することを証明している。このほか、元IBF世界ミドル級王者のデビッド・レミュー(31=カナダ)、前IBF王者のホセ・ウスカテギ(29=ベネズエラ)、アンドレ(36)&アンソニー(35)のディレル兄弟(アメリカ)も王座返り咲きのチャンスをうかがっている。

長身サウスポーのペレラ
7連勝中のラモス 終盤勝負か

185センチの長身サウスポーのブライアント・ペレラ(30=アメリカ)と、WBC世界ウェルター級26位にランクされるアベル・ラモス(28=アメリカ)の対決。世界戦線に直結するカードではないが、スタイルが異なる選手の組み合わせだけに駆け引きを交えた好勝負が期待できる。
 ペレラはアマチュア時代にはアメリカのトップクラスで活躍。12年ロンドン五輪国内予選では、のちの世界王者レジス・プログレイスにポイント勝ちしたものの同じくのちの世界王者エロール・スペンスにはポイント負けを喫している。79戦70勝9敗のアマチュア戦績を残し、五輪出場の夢が断たれたあと12年2月にプロデビュー。以後、8年間に19戦17勝(14KO)2敗をマークしている。敗北は現WBA1位のヨルデニス・ウガス(キューバ)と元世界王者のルイス・コラーゾ(アメリカ)に喫したものだ。相手が入ってくるところを迎え撃つことが多いサウスポーのボクサーファイター型で、タイミングのいいワンツーを主武器としている。
 ラモスは11年9月のプロデビューから30戦して25勝(19KO)3敗2分の戦績を残している。三つの敗北はプログレイス、のちの世界王者イバン・バランチク(ベラルーシ/ロシア)、現世界ランカーのジャマル・ジェームス(アメリカ)に喫したものだ。このあたりに壁が見えるが、これを突き破れば世界15傑入りが見えてくる。左ジャブから右ストレートを狙う攻撃的なタイプで、至近距離では左右のアッパーもある。
 ラモスがプレッシャーをかけ、ペレラが足をつかいながらワンツーで迎え撃つ展開が予想される。オッズは13対8でラモス有利と出ているが、タイプが異なるだけに先に主導権を握った方がポイントを重ねる可能性がある。総合的な力は拮抗していると思われるだけに勝負は終盤までもつれそうだ。

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